今週の儲かる繁盛店の視点 第596話:「病院の業務改善を成功させるためにやっておくべきこととは?」

先生 過去に何回かコンサルに入ってもらって、患者さん待ち時間改善を試みたことがあるのですが、事務部門ぐらいはできても、全体として何も変えることが出来なかったんです。
ご相談にお見えになった、病院経営者の方からのご相談です。
聞くところによると、待合室に待ち時間を表示したり、テレビを置いたり、雑誌を置いたりしてはみたものの、一時しのぎで元に戻ってしまい。そのメンテナンスに手間がかかることからすぐに中止にされたとのこと。
要は、暇つぶしできるようなもので紛らわす作戦だったらしいのですが、今はほとんどの方がスマホを持ってますし、待ち時間が30分程度のクリニックならまだしも、2時間以上待たなくてはならない一般病院では、ほとんど意味がないといえるでしょう。
先日も、検査センターで、中々採血ができず、「なんだ、へたくそ、ちゃんとできるやつを呼べ!」と大声で、どなる高齢者男性患者がいて。別の職員がやってもなかなかできない。
お昼時で、ベテランの臨床検査技師がいなかったため、事務長が駆け付け、ようやく収めたのですが、その、後ろには、30人くらいの人がまっていて大変だったんです。
この一件で、検査技師が辞めてしまいクレームは本当にたまったもんではありません。
――――こういったことは、月に何件ぐらいあるのでしょうか?
今回のような、責任者が出ていくようなことは、月一回ぐらいですが、それに近いような問い合わせは、数えきれないほどあります。
―――― 一度、どれくらいあるか?数えてみてはいかがでしょうか?
と申しますのは、こうした大きなことは経営層まで、伝わってきますが、小さなお問い合わせは、その場で処理されて伝わってきません。
トイレの場所を聞かれたとか、会計機の使い方を教えてとか、放射線科の場所、受付の並ぶ順番だったり、患者さんの目からみて、わからないことが病院内にはたくさんあります。
そういったことを、一個一個、潰していくことで、スーパーではクレームをゼロにした企業が、いくつもあります。
中でも、もっとも多いのが、商品の場所を聞かれることなんですが、品切れしていて無い商品を聞かれることも多く、そのたびに、担当者を探して、発注と入荷日をお知らせします。
何回もやってると それが一番時間がかかっていたりすることがあります。
そういった非効率なことを、避けるため、品切れを無くすというひとつの答えを出しました。
これによって、年間何十時間もの無駄な時間が減り、発注や商品補充をしっかりやることでお問い合わせが減るのと同時に、売り上げ利益が上がる。
といったW効果が得られ、この年、この企業のA店は増収増益を実現しました。
A店の場合そういった問い合わせは、月に一店舗で100件以上ありますが、その問い合わせ内容と対方法を記録に残すようにし、店のスタッフと顧客のがどのような会話をしているのか見えるようしました。
業務改革プロジェクトの席では、月を追うごとに、従業員がどのように対応したのかかが報告されるため、一人ひとりの接客レベルが上がり、お褒めの言葉がどんどん増えるようになっていくことがわかります。こうなりますと、店の士気はますます上がっていきます。
こちらのお店は、プロジェクト導入前は、来店客調査の点数もよくありませんでしたが、今では、全店トップクラスの店に生まれ変わったのです。
社長さん曰く、この店のスタッフの動きが一番きびきびしていて、気持ちがいい。
その立役者となったのが、日々、従業員がお客様からのお問い合わせの記録を残す「お問い合わせカード」やっているから、この一言につきます。
と嬉しそうに語る社長の目は輝いていました。
案ずるよりは産むがやすし、こうした、お客様に寄り添う行動を継続するためには、会社として結果を賞賛し、会社として対応すべきことは迅速に対応する必須で、これが店の自信となってよいスパイラルを生み出しているといえます。
業務フローを活用した、改革はこうした士気を盛り上げながらやらないことには、やらされ感覚でいっぱいで中々軌道にのりませんが、ちょっとしたツールを要所要所で活用していくことで、大きな成果に結びつけることが出来るということです。
この方法は、病院でも大きく役に立ちます。これによって、案ずるよりは産むがやすし職員のスタッフの対応は大きく変わることで、接客技術が、磨かれホスピタリティー力はますますアップしていくことでしょう。
さあ、あなたの病院でも、こうした、取り組みを実践してみませんか?
詳しくは、セミナー事務局まで お問い合わせください。
著:伊藤稔