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今週の儲かる繁盛店の視点 第397話:「2022年躍進するチェーン経営実現へ向けて」

今年も余すところあところあと4日となりました。新型コロナが発生し、3年目に差し掛かった年の瀬です。人の成長で言えば3歳、中学でいえば次の高校に進学という長さといえます。

長引くコロナが業界にもたらしたものは何で、来期それを活かし、2022年躍進できる企業になっていくにはどうすればいいのか?について今日は考えてみました。

①コロナ後の休日のあり方と働き方の変化とは  

令和になってクリスマス連休は無くなり、12月商戦は平月に近しいものとなりました。その後新型コロナの発生により、集まらない、移動しない、騒がないといった流れは、コロナ明けの今も続いており、数年前の年末とは大きく様変わりしました。

企業もテレワークから出社形式へ戻りつつあるものの、上がるコスト増を考えた時、この先どうなるかは時間の問題といえます。

コロナ禍では、盆暮れの移動制限が課せられましたが、今後「混雑する盆暮れ帰省」をさけ、分散化が進むことも予想されます。

おりしも、年次有給休暇の取得義務化の背景から今後、夏休みや冬休みと言った連続休暇は1年を通じて分散化してとっていく方向に流れていく事となるでしょう。

各企業は、誰でも交代制でできる、業務標準化や作業指示書も不可欠になってきます。

チェーン業界も店舗だけでなく本部に於いてもレイバースケジュール管理をまずしっかり取り組むことが欠かせないといえます。

このように、働き方が変わることで自由に使える時間が増え、買い物の仕方も大きく変わります。その究極が、ネット通販、宅配、フードデリバリ―であり、それを迎え撃つリアル店舗ではピークに合わせた商売の仕方から、いつでも、ほしい商品が必要な分だけ買える体制づくりが重要視されます。

2021年は原材料価格が高騰し、食品メーカーの間で値上げの広がった年でした。食油、コーヒー、冷凍食品、牛丼価格、輸入魚介類はメーカーが値上げを進める一方で、「消費者の節約志向」を理由に、値上げできない企業間の格差が出ることが予想されます。

売上は上がっても、利益が上がらない歴史を繰り返してきた国内チェーンは、メーカー同様、きちんと価格を上げなければならないものは価格を再設定し価格以外の企業特徴をもつことが、企業収益の鍵になると言えます。

②企業の目指すべき新たなゴールの形

コロナ明けでようやく外食業界にも光が当たってきたと思いきや、今、外食チェーンは深刻な人手不足に立たされています。すでに、首都圏の外食チェーンでは時給1500円超で募集し、半分の人数で回すにはどうするか?といった動きになっています。

時給を1.5倍だしても半分の人時でできれば、2倍の生産性があげられることから、ここが大きな成長ポイントになってくることには間違いないと言えます。

「給与は上げない、人手は増やしたくない、成長投資は好まない」といった状況に長年浸かってきた小売りチェーン業界は、これまで経験したことのない、人件費高騰と人手不足の影響をこれからもっとも大きく受ける年となることが予測できます。

コロナ特需で収益を上げた、食品日用品小売りチェーン業界では、作業割当システムのようなものを入れ、人時実績を出せるようになった。という企業が少しずつ増えつつあります。ところが、作業割当システムを使いこなすことが出来ず、人件費が下がらないことから「どうすればいいのか!」といった問い合わせが増えてきています。

ご相談にお見えになる社長のほとんどが、「人時目標の設定がわからない」とか、「人時を減らす方法がわからず、作業割当表をつくることが目的になってしまった」とか「目標を達成させていくための執行計画が出来ない」という課題がその大半をしめています。

――――なぜ、作業割当システムを入れようと思ったのですか?とお聞きすると、

「たまたま、特需でまとまったお金が入ったから…」という、少々バツの悪そうな答えが返ってきます。

お金がある時に…というのは?はごもっともですが、そもそも、経営戦略の立て方は、まずは目指すべき中期計画目標(3年~5年)を掲げ、それを達成させていくため「執行プラン」を作ります。

