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今週の儲かる繁盛店の視点 第288話:「新店舗にいくら力を入れても 企業は成長しません。もっとまずいことに、人も育ちません。 今 貴社に必要なのは あたりまえの・・・です」

「ようやく新店を出せるようになって、ここ数年で出店を再開してます。ところが、あまり売上がよくなくて…」とあるチェーンの社長さんからのご相談です。

聞くところによると、地元銀行から 低金利でいい物件を紹介され出店したものの計画未達。それでも会長は出店意欲旺盛で、銀行融資を受け店を出すのが社長の仕事!と一点張り。
一方、銀行からはちょっと止めたほうが?と言われ、藁にもすがる思いでご相談におみえになったのです。

――――競合が出てきたら、万事休すですよね

「実は、2年前も出店して同じような数値なんです」

――――今は、既存店を儲かるようにするのが先です。

とはっきりと申し上げました。

日々、何十万人も来店してくれている既存顧客へに、きちんと応えていくことが、未だ見ぬ顧客よりも大事だからです。

この先、社会保障費や消費税は上がり続けます。ボリュームゾーンの団塊ジュニア世代は子育て消費が終わると同時に、両親の介護問題が始まり、可処分所得が減少します。

団塊ジュニアの両親が貯めていたお金を、子供たちに少しずつ分け与え、支えられていた消費構造がこの先、さらに細くなっていきます。

これから団塊ジュニア世代にのしかかる、医療費や介護資金、老朽化住宅のリフォーム、遺産相続の分割化により目減りする資産。自らの老後問題と金のかかることは山積みです。

企業としては、地域ナンバーワンの規模を誇っていても、給与水準は低く、社内モチベーションも低い。顧客対応は遅く、評判もよくありません、創業50年以上の企業として、もはやかつての勢いは見る影もありません。

新規出店で、これまでの直面した状態を、一気によい方向に立て直したいという気持ちはとてもわかります。銀行も株主も応援してくれるからなわけですが、残念ながらその出店は、ほとんどの顧客には、全く関係がない。

本来であれば、既存店で業務改革策を設定し、その営業利益から、新店の資金や改装店舗の資金を生み出せるくらいの、人時生産性の高い店づくりをすることが先となります。

そのためには 経営者がそのノウハウを探し、導入定着させるための時間が必要となります。それが動き出すことで、不要な労働時間は減り始め、顧客満足度を向上させることができます。最終的に、従業員給与引き上げも可能になります。

店を作ってそれに働き方、運営方法をあわせるのではなく、生産性の高い運営方法を創り出し、それにあわせた改善投資を行っていくやり方で、その集大成が新店ということになります。

それゆえ新店が最も生産性の高い店となるわけです。

「売れない時代に 簡単にそんな店が出来るわけがない」という声が聞こえてきそうですが、

実際にプロジェクトに取り組んでおられる企業では、改装や新店に全てそのノウハウを盛り込んだ上で出店していきます。
そもそも、残業ゼロ化の仕組みは、既存店で出来ていなければ、新店では到底やることはできません。

プロジェクト企業でも、今までは、「店長は残業してがんばった人がなる」「長時間労働に耐えられる打たれ強いタフな人がなる」と、誰もが認識していた企業でした。

店長が多くの人員を抱え売上をとる店舗運営が、良しとされていましたが皮肉にもそれが、利益利率0.5%という赤字経営を10年以上も引き起こす結果となっていたのです。

一時はどこかのグループ企業に、買収されるのではという噂もあったのですが社長の「全力でやります」の一言で、プロジェクトはスタートし、今では、自力で、当初の5倍の利益率に回復するまでになっています。

人は変わることを好みませんから、今までやってきたことを否定されると抵抗されます。

皆さん驚かれるのが、人時生産性を数値で捉えていくと、次第に従ってくれるようになってくるということです。

――――例えば、残業は先月どのくらいでしたか?とお聞きすると

「うちは そんなに残業してません」と最初は憤慨されます。

実際に、個人別残業一覧を持ってきてもらってその場で確認すると、本当に残業ゼロの人は2割程度で、店長の認識と全く違っていたことが分かりました。

――――これはどういうことですか?とお聞きすると

「先月は ちょっと多くて・・・」と急に言葉に覇気がなくなります。

――――では過去半年間のデータを見てみましょうといって確認すると、全て同じ傾向であったのです。

これが 良いとか悪いとか言うことは別として、一カ月経過して締めてからでないと、店長は残業実態を把握できないという旧態依然の仕組みと、その運用ルールが無かったことが問題であった。ということです。

社長が「残業しないで帰るように!」といくら言ったところで、残業を制御する 仕組みがないのをいいことに、店長は、高をくくって、大したことはないと侮っていたことが、何十年もの間続いていたのです。

例えば、病院で処方箋をもらって、その通りに服用しないと、利かないばかりか、次にかかった時に、その倍を処方されることがあります。

医師の処方通りに服用して状態を報告しないと、本来自分の体に必要な薬の量がどのくらいなのか、わからなくなってしまいます。

そのために医師も薬剤師も、相対で、「薬を飲んで効き目はどうでしたか?」ということを必ず確認します。患者が個人判断で処方量を変えて副作用おこさせない、ことが重要だからです。

残業問題も同じで「自分の仕事が遅れたから、残業ではない」とか「自分の遅延業務だから、早く出社してカバーする」といった、個人判断による残業時間の隠ぺいは、企業として、どれぐらい労働力が必要なのか?

その把握を困難にさせてしまう、原因となっているということです。

前出の企業も、そういったことのチェックが漏れたまま、人時売上を出していたことから「そんなに悪くないじゃないか」と勘違いされていました。

改めて、タイムカードを全員がちゃんと打刻するようにしたことで、その生産性の低さを目の当たりにし、そこから努力されて2割、3割と生産性を上げ続けています。

こうした変化はお客様にも伝わり、反応はすぐに変わってくるものです。

生産性が上がりますと、売場の商品量は増え、店舗の後方在庫は無くなります。何よりも、店舗苦情が減り、お客様からお褒めのお手紙をいただくまでになりました。

本部のオフィスのイス机も一新され、こうしたことで従業員のモチベーションがあがったのは言うまでもありません。

これは、残業問題に限ったことではなく、商品ロス、作業ロス、売上ロス、全てに連携してくることになります。それを 数値化し解決させていく、仕組みを社長が探して導入しない為、常に売上高と粗利の話で終わってしまうのです。

大事なことは、残業ゼロとは どういうことか?新店とおなじ手順で、ゼロの店を一から作ってみようと、社長が信念をもって、綿密な計画をたてて取り組まれたことはありますか?ということです。

そういう意味では、新店舗を作るより難しいといっても過言ではありません。

と申しますのは、新店は、お金を出してつくることはできますが、残業ゼロ店は、お金を投資しても、減らす方法がわからなければ何もできないからです。

確かに新店は、新店でいろいろなことを学ぶことができますし、企業の成長力の証となります。その店があたればそのノウハウを既存店に波及させていくこともできます。

新店で全体売上は増えたとしても、既存店の残業が減らなければ、全社の利益は増えることはありません。

まして、その状態で、新店を作ったとしても、既存店となんら変わらない、人時生産性の低い店であれば、利益が増えないのは火を見るよりも明らかだということです。

さあ 貴社では、まだ 姿の見える「新店」で一発逆転を狙って、空振りで終わりますか?それとも、姿の見えない「残業ゼロ店」で毎回得点が得られる方法で、利益倍増を目指しますか?