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今週の儲かる繁盛店の視点 第306話:社長の役割は 事業の結果を生み出すパターンを創ること。その時に必要なのが○○からパターン化すること。

「今は 売れてるんですけどこれ、絶対に反動がくるから ニンジ売上から目を離さないコト!」と言ってるんですけど この先どう進めていけばいいのでしょうか?

少し前から、店舗の構造改革に着手されている、とあるチェーンの社長からのご相談です。

中国では、新型コロナの感染拡大が一段落したことから、政府が「復旧」をアピールし商業施設や飲食店の営業再開が急速に進んでいます。

中国?公表数値の出し方や、お国柄も、主義主張も異なることから、ちょっと…という声もあります。

それはおいとくことにして、一番のかき入れ時となる1月春節時に、都市封鎖でコロナと対峙し、復旧に真っ先にたどりついてる国であるのは紛れもない事実です。

そのとき起った「買い占め」や「混乱」といった消費者心理は各国共通で、この動きから、日本にどういうことが起きるのか垣間見ることができます。

その中国が2カ月以上人の動きを止め、再開したわけですが、企業の経営環境は大きく変わっています。

ネット通販は一気に落ち、何とか現状維持できているものの、小売りチェーンでは通常時の客数半減。また、一度は再開した映画館なども消費者は感染を警戒し再び閉館しているところもあるとのこと。

これまで、スーパーやドラッグで食品と日用品しか利用できなかった状態から、外食や衣料・住関連店舗の再開に伴い、動きが変わり、混んでたスーパーが閑散となる状態になってるようです。

かといって、スーパー以外のモノがいきなり売れてるわけでもなく、一度、自粛生活に慣れ、冷え込んだ消費が戻るのにはさらに時間がかかるといえます。

この是非はともかく、今、言えることは、日本はさらにそのはるか後ろに位置しているということです。

その日本経済は、百貨店、アパレルは売上半減、インバウンドによる旅行、航空会社、旅館では売上8割ダウン、鉄鋼や自動車産業は工場停止を決定しています。人が集まるイベント関連も収入ゼロ。TVドラマのロケも中止。

新型コロナに端を発した 外出制限などの余波は消費を取り巻く環境や、業務内容を一変させ、これから 淘汰や再編が進むでしょうし、リアル店舗として、新たなビジネスを創る醸成の時期といえます。

そうは言っても、特需であろうがなんであろうが、売上アップはたしかに嬉しいですし、士気も上がるものです。

ここでちょっと考えていたいただきたいのは、この特需の人時売上高は果たしてどうなっているのか?ということです。当然そのためには、この数値を確認できる術があるかどうか?ということにかかってきます。

人時売上高とは、売上と人件費の関係を一つにまとめたものです。企業の生産性を表す重要な指標で、売上高を人時で除して算出します。

今回のような特需のように売上が上がったとき、必要に応じて、人時数を増減させることで全体の人時売上が変えられ、営業利益をコントロ―ル出来る画期的なものです。

売上が下がった時には、人時数を引き下げていく仕組みも必要となり、それと組み合わせることで、人時売上高が低下しないようにするのが経営の役割となります。

「そんなこと簡単にできれば、最初から苦労しない。」という声が聞こえてきそうですが、

――――業界ではそういった仕組みを使い、人件費を下げておられる企業は確実に増えています。

と申し上げています。

少子高齢化のすすむ地方で、数十店舗を有する スパーマーケットチェーンもその一つです。
これまでは、ポイント倍増日だとか、チラシの立ち上げ日にどのくらいの人が必要なのか、売上高の最も高い日を基準に全てを決めていました。

社長がEDLP系の競合店を見て回って歩いたとき、「何人時あれば、通常状態の店をまわすことができるのだろうか?」とふと疑問を持たれたのがその発端でした。

それからは、人がいない、人がいないという自社店舗を中心に、時間を決めて何度か足を運び、パートナーさんと話をしていくようにしました。
売り出し日のピーク時間は、確かに皆忙しそうにうごいているけど、その他の時間や、普通の平日は皆ゆったりと作業をしている。ことがとても気にかかっていたからです。

ここ数年で上がる人件費単価、採用難といったことに翻弄され、売上は維持していたものの、利益は連続減益。
人口減の余波から、2年前から売上減の歯止めがかからず、資産売却するかしないかといった真っ只中、弊社セミナーにご参加いただき、その数週間後プロジェクトはスタートしました。

人時という数値は算出してたものの、これをどう現場で活用していくべきかは?といったことが見えなかったため、月に一回出てくる数値を見て「うーん」と悩む日が続いていたそうです。

早速、店舗を拝見し、調査を進めていきますと、社長の勘はほぼ的中していました。伊藤は日頃、人に付いた仕事を、仕事に人を付けることで、生産性が変わるということを申し上げています。

運営部長に、一週間分の出勤シフト表を見せてもらうと、売上の高い日と低い日もほぼ同じ人員が配置しれていたり、納品がないにもかかわらず、納品がある日と同じ人員体制であったり、ということがはっきりと数値にでていたのです。
これをあるフォーマットにまとめるように指示し、そこででてきた数値結果を見ると、一週間の作業うち、無作業状態の人が全体の2割以上占めてたことがわかったのです。

なぜ、そういったことが起きていたのか さらに進めていくと、店長やマネジャーは、売上が上がりそうな時、ポイント倍増セールの日だから、チラシの立ち上げの日といった理由で、人員を投入していました。

さらに、各個人が、今日は仕事が終わりそうにないから残業や早出が必要と、個別判断し、仕事を進めていたのです。

会社が利益を生み出すための組織というより、各自がそれぞれの自由なやり方で、作業を進める集団になっていたことが、減収減益を招く最大の要因であったことが見えてきたのです。

売上を上げていくための、日別の発注数量や、商品加工数も個人任せで、在庫や商品ロス管理も基準もなかったため、利益がこぼれ落ちていた状況でしたので、あわせて修正していくプランを立てて進捗を確認することで、利益率は一気に変わっていきました。

ここで、問題になったのが、無作業状態をいかに見つけることができるかどうかということでした。実は無作業状態というのは目に見えないので、中々見抜くことができないのです。「何もやっていない」のではなく「利益に結びつくこと」をやっていない。そういった業務時間をあぶり出す手法が必要なってくるからです。

非効率業務?と聞いて、僅かな時間差と思われがちですが、売上の13%以上を占めている人件費の2割以上こういった無作業状態あったとすれば、そこには営業利益率で2%~1%を生み出すのびしろがある。ということです。

大事なことは、この結果であってこれを元にプロセスを創るという事です。
特需で売上が上がると、こういった非効率業務改善が、埋没されがちですが、その後に襲い掛かってくる、売上減に備えることを考慮すれば、今この準備をしておくことがいかに重要なのかわかるものです。

さあ、コロナ騒動終結後へ向けての再出発の時期です。共に頑張りましょう応援しています。


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