今週の儲かる繁盛店の視点 第65話:「残業問題を解決できる会社とそうでない会社の違い」
「イトウサン、残業をつけなさいと言っても実態はどうなってるのかわからんのですよ。人時にどう影響してくるのでしょうか」
—-少し前に ご相談にお見えになって、人時管理を導入されてるのチェーンの社長の声です。
毎日のタイムカードの打刻状態が99%以上でなければその総人時は活用できません。とキッパリ申し上げています。
「8割ぐらいは打刻してると思います」というお答え。
タイムカードの出勤・退勤が95%以上打刻できるようになったらまたご相談ください。とお伝えしお帰りいただきました。
「8割のタイムカード打刻率?」これがどういう意味かと言いますと、例えば年商100億のチェーンで人件費が10億だとすると、2億円分のお金が分からない状態にあるということです。
持ち帰り残業をしてるかもしれませんし、意図的にタイムカードを打刻せずに自分の手帳に超過勤務を残してる従業員がいるかもしれません。
「無駄な残業をするな!」と過去1度でも言われた経験のある人であれば、このような自己防衛手段を取るのはあたりまえの時代です。
企業にとって、正確な作業内容や必要時間が分からなくなるだけでなく、訴訟問題に発展するリスクもあるわけです。
タイムカード未打刻がありますと、当然ですが、日々の正しい人時実績はカウントされません。
人時は売上と一緒で、修正された日に計上されますから、マネジャーがまとめて勤怠修正を行った日の実績となります。
その日は、作業が発生しないのに 修正人時実績が加算されてしまうわけでこの時点で正しい人時実績でなくなってしまうわけです。
さらに、勤怠修正箇所が多ければ多いほど、マネジャーの作業は増大することも忘れてはなりません。
本来は全員がタイムカードを打ってくれれば、このムダな勤怠修正作業時間はゼロになるはずです。
前職の会社で店長をしていた時も、同じ状態が全社に蔓延していたことが過去にありました。
作業改善手法が分からなかった為に、残業代で人件費をコントロールするしくみしか持ち得なかったのです。
そのために、私が着任した時の店は、7割しかタイムカードが打刻されていませんでした。
正しい人時が把握できませんから、人件費予測など全くできませんし、全員が正しく残業をつけるようになると、今度は毎月人件費は予算超過になってしまい利益予算割れになりました。
それでも、タイムカード打刻率100%の店を作り出すために、一つ一つの課題を丁寧に解決していく方法を必死に探しました。
そして、彼らに納得してもらうためには、絶対的なある手順があることが分かり、後に300店以上あるチェーンの黒字化のきっかけとなったのです。
タイムカード打刻を100%にすることとは、一人一人の働く人を尊重するということです。
どんな、チェーン経営においても、正しく人時把握することが、一人一人を活き活きとさせ、店を光輝かせることとなります。
取り組むべき課題は、「見えてない」タイムカード未打刻の実態を明らかにし、そこでのムダを減らしていくことです。
大事なことは、過去やってこなかった人の大義名分ではなく、実践してきた知恵を活かし必要な時に必要な人時を動かせる仕組みをもつことです。
さて、貴社では、「残業問題」どのように解決しておられますか?
今日も 最後までお読みいただきありがとうございました。
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