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今週の儲かる繁盛店の視点 第367話:「なぜ、社内不和が収益低下になるのか?その理由は、事業にあるのではなく、○○にあります」

「店がこんなに頑張っているなら、商品部としてしっかり品揃えしなくてはならない。改めて身を引き締めてがんばります」とある企業の商品本部長さんの一言です。

会議に同席していた、社長、運営部長や店長は、大きく頷く様子がわかります。本部を中心に会社が大きく変わり始めた瞬間です。

商品部長の表情から、この会社がこれまで、頑張って改善に取り組まれてきた様子がうかがえるかと思います。

――――ここからがさらに伸ばせる時期です。とハッキリ申し上げました。

店舗運営会議では業務改革課から人時売上報告と改善事例報告があります。それを受け、社長からは「人時売上を上げるための非効率なものをさらに探してくるように!」と檄が飛びます。

今は、順風満帆のこちらの企業ですが、数年前の姿からは想像もつかない状態といえます。

プロジェクトスタート当初は、各店長から「価格で勝てない、チラシを打つのは逆効果」とか「売れない商品の値下げ作業が大変」とか「商品の送り込みが多すぎ」といった不満だらけでした。
一方、商品部は店に対し「商品をちゃんと見て発注してない」とか「指示書をだしているのにその通りにやらない」はたまた「新商品を送り込んでも売るタイミングを逸してしまっている」と、店舗の徹底不足を指摘し、商販まったく噛み合わない状態だったのです。

同じ会社で、どうして、こんなに?というくらい仲の良くない状態であったことを今でもハッキリ覚えています。

社長の考えも「とにかく売上」という一点張りだったことから、こちらとしても、うーん…と一抹の不安を感じていました。

そんな、ある日のプロジェクト会議で、ある一人の店長から「チラシの訴求価格が弱く、売上が上がらない」という声がいつものように上がってきたので、

――――お気持ちは分かりますが、商品価格については商品部に任せ、店舗は人時で人時売上を上げることに集中してください。とキッパリ申し上げました。

その店長の、憮然とした顔は今でも忘れません。

こちらの店舗は、LSPを導入して半年以上経過してるのに、店長としてLSPを使った形跡が全くなく、店長自身ログインすらしていない状況を、外部の私に指摘されたことでかなり頭にこられたようです。

しかし、そういったキャリアと性格が功を奏し、その後の取組みは目を見張るものがありました。社内でもっとも人時に詳しいひとりとなったのです。

私たちが注目したのは、人時割レイバースケジュールであるLSPへのログイン回数でした。一般的に良く活用しているお店では、月間300回ぐらいが平均値です。ところが、この店長のログイン回数はその翌月から一カ月1000回を越え、その記録から、副店長やチーフと話し合い、本気で取り組まれた様子が伺えます。

ところが、熱中し過ぎたあまり、店長やチープ残業が月に100時間を超えてしまい、このままでは、体調を崩しかねないことから、

――――会議の席上で、活用いただいてることは評価します。但しこれからは「残業をせずに進めてください」と申し上げました。

またまた、感情が顔に出やすいこの店長は、鬼の形相でこちらを睨み無言でうなづいています。

果せるかな、3カ月後の店長とチーフの残業は、なんと100時間から10時間以内に一桁へと激減したのです。

――――どうやって、これを解決されたのですか?とお聞きすると

「人時には店長やチーフといった管理者の人時も含まれることから、管理者の勤務時間を短くすれば人時売上はあがるはず。シンプルにそこから始めようと思った」とのこと。

嬉しい誤算は、これによって、店舗で月900時間あった時間外労働時間が、300時間に減ったということです。店長の残業が減ることによって、店舗全体の総時間外労働時間が激減し、年度の利益目標の達成見込みが立ってしまったほどです。

これまで誰も見向きもしなかった店長の時間外労働について、真剣に向き合ったことが、この大きな成果を導き出すきっかけとなったのです。

この事例が、プロジェクト会議で報告されると、本部スタッフの動きが大きく変わりました。

バイヤーから発信される売場づくり指示書も、この作業には○○人時の必要人時がかかります。といった、但し書きか明記されるようになったのです。

また、販売促進部からは、メーカー送り込みの販促物を禁止し、手間がかからないものを自社制作し、商品そのものの良さが伝わるスッキリした売場なりました。

店側が求めていたのは、こういったわかりやすい文章で書かれた連絡文章であり、具体的な本部の取り組み施策でした。店はこれに基づきLSPを組むことができ、残業はさらに減っていったのです。

人時を起点とした取り組みが、本部を動かし、どうやれば 人時売上をあげることができるか?その仕組みが動きはじめたのが、冒頭の商品部長の一言だったのです。

社内不和という難題から逃げずに対峙した、企業努力の賜物といえるでしょう。

さあ、貴社では、まだ、売上の為だけに 本部と店舗の不仲を傍観しますか?それとも、人時生産性を軸に、社内の結束を高め新たなステージを目指しますか? 次に成功するのは貴方の番です。


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