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今週の儲かる繁盛店の視点 第577話:「あなたのお店では、なぜ、客数が減っているのか?その原因が分かっていないの企業の行く末は!」

九州では梅雨入り宣言がでましたが、どこへ行ってもジメジメする季節となりました。

気圧低下によって、人の体は影響をうけることから、この時期は、社内のトラブルも起きやすい時期でもあります。

そういった中、無情にもトランプ関税は着々と進み、早くも国内製造業は工場閉鎖や早期退職募集といったリストラ策に動いています。

内需の要となる小売業は、いまのところ直接影響を受けてはないものの、国内の自動車産業等が減収減益となれば、その関連企業で働く人は相当な数がいらしゃるわけで、この先なにかしらの影響は出てくるかといえます。

物価が上がっていく中で、今まで、景気をけん引してきた産業の業績が悪化すれば、家計の節約意識は高まります。

そうなると、普段使っている店での買い物の回数や購入点数を減らす。という流れになるのは容易に想像できます。

20年前であれば、働きに出ても両親が近くにいて子供の面倒を見てくれたりして、時間もとれ、デフレで物価も安かったですからなんとかなりました。

ところが、今度は、高齢化したご両親の介護をなくてはならないため有職主婦が再び忙しくなってきています。

職場の仕事には始まりと終わりはありますが、家事に始まり終わりはありません。

「気づけば一日終わっていた…」そんな心理で買い物に来られたお客さんが「買おうと思った商品がない」「不愛想な接客」「レジで待たされる」「想像以上に高い合計金額」といった状態に遭遇したらどう思われるでしょうか?

時代こそ違いますが、この問題を解決できたら、どんなに楽になるか?前職時代は四六時中、このことばかりを考えていました。

ある時、お店に対する顧客満足度アンケートの評価が急に低くなったことを今でもはっきり覚えています。「たかがアンケ―ト結果、お客様も本音で答えるはずない」「店のことは店長の自分が一番分かっている」と思っていましたから、ほぼ無関心状態でした。

当時、自分の店の近くに新規競合が出来たばかりで客数が減っていて、アンケートの評価低下もそれが原因と思っていました。

一年たてば、お客さんも戻ってきてくれ数値も回復するはず…と思って一年間はひたすら我慢し時が過ぎるのを待ちました。

ところが、一年たっても客数減は一向にとまらず、それどころかさらに下がっていったのです。

「なぜ?」と思ったときに、ふと、この顧客満足度アンケート結果を思い出し、見直していったのがきっかけでした。

アンケートの質問内容には、質問する側がよくわからないものもあって、「これはどういう意味?」「どういう意図があって質問をしているのか?」 ということを何度も主管部門に確認し、

改めてどういう聞き方をすればいいのかを考え、お客様に聞いてみるようにしたのです。

例えば「品切れがない?」というのはどういうことか? 社内で売場長が集まって協議すると、お弁当、すし、お刺身といったものは、9時の開店時に品ぞろえされてなくても、昼頃までに商品が並べば良くて、あとは夕方になったら、値引きして売ればいい。といった仕事の流れになっていることがわかりました。

ところが、お客さんに尋ねてみると、9時の開店時にお弁当を買い物に来たのに、お弁当がなければ「品切れ」と判断します、という回答でした。

本当は、職場に向かう途中のこのお店で買いたいけれど、朝一は商品がないので、やむおえず、コンビニでペットボトルとお弁当を買っているというお客様が何人もおられたのです。

反対に、夕方は、「今日はもう仕事で疲れたのでお惣菜でも買って…」と思い19時ごろにお惣菜を買いにきたのに、すでに、見切っていて惣菜売場には何もない状態。
こういったことをお客さんは「品切れ」と判断していた。という回答でした。

そういったことに気づかず、粗利が下がることを恐れ、最低限の商品しか作っていなかった。
これが、客数減の原因になっていたことが分かり、惣菜やお弁当を朝一から売場で出すようにしたのです。

その結果、ロスが増えることなく惣菜売上が二けた伸び、客数も一気に上昇したのです。

各社、社長さんのお考えがあるので、どうこう言うつもりはありません。

人時売上のようなことであれば、徹底して計算されたやりかたで、ムダを削減することで利益を増やすことはできます。

しかし、それだけでは、客数を増やすことはできません。

そのためには、たくさんのお客様がいる店頭で、お客様に直接聞いて教えていただく。という時間をとって、商売感覚を磨くことが絶対に必要になってくるということです。

時には厳しい言葉も言われることも多々あります。

しかし、どんなに企業が大きくなってもこうしてアンケートをやるようにしていく、それは、お客様の生の声によってでしかお客様をふやす感覚を磨くことができないものだからです。

ご指導先には、こういったことで、客数が増加に転じている企業もおられ、中では、二桁以上も伸ばしている店はいくつもあります。

さあ、貴社では、客数減はしょうがない?と諦めてませんか?それとも、お客様に教えていただく方法を手にして、一気に客数をアップを実現しますか?

詳しくはセミナー情報をご覧ください。

著:伊藤 稔