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今週の儲かる繁盛店の視点 第254話:「決断の遅れが招く、成長できるチェーンと失敗するチェーンの違い」

「こんなに手間のかかる作業のやり方 店長判断で変えればいいじゃないか!
 と注意するのですが、変えようとしないのです」とあるチェーンの経営者一言です。

―――会社として、取り組むべき業務改革の企画書はありますか?とお聞きすると

「いやあ~ 今まで店舗の意見を尊重し、改善をしてきたので…」とのこと

昨今の人口減で、売上低迷が続く中、コストは青天井の勢いで上がり続けています。
今までの、店の改善だけに頼ってもそれを吸収するためには、相当の数をこなしていくことが必要となります。

こういったケースの場合は、個店の問題に入る前に、会社として取り組み方針を決め、そのビジョンを紙に書いた計画書づくりが必要となります。

例えば、家を建てる時には、基礎工事から始まり柱を建て、屋根をつけてから雨風を防ぎながら外壁内装の順番でやっていきます。
そこには、必ず、設計図面があり、施工に入る時に測量も必要になります。
最も重要なのは、建物外観と内装間取りの全体ビジョンです。その理想形が描かれた絵に基づき図面が作られます。

業務改革も同じで、図面にあたる計画書をまずつくり、基礎にあたる人時割レイバースケジュールための調査をします。

柱となる改革すべき大項目を中心に打ち立て、屋根をつけることで、反対勢力を防ぎ、そこからこまごまとした業務改善を進めていくことになります。

そして、重要なのは人時売上目標を企業全体としてどのくらいにするのか?というビジョンがあってこれが紙に書かれ、そこで計画書を手直ししていくことになります。

理想のわが家のイメージと設計図が無ければ、家が建つことがありません。人時売上の目標と手順の書かれた企画書がない中で、社長が店舗巡回の際に あれこれ直せと指示を出しても、それでは何も進まないのは無理もありません。

語弊を恐れず申し上げるとすれば、一貫性のない指示によって、通常業務以外に業務が増え、どこに原因があるのかわからぬまま、人時生産性の店舗間格差は、拡大していくコトになります。

伊藤の著書「個店力最大化のすすめ方」の中でもお話しておりますが「店舗業務の改革」と聞くと、現場レベルで簡単にできることと勘違いし、間違われる経営者が実に多いということです。

本書の中のいくつかの事例でご説明してきたとおり、現場の店長だけでできるものではなく、それは「経営の改革」そのものだからです。

社長の意志決定に基づく、企画書がなければ、本部やお取引先の協力も得られず、何ひとつ変わらないことを肝に命じておかなければなりません。

さらに、企画を進めていく段階で「人がいないと出来ない」とか「イベントがないと売上が減る」とか「作業指示書をつくるのが面倒」…といった、店長から表面的な言い訳が出てきたら。社長として一蹴するぐらいの覚悟も必要です。

そもそも、人は「変化を嫌い、安定にすがる生き物」です。ここに安住すれば、会社は確実に衰退に向かいます。経営者として手遅れになる前に、経営への改革を実行してほしいので、ここは、あえてハッキリと申し上げています。

その理由は簡単で、先送りし遅れた分だけ、一人一人のやる気と給与は下がっていくからです。お客様は減り、お取引先から出される条件も悪化し、会社のキャッシュはジリ貧となり借金が増え続けていきます。

店舗業務改革とは、どこよりもお客様に寄り添って商売を続ける為に、経営として大局を押さえ、現状利益の数百倍化を目指すものです。社長以下経営幹部が、その進め方について本気で、あらゆる手を使い考え抜かなくては、到底うまくいくことなどないということです。

一方で、業務改革プロジェクトを発足させ、その骨格部分をつくり、それを柱に各店舗へ波及させてきたチェーンは全く動きが変わってきています。

実験店舗のムダ業務を見直した結果、店舗として取り組む改善項目と本部が改善すべき項目がハッキリし、それによって、店が独自に考え自ら作業のやり方を変えられるように進化してきています。

例えば、人時割レイバースケジュールを駆使することで、過剰人時部部分がハッキリと、浮かび上がってくるので、商品の品出し業務量の多い売場に対して、支援チームを設定することで、品出し時間が短縮し、それが午前中の売上を大きく引き上げています。

また、日替わり型のチラシや手配り企画を見直し、売場の組み換え切り替え作業を最少化することで、売上を落とすことなく人時を逓減化させることでも成果を上げています。

さらに、POPの切り替え作業や、価格チェック作業の発生する「月間お買い得商品」のあり方についても、店舗からの改善要請を受け、適正なアイテム数の再設定と、訴求期間の長期化により、価格訴求力を維持しながら、人時逓減化に成功しています。

こうしたことは、会社として方針が明解にされ、早期取り組みによってそれが結果に結びついています。

店舗の人時売上改善といえども、会社方針を早い時期に伝えられれば、本部部門も短期集中で協力していくことは十分可能です。そこで、業務改革部門が課題解決に動くことで、店舗間のバラつきも大きく是正されていくことになります。

全社を動かす取り組みの結集によって、人時売上は上昇し、資金に余裕ができます。経営として判断する余裕が生まれ、ここに、有料会員制度やコンシェルジュの仕組みを足すことで、さらに好循環は加速していきます。

皮肉にも店舗のバラつきを無くそうと、すればするほど、格差がでていた以前とは、裏腹に、企業トータルの方向性を決めたことで、全体の利益水準を押し上げる恰好となったのです。

さあ、貴社では、店舗のバラつき是正を無くす堂々巡りをまだ 続けますか?
それとも、堂々と企業方針を打ち出し、全体の利益改善を目指しますか?