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今週の儲かる繁盛店の視点 第385話:「個人の意識依存から脱却出来ないチェーン経営に明るい未来はない」

「先生、これなんですが、ちょっと見ていただけますでしょうか?」ご訪問先での、とある企業の社長からのご相談です。

会議テーブルの上で、拡げられたのは、社員の名前の書かれれた出勤スケジュール表です。

――――これは、勤務シフト表のようですが、これが何か?

「出勤したら、各自、自分の作業を記入するように指示しています、だいぶ各自の取組み意識も高くなってきました」

――――おっしゃるとおり、各自の作業を見えるようにし、時間内で効率的に仕事を終わらせるための意識づけはとても大切なことです。

「実は…ここから先どうやって人時を引き下げていけばいいのかが、解らないのです」

たしかに、今までの契約時間どおりに、働いてもらうということだけでは、何も変わりません。ここで大事なことは、その勤務シフトは利益予算が達成できるつくりになっていますか?ということです。

言い換えますと、利益計画から逆算された、人時予算であり、作業量に応じた人時配分になっているかどうかということです。

社員に意識改善だけを求めても、何も結果が変わってこなければ、その作業自体??であり、長続きしないからです。

人口増の時代であれば「これくらいの売上だったらこのくらいの人数でまわせる」といった経験則でも利益を維持することもできました。

しかし、人口減の今は、人件費の高騰により余剰時間は減益に直結します。

その為「この売上をとるには、この人数が必要」という計算式で出せるようにすることで、考え悩んだりする時間や、人を多めに採用するといったことを無くすことが必要となります。

「そうはいっても、突然休んだり、作業が遅れたりすることもある」という声が聞こえてきそうですが、

――――だからこそ、勤務シフト表ではなく、作業指示書が必要になってくるわけです。

作業指示書とは、今日の優先作業は何で、何時までにどれくらいの量をこなさなければならないのか?これが明確に表示されているのものです。

ところが、これとよく似ているものとして、「勤務シフト表」があり、それを作業指示書と称して使っている企業があります。

人事系のシステム会社などが「勤怠管理」といったソフトの中に似たフォーマットがあって、それでやったつもりになっているということです。

問題なのは、根本的にそれぞれの目的が違うため、そこに無理が生じてきます。そもそも勤務シフト表とは、個別契約に基づき勤務の拘束時間を示すもので、そこに業務内容は表示されていないことです。

現状の勤務シフト表に作業名を記入するやり方では、それぞれが抱える作業は決まった人にしか出来ない為、その人が休んだ場合、その作業が止まり、サービスの提供は出来なくなります。

例えば、品切れがあった場合、最低1日~2日品切れした状態になるわけで、この間、売上は上がらないだけでなく、買いに来られたお客様は、時間を無駄にしたことになり不快な思いで帰っていかれることになります。

今は、アマゾンなどで、その場でスマホから注文ができることから、品切れでそういった形で一旦離れた顧客は、戻ってこない可能性が高く、勤務シフト表を使うということは、そういったリスクにさらされた営業体制になっているということです。

また、環境の変化によっても作業量は変わってきます、台風情報が出れば、その前に売上ピークがやってきますし、大雨になればその時間の店内は閑散とします。風雨によってトラックの納品時間が遅くなれば、そこで手待ち時間が発生します。

反対に納品量が多い場合、管理職まで総出で残業する…といったことが起こり、作業の量は日々大きく変化するからです。

勤務シフト表では、こういった問題に対応できない為、常に多めに人を抱え、想定外作業に備えるということになります。

つまり、勤務シフト表しかない企業の場合、人数×拘束時間の固定化された経費の中で 各自作業を行なっているということです。

一方、作業指示書を使っている企業では、毎日の作業量に合わせ人を張り付けていくことから、手待ち時間や残業は明らかになります。

そのため否が応でも、現状の契約時間との差異に目が行くことから、自ずと無駄なことへの支払い抑止に繋がるという仕掛けです。

ここに戦略人時の本質があり、労働対価として人件費が正しく引き当てられているかどうか、経営として目を向けることで、競合の企業との差をつくることが出来るということです。

実際、作業指示書を使えるようになると様々なことが見えるようになります。

よくあるのが、店長がベテラン担当者を手放さない…といった問題です。

これも作業指示書でみていくと、実際は担当者側が、「担当を外されないように、自分しか出来ない作業を作り続けている」と思われるケースが浮き彫りになります。

変な話、「余計な仕事を作ることが容認されている」ため、手を替え、品を替え、自分だけに仕事がくるようなことが社内のあちこちで繰り返されていたということはよくあることです。

実際、社長が店舗巡回の際に「おかしいのでは?」と思いながらも「彼らを外したら回すことが出来ないというので人時が下がらない」という話をよく聞きます。

勤務シフト表との、本質的な違いを理解していないために起るトラブルと言えるでしょう。

このように、個人に依存した、仕事のやり方を明らかにすることは、決して簡単なことではありません。

ところが、それを誰でもできるようにして、公開することで、売上が上がり、お客様に無駄な時間をとらせないための、サービスを提供できるようになるということです。

これは、店舗だけでなく本部も同じで、管理部門、調達部門や仕入れ部門には、そういったことがありがちで、硬直した組織の恐ろしさといえます。

たかが、店舗の作業指示書ですが、されど作業指示書で、きちんとした作業スケジュールが作れるようになることで、顧客満足度の改善だけでなく、本部の生産性向上にも大きく影響してくることになるのです。

さあ、貴社では まだ 勤務シフト表を作業指示書として偽って、利益を減らすことを容認し続けますか?それとも、作業指示書を作成し、個人依存から脱却し企業利益率倍増を目指しますか?