今週の収益改善の視点 644号:「なぜ、収益の低いチェーンにとって、標準化は最強の武器になるのか?」
食品スーパーでは、9月は一年で最も売上が低い月です。夏物は終わり、秋物はまだ立ち上がらない。
ひとたび台風が来れば、客足は大きくブレ るし、売上の絶対額は少ないのに、人件費は変わらない・・・経営者にとって実に悩ましい月です。
なんでもそうですが、 調子のよい時は小さな変化に気づかないものですが、 苦しいときは、わずかな違和感にも敏感になるもの。
体力のある企業であれば、かすり傷程度であっても、体力のない企業にとってはその体力が奪われる月と言えます。
なぜ、こうした差が生まれるのか?経営者なら誰しも、興味を持たれることと思います。
先日も、
「標準化が進まないんです どうすれば出来るでしょうか?」 とあるチェーンの社長さんがご相談にお越しになりました。
問題店の五年間の数値をお持ちいただき、どうされたいのか?お聞きすると「該当店は何度も改装し、人事異動もやったが、“今のやり方を変えたくない”という声が多く改革が進まない」とのこと。
おもむろに語る 社長の表情は暗く疲れ切っていました
「現状バラバラでやってることを誰でも出来るようにする」だけですから、“今のやり方を変えるわけではない”ので本来相性は良いはずです。
なぜ、そういった行き違いがおこるのか?
確かに自由にやれなくなる、といったマイナスイメージを持つ方もいるおもいますが、
そもそも、人は、知らないこと、やったことないことに対して 不安・警戒感を抱くもの。だからです。
まして、改装や人事まで動かして、結果が出なかったとなればトラウマになります。
断っておきますが、決して改装、人事を否定するものではありません、むしろそれは、ちゃんとやらなくてはならないものです。
実は、それを、乗り越えるには、もう一つ別の鍵が必要になります。
今回の消費税減税についても、TYや新聞といったオールドメディアが盛んに反対論を出していたのは、ご記憶に新しいことと思います。
選挙公約を守っただけなのに、財源がどうのこうの理由をつけて反対し、大騒ぎしたわけです。
言わずもがな、今回の消費減税にように、前例のないことをやろうとすると、ああだこうだと言って、反対するのは人の性といえます。
こういったことは、政治に限らず、どこの世界あるということです。一方で、こうした抵抗勢力は、標準化を進めていくのに欠かせない重要なキャストだということは、ご存じでしょうか?
大事なのは、反対意見をうけ、審議を重ねきたおかげで 最初の一つで結果を出す。という流れをつくるということです。
これによって抵抗勢力の方々は面目が保たれますし、プロジェクト推進メンバーは自信がつきます。さらに、この経験が、二店舗目以降を進めていくための原動力になるからです。
標準化を導入して、会社の業績を正常化させるのは正しいことです。
しかし、その正常化論をいくら話しても、人は動きませんし、物事は進んでいきません。
なぜなら、人は誰しも欲深いもの、標準化といったルールを変えることで、既得権を失う人もでてくるからです。
業績回復に失敗しないためには、こうした人たちの意見に耳を傾け、それをプラス変換する仕組みなしに、ゴールを達成することは難しいということです。
これが、企業内に標準装備できるようになると、大抵の問題は、ほぼ解決することが出来ます。
ご支援させていただいている、某スーパーマーケットチェーンも数年前は、見えない抵抗勢力で、全く身動きが取れない状態でした。
打ち合わせにお伺いするたびに・・・
「この言葉は使わないでください」 「ここは触れないで下さい」 「この人は注意してください・・・」 そんな、状態が半年間続いていたのを今でもはっきり覚えています
しかし、社長を中心にこうした仕組みに真摯に向き合っていだくことで、今では過去最高益店が何店も出るようになり、企業として増益体制が整ってきています。
「抵抗勢力を味方につける」ことができるかどうかで、開店時の状態や夕方の状態が良くなり、粗利は上がります。
目先の数値だけをあれこれいう、指示がなくなるので仕事量が減り、人件費も下がるようになり結果収益が上がります。
人がこんなに減ったのに、業務が楽になって、最高益ってどういうこと?最初は店長の皆さん半信半疑でしたが、今ではそれが当たり前になっています。
さあ、貴社では、まだ、反対意見に翻弄され、身動きとれない状態のままいきますか?それとも、全てを味方にし一丸となって、まだ見ぬ明るい未来を手にされますか?
つぎに、標準化で成功するのは あなたの番です
著:伊藤 稔
