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今週の儲かる繁盛店の視点 第317話:「なぜ、売上を伸ばし成長してきた企業は生産性で苦戦するのか?その理由は事業にあるのでなく〇〇にあります」

「売上の伸びが、マイナス基調になる前に、何かスグに効果の出る方法に着手しておかなくては…」とあるチェーンの経営者からのご相談です。
ホームページで会社概要を拝見すると、店舗規模の拡大や売場プロモーションを強みとして、売上を上げてこられたようで、一見順風満帆に見えます。

――――これだけ、毎年売上を伸ばされてれば、問題ないのでは?と申し上げると

「いやいや、そんなことはないんです、もっと売上も、生産性を上げられる方法をもたないと、十分ではありません」とのこと。

――――販促強化、プロモーション、賑わいを中心に拡大してきたチェーンが、店舗オペレーション生産性も同時にすすめていきたいとお気持ちはわかりますが、簡単にはいきません。とキッパリ申し上げました。

理由はシンプルで、その販促強化がどのくらい利益をもたらしたのか、検証するすべが無ければ、この先改善出来るかどうかわからないからです。

コロナ禍で蜜を避けるため、日替わりチラシ、ばら売り、試食、イベントといった、賑わいを作る方法が出来なくなり、一方で、増えた手間にかかるコストをどう吸収していくのか?

こうした相反する問題を丁寧に潰していくことが、生産性を上げていくことに繋がるのですが、このプロセスがブレると、結果が出ないことがあります。例えば、販促強化は「見える」ことであることに対し、店舗オペレーションの人時売上は「目に見えない」ことからこの二つの効果を絶えず比較し、どうすれば儲かるのかを決めていくのは決して楽なことではないからです。

新聞折り込みチラシのように見えるモノは、新型コロナの自粛で止めても、簡単に再開出来ますが、店舗で個人に任されてる作業は見えない為、簡単に変えることは出来ません。

と申しますのは、今まで個人のやり方に任されていたことを、会社のやり方に置きかえ、新たに作業指示書を作っていかないと、人時売上を上げることが出来ないからです。

そのためには、これを進める専門チームをつくり、人材を育成していくことがその第一歩となるのですが、難しいのが、やはり人材選びです。

アスリート選手の中からオリンピッククラスの伸びる選手を発掘する法は、金メダリストのVTR映像を一回見せ、同じプレーをさせてみることだそうです。伸びる選手というのは、先入観や思い込みがないため、VTRを見ただけで自分自身でそのフォーム改善をしようとすることで伸びしろが大きくあるからだそうです。

そういう意味では、業務改革プロジェクト人選の発掘も同じで、生産性を上げる事例を聴いただけで、自らでもすぐにやってみようと動く人材に同じことをやらせてみることです。どこかで、聞いた話や、生半可な情報を持ってる人物を選んでしまうと、出来ない理由を探すばかりで、結果が出ないだけでなく、業革がとん挫しかねないからです。

既に、こういった手順で業務改革プロジェクトで店舗作業を統一化させている企業では、社内の雰囲気は全く変わってきています。

先日も、企業のプロジェクトミーティングに参加すると、社長から「先生、これ、本のどこかに書いてありましたよね。」とあいさつ代わりに、いつものように拙著の話が出てきます。
結果を出されている企業に共通している点は、こうした本の改革事例を自社に置きかえ、社長がご自身の言葉で語り、やってみようとう口にして、社員に行動させようとしているということです。

VTRと本の違いはあれど、そこに出ている成功方法をトレースし、その通りに進める事が、成功の可能性が高めることに繋がる。

実際そういったことに力点をおいて、収益力が変わっていくことがイメージできますと、社長の行動をお手本として、社員は自発的にそれをトレースするようになります。その結果、会社全体が、良いスパイラで回り始め、気づけば生産性が上がっていたというのは良くある話です。

この先、消費は冷え込むことを考えれば、今、勝ち抜ける成功方法をまず探し出し、トレースする。まず、そういったことがわかる仕組みづくりは、何より優先しなければならないことのひとつだということです。

さあ、貴社では まだ、がむしゃらに頑張りますか?それとも、最短で成功するための、最善の方法を選びますか? 


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