今週の儲かる繁盛店の視点 613号:「属人化問題を解決出来る病院と出来ない病院の違い」
「先生 属人化問題をなんとかしたいんです」とある 急性期病院の院長さんからのご相談です
お話をお聞きすると、個人業務を可視化するために、各自がやってるやり方を報告してもらってるのですが、それをどう活かせばいいのか分からず悩んでおられるとのこと
属人化とは、その人にしかわからない仕事のやり方のことです。こういった状態の病院では、新人が育たないとか、忙しい日に長時間待ちが発生してクレームになるといった問題が多いのが特徴です。
少し前にも、似たようなことで、ある急性期病院の医院長がご相談にお見えになりました。
いろいろお話をお聞きしていと、前出の病院と同じように、自らの業務申告してもらう方式でやったものの、期待通りのデータは集めることができずに悩んでおられました。
調査のやり方を見せていただくと、業務項目の定義が曖昧で、数値が全くあわなかったり、報告であがってきた文字や数字が読めなかったりで、やり直しをしなくてはならないレベルだったことがわかりました。
そこで、PJ追跡調査の専門チームを組んで、客観的に、業務の流れ、業務量、といったものを期間限定で再調査することにしました。
そこには、診察開始時間どおりに始まらず残業になっている部署があったり、また、診察予約をキャパ以上に入れて、クレームとなり事務職員が残業になっている実態が記録されてました。
現状の業務を書き出してみると、「どこで人が足りてなくて、どこで余っているのか?これが知りたかった!」と大きくうなずかれたのは、理事長さんでした。
さらに、それをもとに、あらたに業務フローを設定するやり方を丁寧に説明していくことで、職員のみなさんに少しずつ浸透し、病院内の雰囲気が変わり始めました。
定刻通りに診察を開始するといったワークルールの徹底や、患者一人あたりの診察時間を考慮した予約の入れ方はどうしたらいいのか?といったことに向かって、一歩づつ動きだしたのです。
半年が経過しましたが、今では、一時間あたりの対応患者枠を2割以上増やすことにでき、コロナ以降ではじめて、患者数をプラスにすることが出来るようになっています。
人件費も、業務の効率化によって時間内に皆が帰れるようになったことから、賃上げ分をカバーできる見通しが立つようになったのです。
一時間あたりの患者数回転数が上がり、人件費上昇に歯止めがかかったこととから、幸先のいいスタートができそうと嬉しそうに微笑む 理事長さんの笑顔が大変印象的でした。
さあ、あなたの医療法人も、個人のやり方に頼ったやりかたをやり続けますか?
それとも、追跡調査で利益改善の道を進みますか?
著:伊藤稔