今週の儲かる繁盛店の視点 第593話:「なぜ、お待たせしないことが一般病院の生産性改善になるのか?」

患者をお待たしたくないのは私たちも同じです。なんといっても、待ち時間が長いっていうのが、患者満足度のワースト1ですから・・・
とある一般病院の経営者の一言です。
お話をお聞きすると、医療事務や看護師といった、患者さんと接する部門の離職率が高い理由は、そういったことに起因するのが圧倒的に多いのです。
しかし、単に患者満足度を上げるだけのためにやることもできないので、なんとか利益アップに繋げるようにするには、どうすればいいのか教えてほしいとのこと。
――――待ち時間を少なくすることは、人時生産性を大きくアップさせていくことなります。と、はっきり申し上げました
理由はシンプルで、外来患者の滞留時間が減ることで、医師の待機時間が少なくなり、時間当たり診療件数を増やすことができるといった効果があるからです。
外来患者の滞留時間とは1人の患者が受付から会計までの時間がどのくらいかかるのかを示した数値です。
仮に今 2時間かかっていたとしたら、2割減らすことが出来ると24分少なくすることが出来たということになります。
さらに、受付、診察、検査、治療、予約、会計それぞれにかかっている時間を出すことで、どこで、患者が滞留しているのかを特定することも出来ます。
例えば、現状1時間~2時間あるといわれている、医師の待機時間をなくすことが出来れば、人件費を増やさずに、実質15%程度の患者を多く診察することが出来ます。
断っておきますが、医師の診察に原因があるといってるわけではありません。
今は、多職種連携によるチーム医療体制のため、どこかの一つの部門で、滞留時間が発生すると、それが診察だけでなく、全ての部門に影響する構造になっているからです。残念ながらそれを調整する組織がないため問題を特定できず、前に進んでいくことが出来ないことがネックになっています。
ざっくり申し上げると、待ち時間を少なくしていくためには、患者の来院データーと現状の業務内容を整理し、どこがボトルネックになっているのかを特定し、全体の業務フローを再設計していくことが必要になるということです。
詳しい進め方は セミナーでお伝えしますが、
結果として、待ち時間の短い病院は、「選ばれる病院」になりやすく、患者数の増加によって利益が安定化するようになる。さらに、職員の定着率もアップしローコスト経営の土台ができあがっていくということです。
さあ、患者の滞留時間を減らすことで、次に、「選ばれる病院」で成功を手にするのはあなたの番です。
当社は、人時生産性改善で、頑張る経営者を応援してます
著:伊藤稔