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今週の儲かる繁盛店の視点 第484話:「なぜ、企業として時間が余る状態を作ることが重要なのか?」

先週は、お盆休みに大型台風が直撃するということで、帰省や旅行を取りやめた方も多くいたようで、スーパーはどこも、買いだめや帰省ギフトの発送承りで混み合っていました。

こうしたお盆やGWの集中化問題は、かねてより分散化が話題に上がっていましたが、早くからドイツやフランスなどはいくつかの州ごとに時期をずらし分散してとる方式がとられています。経済効果もあるし、より快適な休日を過ごせ、企業の生産性や個人の生活を豊かにすることができるからです。

集中化と言えば、小売チェーン業界の売り出しなどは、平日に山場をつくり、「○○均一」「○○創業祭」と日替わりチラシでお客さんを特定の日に集めて…という手法が主流です。

しかし、労働人口減から、日替わりで、売上の高そうなところに人を集中させるやり方はコスト高になることが分かり、最近は見直すとこが出てきています。

というのは、売出し初日はそこそこ売上が見込めても、期間トータルでみるとそれほど売上があがっていない上、人件費の方が高くつき収支がとれないからです。

先日も、
「先生、本部からの店舗応援をやめさせたいのですが…」とある企業の社長さんからのご相談です。

お話をお聞きすると、店舗の人員体制が不足していることから、チラシ初日は店舗へ応援をだしていたそうです。ところが最近商品部で、商品改廃や価格交渉などの業務が遅延、といった本末転倒なことが起こっている。とのこと。

――――もし、本当に店舗応援が必要ならば、派遣会社を通じてでも手配すべきです。と、はっきり申し上げました。

かつて、何でも出せば売れた時代であればともかく、店舗のコスト抑制のためとはいえ、応援をいつまでも続けていると、本部スタッフは自分の仕事ができず疲弊し、店舗は正しい人時コントロールができなくなります。

人時コントロールとは、人についた作業を、作業に人をつけ、無駄なく人件費を活用していこうとするものです。どこで、いくら人時が不足しているのか?反対にどこで人が余っているのか?といった、手待ち時間を見つけることも可能にしてくれます。

例えば、青果売場で朝の品出しが間に合っていないのに、他部門からの応援がもらえず野菜が品切れたままになっていたり、レジが混んでいるのに、他の売場担当者がレジに入らず長蛇の列。ということはよくある話です。

こういったとき、店舗全体の作業の流れが書かれた表があれば、店長は部門を超え不足している売場に応援をだすように、各チーフへ指示をすることも出来ます。

特に、前出のような食品スーパーの場合、同時多発的に売り場が忙しくなるということは、滅多に起こることはありません。

そのため、人時コントロールができるようになると全体の2割以上の余剰人時を自由自在に活用することが可能になってきます。

実際に、お手伝いさせていただいてる企業では、新規採用や本部応援などせず、人時コントロールによって利益を伸ばし続けています。

そして、こういった取り組みを続けていきますと、店舗がこれまで負担してきた非効率業務がいろいろな角度から見えてきます。中でも特によく耳にするのは「特売品の送り込み量が多い」とか「売場の離れた商品の混載が多い」「使わないPOPが多く探す作業が大変」といった話です。

ところが、チェーン企業の場合、縦割り組織のため、こういった話題が、会議の遡上にあがってくることはなく、上がってきたとしても店の問題として弾かれてしまう現実があります。

こうしたことを是正していくために、業務改革部門を新設し、店舗が抱える問題を洗い出していきます。

本部関係部署を集め「どう解決し生産性を上げていくか」…といった実務が行われることで、販管費が改善され営業利益率が変わっていきます。

これまで多くの企業の経営者と手を組ませていただきましたが、「時間が余る状態になった」口々に言われ、余る時間を見つけ活かすことの大切さを改めて実感されていることです。

社員に応援させ時間を奪うのではなく、むしろ時間が余る状態を意図的に作り、収益率の改善させることが、極めて重要なポイントだということです。

このことをしっかり満たすことが出来ればどうなるか?そう、まさに夢のような状態を手にすることが出来るということです。

さあ、貴社ではまだ、人がいないといって、社員の使える時間を召し上げ労働強化を強いますか?

それとも、従業員の使える時間を増やす仕組みを活かし大きく飛躍しますか?


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