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今週の儲かる繁盛店の視点 第374話:「必ずしも少ない人数が良いわけではない、なぜ、少人数で回さなくてはならないのか?その理由を○○しているか?」

少し前の日経新聞に、デジタル化についての記事が出ていて、クライアントの社長さんとの会話で、「先生がいつも言われてることがでてましたね。」と話題になりました。

その内容は、1960年代の米自動車産業の労働分配率は最大70%の時期があり、それにとって代わる米ITサービス産業の労働分配率はその半分以下というものです。

労働分配率とは販売管理費に占める人件費の割合ことで、企業にとって悩ましい問題です。少ない人手でやるというのは大事というのはわかっても、どの程度の水準がいいのか?というと、はて?一概には言えないものです。

しかし、企業を成長させていくには、避けて通ることが出来ない問題のひとつということです。

――――なぜ、少人数で回さなくてはならないのか? 

ひとことで言うなら「その流れには乗ったほうが優位に戦えるから」といえます。

「え?そんなこと」という声が聞こえてきそうですが

小売りチェーン企業は、人口増により半世紀の間、大量雇用と大量消費に支えられてきました。
多少、手のかかる作業であっても、雇用促進にも結びつくことから、それに比例し、地元活性の大きな役割も担ってきました。

ところが2008年に始まった人口減少で、売上は減り、労働人口の減少で、状況は大きく変わりました。

人件費を中心に販売管理費はここ数年、売上対比0.4%で上昇しているため、このまま手を打たないと5年後には、営業利益率2.0%が吹っ飛んでしまうことになるかもしれないからです。
こうなると、労働分配率の目標をどれくらいにおくべきかが重要となってくるわけです。

仮に、国内チェーン企業の労働分配率が50%とすると、先の米ITサービス産業との開きは17%とあり、今の人件費の7割以下で回している計算になります。

こういった話をすると「業種・業態が違う、出来るわけがない」という声が聞こえてきそうですが、世界の中ではやっている企業が実在するのも、これまた事実ということです。

人件費という大きな問題でとらえてしまうと一度に解決するのが難しくなるため、これを人時に置きかえます。人時とは時間当たり作業量の意味ですが、これを使い、どこにどれぐらい時間がかかっているのかを調べて、その一つを解決していくと分かりやすくなります。

その原因になりそうなことをリストアップすることが、今の、高コスト構造の悪循環を断ち切る解決策となるからです。

ところが、その前に壁があって、多くの企業はここで諦めてしまいます。

例えば、店舗の原因になりそうなことを調べるにしても、どこから手をつければいいのか?それにどのくらい時間がかかるのか?となるとやってみないと皆目見当がつかないことばかりだからです。

大まかな流れを申し上げますと

まずは、企業としてどこを目指していきたいのか、単に利益を上げるということではなく、どういう位置づけでどのような役割を担うのか、今一度明らかにすることです。

人口減だけでなく、スマホの普及に伴うSNSの日常化、ネット通販の台頭、異業種業合の出現により、店舗を取り巻く環境は10年前とは大きく変わってきているからです。

この先優位に展開していくための条件として、先の基準をもとに、今の人件費を7割で回すことが出来れば、むこう5年は先が見え、競合や自然災害等をも乗り越える収益構造ができると考えるからです。

その前提で、店舗業務にはどういう項目があってその中で、利益なってない業務項目を、見直す戦略が立てられれば半分できたと同然ということです。

その為には、まずは、限界を取り払って考えることが大事なんですが、何か始めての行動を起こすやすくするには、明文化して図上に落とし込むことが大事です。

どんなに素晴らしいプランが社長の頭の中だけにあっても、使われなければ無いのと同じだからです。経営者としてやるべきことは、目標達成のための組織と予算を見積り明文化することです。

ごく普通の生活をしていて、太って成人病になるのにはお金はかかった感じはしません。しかし、健康診断でメタボと言われそれが原因で大病にかかってしまったことを宣告されたときはじめてことの重大さに気づきます。

今までの健康はタダだと思って注意を怠ってきた代償をここで払わなくてはならないということです。何処に問題があったのか?を明確にし、治療・回復・健康のためにお金と時間を掛けていくことになります。

企業も同じで、今まで何気なくやって増え続けた人件費の無駄を削ぎ落し、健康体になるには、問題点を明らかにし、一つひとつ解決していくことになります。

大事なことは、全体の収益構造を変えていくために、脂肪体質を筋肉体質に変えることであり、それによって、基礎代謝を高め、利益を生まない老廃物が溜まらないスリムな経営にすることです。

実際に、取組まれている企業では、プロジェクトにしても、店長研修でも、投資回収以上の効果を出されていています。参加メンバーは、そういった取り組みを再現できることから、各企業より喜びの声をいただいています。

さあ、貴社では、たるんだ体で動きの遅い社員を、精神論で動かそうとしますか?それともスリム化する仕組みづくりで、生産性の高い人材を増やしますか?


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