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今週の儲かる繁盛店の視点 第383話:「なぜ、企業収益力が上がらない要因を、顧客に聞かないのか?」

「先生、コスト削減もまともに出来ていないのに、言えたことではないのですが、あまり極端なことをやるとお客様に迷惑が掛かる。という声があって…」

少し前にお見えになった、ある企業の社長からのご相談です。

――――おっしゃる通りです。人時生産性改善と顧客満足度は、どちらか一方ではだめでバランスが重要です。と申し上げました。

人時生産性は、売上や人時実績を見れば確認することはできますが、お客様がどのようにとらえているか?というのは、客観的な調査、いわゆるアンケートなどを行なわなくては分かりません。

アンケートとは、簡単に言えば「顧客満足度調査」です。主催する企業が調査主であり、調査結果を元に改善を行なうものです。一般的には、店舗のすべてのゾーンを採点するために使います。

店舗の評価や改善点を見つけて次回に活かしたり、場合によっては店長や売場長のチェンジを行なうための道具ということです。

実際、大多数のアンケート、つまりアンケートの雛型を見れば、満足度を十段階などで採点してもらう形式になってることがわかります。

そして、この十段階評価で良い評価を得ていれば、「満足度の高い」店であり、あまり良くない評価であれば、「よくない店」といった判断がされるわけです。

店長にとってみれば、これはまさに成績表のようなもので、結果が悪ければ、評価に直結するわけで、それを意識した行動を心がけるし、その結果に神経質になる人が多いのも、ある意味当然のことと言えるでしょう。

古くは家電製品の中に入っている返信はがきが同封されているものから、最近では、損害保険や車のアフターサービスについての顧客満足度調査のメールは必ず送られて来ます。

ネット通販では、商品・出品者・配送状況についての3段方式アンケートは、買い物をするたびに、回答依頼メールが自動的に送られ、「購入者に聞く」流れがスマホの普及とともに一気に拡がりました。

一方、多くのチェーン企業では、チラシによる商品の売り込みはやっても、「購入顧客に聞く」動きはほとんどありません。

毎週チラシは打つのに、なぜか、月に一度もその効果測定をしない企業がほとんどだということです。

難しく考えるまでもなく、チラシやDMなどの販促がどれだけ 「売上に結びつくためのアプローチがどうなったか」が重要なことは、業界関係者ならずとも、ちょっと考えればすぐにわかることだと思います。

一般的な営業という視点で考えれば、チラシに関わらず定期的にお客様の声をとっていくことは、基本中の基本です。

顧客の声は、店内のお客様の声ボックスとコールセンターで受けるだけ、という受け身姿勢では「やる気があるのだろうか?」と心配になるというものです。

誤解を恐れず申し上げるとすれば、半ば放っておいてもお客様が来るドル箱店があると、それが、自分たちの力と勘違いしお客様の声に耳を傾けなくなってしまうことが多々あります。

ドル箱店とは、お店の力というよりは、駅などの集客施設が近くにあったり、入りやすい駐車場や道路付で客数に恵まれた店舗のことです。

その実態は、店のキャパシティ以上のお客様が利用してくれるため、「品切れ」がおきたり、「レジでお待たせ」したりといったことが常に発生する顧客満足度の低いお店です。

「売れていれば 多少のことは目をつぶっても…」という声が聞こえてきそうですが、

人は自分に都合のいいことは信じ、悪いことは聞きたくないというのは人の性。その結果、さらに偏った考えになってしまうことは大きなリスクといえます。

見方を変えれば、主軸を標準的な売上の店に置きかえ、人時売上を引き上げながら、アンケートによる顧客満足度評価を改善が出来れば、企業として利益も顧客も着実に増やすことが出来る。ということです。

弊社にお見えになる企業の場合も、業務改革を進めていく中で、

―――顧客満足度調査はおやりにならないのでしょうか?とお聴きすることがありますが、

「覆面調査はやってます」という返事が返ってきます。

覆面調査とは、ミステリーショッパーといわれる、調査会社の人間がお客様のふりをして、店員の接客態度を調査するもので、各企業が主体となって行う顧客満足度調査とは全く違うものです。

「覆面調査」では企業収益に直結する、品切れ、商品の知識、レジのスピード、クリンネスといったことについての、評価やアドバイスはおこなわれません。

前出の企業も、実際にもう10年近くやってきて、挨拶や接客ではここ数年良い結果がでていたものの、その先に繋がるものがないことから、その効果に疑問をもたれていたそうで、

これが、似て非なることの恐ろしさということです。

世に溢れている「覆面調査」は、「それは、こうするのが当たり前」と信じこませ、形にはめられた表面的なことだけを調べようとする怖さがそこにあります。

企業ごとに、本質的な違いがあるにもかかわらず、通り一遍のやり方を不思議とも思わず、成果のないものを、長年やり続けてしまうということです。

この調査法の盲点に気づいた社長は、「あっ!」と言う表情で、これまで見落としてきたことに気づき、「自社に合った本質的な調査するはどのようにやればいいのか?」とすぐに対策を講じられたのです。

長年社長をやっておられた方でも、「満足度アンケートなどやってもなにもわからない」とか「アンケートなどやってもお客は本当のことを言わない」と思い込み、調査会社の言われるがままにやって、こうした失敗をしてしまうのが現実です。

企業にとって本質的な答えを引き出すには、何を調べればいいのか?そのためにはどういう質問をすればいいのか?企業自ら知恵をだし、戦略を立てて実施しなければ、答えなど得ることは出来ないということです。

こういった準備をせず、調査会社に丸投げすれば、調査会社が調べたいことはわかっても、自社の求めることは何一つ解らないのはある意味当然のことということです。

お客様のことを知らないくてはならないはずなのに、何となくこう…といった、「無意識に近い感覚で、進める」ことを疑うことから始めなければ、いつまでも結果の出ない調査に大金を支払い続けることになるからです。

むしろ、お金だけで済めば安い方で、知らず知らずに似て非なるやり方に洗脳され、社員の思考停止を招くことになる方が損失が大きいと言えるでしょう。

さあ、貴社ではまだ、丸投げ調査にお金を掛け続けますか?それとも、自社に必要なものをしっかり組み立て、利益に結びつく、ノウハウを蓄積していきますか?