今週の儲かる繁盛店の視点 621号:「なぜ、業務改善の流れが決まってない病院では赤字幅が改善されないのか?」
「業務改善に必要な数値って何があれば良いのでしょうか? 」セミナーに参加された、急性期病院の理事長さんからのご相談です。
お話をお伺いすると・・・
現場は「人が足りないと言ってくる」でも、いつ、どの業務で?と聞くと答えが返ってこないのです。
特に外来はムダもあるので、まず、そういった時間を減らしていくにはどうすればいいか、教えてほしいとのこと。
――――何がムダな業務かどうかは、実際に調査しなくてはわかりませんが、
人手不足を経営と現場で共有する際は、業務ごとに○○時間、人が足りないというふうに具体的に確認していくことになります。
なぜなら、一人辞めたからといって一人補充すれば業績が変わるほど、病院経営は単純ではないからです。
1日8時間の人を雇うからには、利益に結び付く業務を設定し、その通りに働いてもらう。
そのためには、現状どこが○○時間不足しているから、その分に限定して人をいれる。という流れにしなくてはならないからです。
「うちはパートさんを雇おうとしてるわけではないんですが・・・」
という声が聞こえてきそうですが、
決してパートさんを雇ってください。と言うことではありません。
まずは、外来の全体業務の流れが現状どうなっているのか?現場の方に正しく書き出してもらってください。と申し上げています。
具体的に、どこで、時間不足してるのか?といったことがわかると同時に、どこで、何時間余っていそう?といったことも見えてきます。
特に病院の外来の場合、患者が波のように受付、検査、診察、予約、会計間を移動していくため、全ての部署が同時に忙しくなることはありません。
これを俯瞰しできるようにし、予め、どこで、溢れそうか予測できれば、余ってるとこから応援をだすことで患者が溢れることに備えることが出来るからです。
時間が余ってる方たち?の名誉の為に申し上げておきますが・・・
さぼって何もやっていないのではなく、その空き時間を利用し「書類整理」「清掃」「照合」「検索」・・・といった、日頃できていない「業務を作って」やってくださっていました。
気を付けなくてはいけないのは「空き時間」を放置すると、現場で「業務は作られ」総量はどんどん増えていくということです。
最近では、新しいシステム導入に伴い✔ 新しい検査、✔ 新しい説明✔ 新しい書類✔ 新しい確認作業✔ 新しいチェックリスト等・・・
といったことにも注意しませんと、知らず知らずのうちに毎年、毎月、雨後の竹の子のように増えてしまうからです。
こうした業務を減らしていく、これがムダ改善の肝となる部分となるといえます。
実際に、ご支援させていただいている急性期病院の場合、総労働時間に対し約1割がこうした業務が含まれていたことがわかっており、これを止めることによって年間人件を5%さげることに成功しています。
決して、大きなリストラをやったわけではなく、こうした 業務改善に非協力的であった人が、自然に去っていき、改善に前向きな人が集まるようになった結果、それが、赤字改善に大きく寄与したということです。
さあ、あなたの病院では、まだ、業務改善をしても人件費は下がらないと諦めますか?それとも、時間ごとの業務を見直すことで、業績改善の一歩を踏み出しますか?
著:伊藤稔