今週の儲かる繁盛店の視点 第598話:「なぜ、属人化問題は手強いのか?属人化問題に打ち勝つための一手とは?」

先生、うちの業務は属人化しているんです。とある病院経営者様からのご相談です
お話をお聞きすると
この業務について改善してほしいと尋ねると、「これは自分の担当ではない」それじゃあということで、別部門に聞くと、「それはうちではわからない」っていうのです。
実は、これは、何年か前に部長時代の時の質問だったそうなんですが、ご自身が院長になられて、再び同じ質問をして回っていったそうです。
院長の私が聴いて、わからない?誰が言えばちゃんと答えてくれるんだ!
はやる気持ちをぐっと怒りを抑えて、考えたそうです。
生産人口人が少なくなっている状況で、このままいくと、病院が回らなくなるのは時間の問題。
と強く危機感をもたれセミナーに参加されたとのこと。
特に、地元で有名な病院や売り上げ規模のある小売企業の場合、こうした大企業病のようなことになりがちです。
大企業病とは、組織が大きくなることで生じる「硬直化」や「非効率性」のことですが、こういったことが、意思決定に遅さや、チャレンジ精神の欠如などといったことで表れます。業績が次第に悪化していきます。
院長曰く、とにかく、属人化がひどくて、「自分の仕事はこれだけだ」と決めて、「これ以上働きたくない」みたいな感じで、これのほうが楽にできるし、みたいな、ふうに考えてるんじゃないかなあ
ことば穏やかに話されておられますが、その目からは、何とかしたいという強い思いがヒシヒシとつたわってきました。
やっかいなのは、これが患者のために動いているふうにみせ、実は自部門のやりやすいルールでやっていたりすることです。
そうなると、その人しかわからないため、ブラックボックス化してしまうので、該当箇所の業務改善は進めていくことは難しくなります。
この状況で、業務の書き出しをやっても、ちゃんと書きだしてくれないでしょうし、自分しかわからないことだからお茶を濁してやり過ごそうとするからです。
「じゃあどうすれば?」という声が聞こえてきそうですが
そもそも、「人の心は変わらない」という前提に立った時、その人が居なくても回る仕組みをつくってしまうこと。
属人化する仕事をする人の代わりはいくらでもいる。という状況を作ってしまうことです。と申し上げています。
その人にしかわからない仕事が多い部署は、周囲が気を使い、その人の都合で業務が回わっています。
本人に聞いても、ほんとのことは言わないのは火を見るより明らかです。
しかし、この人がどういう仕事をしているか?その事実は調べることはできます。なので、それを実行する組織を作っていくということです
業務項目であったり、それにかかる時間などは、追跡調査を必ず実施してくださいと 申し上げています。
なぜならば、実際に業務フローや業務指示書に組み込んでみると、時間通りに進まなかったり、完了しないということに気づきます。
属人化した仕事のやり方をする人は、「どうせこんなことやってもうまくいくわけがない」と初めからタカをくくっていますので、その人たちが申告した数値を使ってうっかり業務を組み立てしようものなら、業務フローどおりやったのに時間内に作業が終わらないことが良く起きるからです。
ですから、業務項目の洗い出しや、それにかかる単位時間は、院長直轄の調査チームが必須で、こういった組織機能をもたないと業務改革は、絶対にうまくいかないということです。
なんといっても相手は、社内といえども、属人化のプロですから、組んだばかりのプロジェクト新メンバーだけでは到底太刀打ちはできません。
なので、こちらとしてもプロ手法で、慎重に進めていかないことには、うまくいかないということです。
プロジェクトを成功に導くには、メンバー選びからすでにスタートしていて、これが勝敗を分けるといっても過言ではなく、弊社では、メンバーの経歴を拝見させていただいたうえで、人選から関わらせていただいております。
さあ、あなたの病院では、属人化に打ち勝つ対策はもうとっておられますか?
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著:伊藤稔