今週の儲かる繁盛店の視点 第87話:「利益体質変換へ向けすべきことは?」
「イトウサン 10年くらい前までは利益が残った、しかし、今は殆ど残らない。
人件費、商品仕入れ、様々なものを見直してきたが、それが本当に正しいやり方で、そこで何を基準にすればいいのか知りたいのです」とあるスーパーマーケットの社長が相談にこられました。
今までは、一人辞めると、一人採用していた。
どの社員に聴いても口を揃えたように、「人がいない」「人が足りない」と口々に言う。
それは、自分の勤めていた中で、一番売れて、一番人が多かった時の経験からくるものですが、店舗巡回で日頃、そういう声を聞いている役員や地区部長も皆同じことを言います。
確かに、何十店舗も抱えているチェーンで、そういう発言がでるのは、良くわかります。
私の前職時代もまさにそうでしたので・・・
それで、何人足りないの?と聴くと、皆、こことここで何人必要と、言ってきますので、補充すると経費だけが増えて、利益が減る厳しい現実が待ち受けているのです。
現場の話ばかりを 信じてああだこうだとやってると、数ヶ月でどんどん利益目標から大きくかけ離れていってしまったことが、誰でもご経験があると思われます。
今まで、全力でやってこられて、企業規模が大きくなりますと、役員に任せるようになり、そして気づくと、人が増えてるわけでもないのに売上が横ばい、人件費増大で減益基調になります。
これは 売れた時の基準感覚で人を採用し、動かそうとし、各部門が画策しはじめるためです。
例えば、人件費は、売上の最大値に対応できる人数が必要と考え、一週間のうち土曜日が売上が一番高いとすると、現場はその日を基準に必要な人員体制をそろえたがるためです。
出せば売れた時代は、人件費も材料費も安く、利幅がとれていました。
しかし、今は 売上が同じでも、経費が上がり利ざやが取れませんから、一週間のうち一番売上の少ない日に人件費を合わせなくてはなりません。
そして、売上の多い日は必要に応じて増やすという方式をとらないと、無駄な人や作業が増え続け歯止めがなくなってしまいます。
ここまでは、皆さん「そうだよな」といって素直にうなずいてくれます。
ところが、いざ、やるとなると、本部はその具体的手法を説明することなしに、現場に丸投げします。
店長はマネジャーに マネジャーはベテランパートにへ、という伝言ゲームが始まり、湯水のごとく人件費が垂れ流し続けられるわけです。
これが繰り返され第一四半期が過ぎ、半期が終わった時点で、ジ・エンドとなります。
何も変らないということは、経営がしっかり舵を握って操行していないということです。
社員一人雇用すると35年で2億円、パート社員は一人あたり6千万です。
社員100人+パート社員1000名であれば、人件費は200億+600億=800億にもなります。
2割の垂れ流しが見直されるだけで160億もの節約となり、その資金を有効活用できるのです。
こういった考え方で、結果をだしていくためには、現場経験が必要なことはもちろんですが、それに加え理論的な改善アプローチ方法がなければゴールにたどり着くことは出来ません。
新しいことをチャレンジするには、誰でもできるように、作業のやり方進め方を文字にし、わかりやすくしていくことが必要となります。
既に、記録を塗り替え元気を取り戻したチェーン店は多数出てきております。
今、このようなことを 講演活動を通じて、地域社会貢献と全国チェーンストアの利益改善のために力を注いでおります。
そこでは、日本経済をリードし続けるチェーンにしたいという、情熱ある経営者が集まり、互いに店舗経営技術を切磋琢磨されておられます。
さあ、次に「個店力最大化」で成功するのはあなたの番です。
今日も 最後までお読みいただきありがとうございました。
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