そこにかかる活動資金を、投資回収計画で算出して進めていくというのが、一般的な流れだからです。

手元資金が不足していれば、他から調達して、執行プラン活動費に引き当て、お金を増やしていくことは、資本主義の原理原則に則ったものです。

それを、「うちは、月にこれだけしかお金が出せないので…」とか「いつかお金が貯まったら…」とか「ボーナスが出たら…」サラリーマンが月給のおこずかい範囲でお金を消費するのと一緒くたに考えているようでは、いつまでたっても苦境からは脱出できない。

と言わざるをえないということです。

経営戦略とは、わかりやすく言えば、中古のマンションのような資産価値を生みそうなものを購入し、自分で住まずに賃貸に出し収入を得るようにすることです。投資回収が終わったらその不動産を売却することで、売却益を得てそれを元手にさらに収益力の高い物件を増やしていくといったお金を増やすことにお金掛け企業成長をさせていくことです。

大事なことは、お金を使う目的が 月次運転資金とは別枠で、お金を増やすための投資になっているかどうかという点です。

③着実に成果を出し続けるためにすべきコト

投資回収率の出し方は、年間利益÷総投資金額で算出します。簡単な話この数値が大きければ大きいほどいいわけで、例えば、毎月100万円ずつ人件費が下がり年間1200万円の利益が見込める仕組みであれば、1000万円出しても、1200万円÷1000万×100=120%の投資回収できるということです。

言い方を変えますと、1000万の人時売上向上のための執行プラン投資を行わなかった企業は、お金を増やす手立てがないまま会社経営をしているということです。

「お金がないから」やらないという言い訳をして、成長戦略投資をしない企業というのは、こうしたお金を増やす仕組みに投資をしないことから、資金繰りに苦しむことから脱出できないのはその為です。

一方で、コロナ禍以降も伸びている企業は、こうした活動投資を積極的に行い、上がった利益を、ネット通販事業や、商品改廃投資に再投資し更にここで収益力を引き上げていきます。

よくあるのが、作業割当システムをいれたから、あとは 他店に拡げればいいと「現場に丸投げした」とたんリバウンドで人時が増えはじめ、1年後に元に戻ってしまった。という笑うに笑えない話がある。ということです。

実際、お手伝いさせていただいた企業で「もう一度やり直したいのでお願いします。」といってこられた社長さんもいるほどです。

なぜ、そんなことになるのか…

理由は明快です。

「作業指示書を一店舗導入出来たことに安心し、店長に丸投げしよくわからないまま尻切れトンボ状態で終わった」とか

「業革専任チームを組織化せず、業革メンバーがコロコロ変わったため無責任状態になった」

また「業務量を減らす具体策を出し続けることが出来ず 無理やり人時を減らそうとし不満が爆発した」等々様々要素が重なったからですが、

大事なことは、仕組みを運営させていくための 業務改革組織の設定と、中期計画に基づく人時売上目標の設定と進捗管理と指導。この2つをいかに地道に続けることが出来るかということです。

よくあるのが、「業革メンバーを増やし過ぎると、リーダー自身が下に丸投げして何もやらない。」という声が聞こえてきそうですが、

業務量を減らす具体策を策定し実行するのがこの組織の使命であり、リーダーが作業に没頭し、戦略策定に集中できないことの方が、リスクが大きいという事です。

人時は、同業他社がやってるから うちも…という横並び感覚でやっても、人時売上は上がるほど甘くはありません。

大きく会社をひっぱっていくためには、それなりの人員と資金が必要であり、精神論、感情論に頼ったやり方では、立ちはだかる壁を乗り越えられないということです。

実際、5年かけ全店に人時割レイバースケジュールを入れ、社内業革チームの手によって1店舗ずつ指導してきた企業は、弊社の手を離れても全くブレておらず、新店や改装も次々に成功させているのは紛れもない事実です。

さあ、貴社では、まだ精神論で人時売上を目指しますか? それとも組織的に収益力を高め、躍進する来年に向け成果を手にしますか?


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