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今週の儲かる繁盛店の視点 第382話:「なぜ、多くの企業で店の収益強化策を間違えてしまうのか?」

「先生、店舗での生産性が大事なことはわかります。商品とはどう関係性をとっていけばいいのでしょうか?」とある企業の社長からのご相談です。

――――おっしゃる通り、発注、品出し、売場づくりや、顧客開拓にも人手は必要です。
そういった中で、人時生産性に強くなるために押さえておかなくてはならないことがあります。それは、「人時売上の原理原則とは何か?」と言うことです。

人時売上を高めていくためには、その原理原則をよくわかっていなければ、ちぐはぐなことをしたり、小手先の対処になってしまうということです。

よく、「ムダをなくし人時生産性をあげましょう」とか「売る力をアップさせて…」といった言葉を耳にすると思います。
巷では「生産性アップセミナー」といったものも数多く開催されているし「〇〇生産性の向上」についての書籍などもたくさん売られています。

たとえ、一時的に成果が出たとしても、半年もしないうちに効果が薄れ、また違う方法を探して…といったことでは、「乱獲の末、絶滅に瀕する」ということになりかねません。

大切なことは、一つひとつ確実に良くなっていくように活動で進めていくことです。
今より半年後、一年後、さらには、三年後、五年後が、確実に良くなっていくためには、原理原則を押さえていることが重要だということです。

結論から申し上げれば

商品力×販売力÷人時力=人時売上力 というシンプルな公式になります。

もちろん、さまざまな考えやご意見もあると思います。とくに 人時力については、賛否の分かれるところかもしれません。
しかし、ここでは「チェーン経営のための」という前提です。

こうした基本に立ち返り考えることで、人時売上力とは商品・販売・人時の三つの要素に集約されることがわかります。

商品が悪ければ売れないし、販売力がなければどれだけ良い製品でも売れない…、人の作業に興味がなければ、社内で協力は得られません。

何をお伝えしたいのかと言えば、この人時売上力の公式は、掛け算と割り算で成立しているということです。

商品力や販売力があっても、販売力と人時力がどれだけ優れていても、のこりのひとつが「ゼロ」であれば、人時売上力は一向に改善されないということです。

とくに人時については、多いとか少ないとかだけでなく、「やったことない」「どうせ何も変わらない」「わかりにくい」といったマイナス点があります。

そう言う意味では、生産性をスタートしたばかりの企業がその入口部分ですでに大損をしている例もたくさんあります。

たとえば、表面的な「似て非なるやり方」を真似たり、よからぬアドバイスを真に受けて、経営者自らマイナスをつくりだしているということです。

よせばいいのに、とりあえず社員にセミナー行って勉強してこいといった丸投げをしたり、どこかの企業で作業レベルでやっていたやり方が正しいと思い込んでやり続けてみたり…。

企業として目指す方向が、自社のドル箱店だけやって効果あったと、言いたいだけならそれはそれでもいいと思います。

しかし、真っ当に全ての店で成果を出そうとするのならば、これは本末転倒で、多くの方々が、この大事なことに手をつけていないに等しい…という状況にある、ということです。

仕事柄、これから店舗数を増やそうと考えている方や、店の収益を上げたいと考える幹部の方がご相談にお越しになります。

なかでも多いのが、「人時売上を算出しても、個人の契約変更まで手が付けられない」というものです。

いわく「自社でレイバースケジュールをつくって、必要人時に合わせた契約人時に修正ができるようになれたら素晴らしと思う」と言われます。

しかし、「人時予算の根拠づくりも難しいし、人件費引下げのための、契約人時の変更手順はどうやればいいのか、分からず困っている」ということです。

こうした時、実際にどのようなことをされているのか、細かく伺ったりしますと…

常々思うことは、―――このやり方では、とても契約人時の変更はできっこないのでは…といった無頓着なやり方があまりに多いといことです。

そもそも、「店舗人時をコントロールしなくては!」と言っておきながら、なぜ、多くの幹部がこういったことを準備をせず、店舗指導しようとするのか?不思議と言わざるを得ないことです。

「そんなことはない!」との反論も聞こえてきそうですが、圧倒的に大多数の経営者が、ほぼ丸腰で店舗視察に行っているのが実態です。

丸腰とはどういうことかと言えば、店長と話をするときに、該当店舗の人時生産性の改善手順を示す資料は用意せず、「商品勘定実績」だけは持って、というような状態です。

弊社では、この状態を「丸腰」と呼んでいます。人時売上の自主的取り組みを促すための、必要なものが何ひとつ用意されていないという意味です。

世の多くの経営者の方のために、まず申し上げておかなければならないことがあります。

「チェーン経営に於ける、収益強化活動とは、契約人時の継続的見直しにある」ということです。

このことが腹の底からわかっていない限り、すべての準備も活動も無駄になってしまいます。

喉から手がでるほど欲しい、売上利益を取り戻すための施策なのに、目標達成のための手順や、リアルタイムでの進捗情報もないということは、これを「丸腰」と言わずなんと言うのかということです。

実際、これまでご相談にお越しになられた方で、各店の人時売上予算実績を店舗巡回の際に、ご用意され回っているという方は、ほとんど皆無に近く、逆に、驚くべき確率で「売上概算、粗利率、在庫」といった商品勘定データだけは用意されています。

誤解を恐れず申し上げれば、「売上概算」は無くても「収益改善」には全然支障ありません。
しかし、「人時予算や実績」は絶対なくてはならないツールであり、これを用意せず、人時売上を店舗にやらせるなど、生産性改善の本質がわかっていないということです。

一方で、人時売上を基準に動いている企業では、指示がシンプルにわかりやすくなるため、成果の出るスピードが圧倒的に早くなります。

また、すべての行動が機敏になることで、ゆったりやっていながらも、次の打つべき手が自ずと見えるようになるのがその共通点といえます。その差が企業力となって表れてくるのです。

さあ、貴社では、まだ、いまのままの店舗指導を続けますか?それとも、収益改善に結びつく店舗指導で、業界の先端を突き進みますか?