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今週の儲かる繁盛店の視点 第592話:「なぜ、患者さんをお待たせするのがダメなのか?この視点が欠けた一般病院の行く末は?」

「うちは二次病院で、病床の稼働率が低いんです」とある病院経営者からのご相談です。

聞くところによると、かつては長期入院してもらえばそれが収益安定になっていたのですが、20年くらい前からベット回転率が優先される診療報酬体系にかわり、そこから収益が悪化し始めました。

本来であれば、一病床あたり月2~3回転はさせないとだめなんですが、実際は半分ぐらいで、患者さんは、いつくるかわからないので、現実的にはコントロールできない。
さらに賃上げインフレで人件費や消耗品費などの固定費が増えた分、ますます厳しくなっておいて、どうすればいいのかわからない、とのこと。

――――入院される患者さんはどのようにして増えるのか教えていただけますか?

救急外来か、一般外来出の入院か、いろんなクリニックからの紹介ですが、人口減によって若い患者さんが減っていて、取り合いになってる状況です。

数年前までは、団塊世代を中心に入院患者が多くなんとかなってましたが、その世代の人たちが、療養施設にはいってしまったり訪問診療をうけるようになったため、こうした一般病院の患者数は減る傾向にあります。

――――でも、どこの一般病院も患者さんで混んでいて時間も結構かかりますよね?

そうなんです、待たせるというのは結構課題になっていて、クレームでは一番の問題です。受付や会計といったとこは、業務委託していてそこはなんとかなってますが、医師と看護師といった領域は手付かずなので、患者さんを受付けから会計までどれぐらい待たせているのか?といったことは分かっていません。

その昔、そういったことを、やろうとしたのですが、抵抗勢力にあってできなかったこともあるので・・・

その時は、コンサルに入ってもらい、看護部門の現場の課題についてやったのですが、そこだけで終わってしまい、長続きしませんでした。

――――なぜ、続かなかったのかと思われますか?

モデル業務フローのようなものをつくってもらったんですが、特定の人に仕事が偏っていたり、個人が仕事を抱えていて、いわゆる人に仕事がついていたので、小手先程度のカイゼンでは、何も変えることが出来ない。

そもそも、看護師は医師や上司からの指示されたことをやるだけなので、その指示内容が変わってこないと、早く仕事を終えて帰ることができない。

ようは、医療は全部つながっているので、すべての業務フローを見えるようにしないと部分的な改善ではムリなことがわかったんです。

――――何があれば解決できますか?

うちの病院のすべての業務フローを見えるようにして、救急、紹介を含めた、外来患者さんの満足してもらえるようなことができないものか?と思ってます。

なぜなら、外来を増やして、ベット回転率を上げないと、収益があがらないからです。

もし、全体業務フローを診てもらえるのであれば、無駄や無作業な状況も多々出てくると思います。

不要なとこは削減し、必要に応じて人員を増やすようにして人の再配置をできるようにしていきたいのです。

医療は消費税対象外なので、患者さんから消費税をいただくことができません、でもその分は、診療報酬をいただいてるわけですから、普通の企業さんよりもっと努力しないといけないと思っていますし、そういう意味では、こういった機会を逃したら後がないからと思っています。

――――実際に、このあと現場に入らせていただて、いろいろと見させていただき、結果を出すための仕組みを一緒に作っていく。そういったことでよろしいでしょうか?

はいよろしくお願いします…

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伊藤自身、これまで数多く企業で生産性改善をやってきて、お客様や患者さんをどれだけお待たせしたか?ということが、業務の無駄とつながってたということは多々あります。前出の院長さんがおっしゃられるように、そこに課題解決のカギがあるということです。

さあ、あなたの病院では、まだ、今の病床状態を放置しますか?それとも、今すぐ、全業務フローを見えるようにし、お待たせしない状態と利益の両方を手にしますか?

次に、地域一の医療拠点になっていただくのは、あなたの病院の番です。

頑張る経営者を応援してます

著:伊藤稔

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