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今週の儲かる繁盛店の視点 第477話:「人時生産性が大事と言いつつ、コスト削減をメインにする企業の行く末は?」

「自分はマイナスで会社を受け継いだもので、・・・」と少し前にセミナーに参加されたある企業の社長さんからのご相談です。

お話をお伺いすると、先代から会社を引き継がれ、赤字店を閉鎖していったところ、赤字額が増え厳しくなってしまった。とのこと。

世代交代を機に赤字事業をやめるのは、しがらみがないため、ある意味スムーズにいくものです。しかし、そこから再成長していくために、どのような有効な手を打っていくか?といった経営ビジョン無しに、いきなりコスト削減をやってしまうと想像以上に厳しい現実が待ち受けています。

仕事柄、そういった、厳しい局面を経験してこられた経営者にお会いしてきましたが、皆さん「恐怖と不安でいっぱいで、胃が痛く、眠れなくなりました」と口々に言われます。

人は全てを失いこれ以上失うものが無くなった時、本当にやらなくてはならないことが見えくるもので、不思議と道が開けたという人を、経験上多く知っています。

一旦、会社がそういう状況になれば、経営者として、不振要因を社員、金融機関、株主、主要お取引先に実情をお話し、信用を回復してもらうよう協力をおねがいしなくてはなりません。

それは、辛いことですが、乗り越えることで、初めて、次の打つべき手が見えてきます。

というのは、こういう時にしか、ステークホルダーの本音を知ることができず、自社が成長していくうえで、協力してくれる相手なのかどうか、はっきりわかるからです。

企業活動は、新しく店を出したり、商品を仕入れるためにお金を借りることから出発するわけで、いわば全てマイナスからのスタートになります。

そして、借りたお金をきちんと返しながら信用を上げ資金調達量を増やし成長していくわけです。

もし、何かの拍子で、利益が上げられなくなり、お金を返すことが出来なくなった場合、いち早く、そういった情報をキャッチする仕組みが必要なことにも気づきます。

その要素が詰まったのが、売上と人件費を一つにまとめた人時売上で、売上を上げてくために、どれくらい人件費をかけてもいいのか見極める重要な指標です。

この人時売上を使わず、目先の赤字店だけを次々閉鎖したらどうなるか?いわずもがな、生産性の上げられない企業としてみなされ、取引先や金融機関からの信用は地に落ちていきます。

また、新店や改装といった成長戦略が提示されなければ、将来に不安を感じ、社員の士気は下がり離職者が増えます。

お客さんからは、経営状態がよくないから、商品サービスに不安。といった噂話が蔓延し、店舗はお叱りの言葉に苦慮し商売がやり難くなります。

まして、地元の歴史あるファミリー経営企業となれば、そういったうわさは、瞬く間に広がり、競合に包囲され、残った店も厳しい数値になるのは時間の問題です。

営業面では、売り上げ増を見込んだ販促強化に依存し、手間と商品ロスが増え収益がさらに悪化します。経費面について申し上げれば、単に人件費率が高いからといって、単純に人を削減しようとし、必要な人員まで削り、特定の人に残業が偏り不満が増えます。

こういった問題を解決するためには、人件費だけをみるのではなく、構成要素となる、人時と単価に分けて考えていくことが必須となります。

人時の中身は、利益に結び付く時間とそうでない時間はどのくらいあるのか?また、単価は賃上げや最低賃金引き上げの影響はどのくらいあるのか? といった問題点が特定できれば、ある意味半分以上解決出来たも同然だからです。

但し、問題解決は、これだけでは、簡単にいかないことも申し上げておきます。というのは、理論上正しければ上手くいくというものではないからです。そのため、次のふたつの基準にしたがって、プランをチェックする必要があります

・自社にとって実行可能なものか
 ・自社にとって解決の有効性は高いか

なぜ、このようなふたつの項目を考慮しなければならないのかというと、第三者からみて、パーフェクトな解決策に見えるものでも、自社の経営を舵取りするものからすれば必ずしも望ましいものではないからです。

と申しますのは、人は正論だけでは動かないものだからです。

例えば、上司が部下に考えて企画を提案しなさい。というのは正論ですが、本人が考えることに何の利益も感じなければ、彼らに行動させることは出来ません。

つまり、確実に第一歩を踏み出せる小さな行動の変化を起こすもう一つのステップアッププランが必要で、その手順で進めることで、出来そうだ。と確信に変わります。そうすることで、自社のやりたいことに近づくためモチベーションが湧きます。

人はこの2つの条件がそろった時、解決に向かって第一歩を踏み出せるのです。

こうしたステップアップ計画によって、自分の知識やスキル、予算や時間などのさまざまな制約条件のなかで、実行可能かつ有効打が打てるようになり、企業業績は回復していきます。

1年目、2年目、そして3年先どう戦うか?そうしたステップアップ計画で、一歩一歩高い地点に上っていくことで、そこから見える景色は変わり、また、打ち手の数もふえることから、有利に戦えるようになっていくのです。

さあ、貴社ではまだ、赤字さえ無くせば…とコスト削減で社内を疲弊させ続けますか?それとも、確実に成長のために必要な、有効な一打で自信をつけ大きく飛躍しますか?


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