今週の儲かる繁盛店の視点 第574話:「現状の延長線上で中期計画を策定しようとする企業の行く末は?」

ここ数週間の新聞紙上では、2026年度2月期の業績予測とあわせ、新中期計画の見込みが、次々と発表されています。
毎年、翌年の見込みぐらいしか出していない企業も、景気が下降気味になると、まず、資金対策のため中期計画を作る企業は増えます。
逆に、景気が上がり始めたらどこよりも早く、先に行動しなくてはならいときも中期計画を作る企業は増えます。
言わずもがな、金融機関から「中計を出してください、さもないとお金を貸せません」と言われるからです。
なので、
日頃より経営ビジョンをアップデートしておきませんと、ついつい、現状の延長線上で付け焼刃的なものになりがちです。
なぜ、中期計画をアップデートすることが必要なのか?
それは、5年先10年先のあるべき姿をいかに達成させていくのかを日々具体化させ、中身のしっかり詰まったものにしていかなければ、意味がないからです。
最近話題になるのが、人時生産性のようなものがあります。最初は、やらなければならないことはわかっていても、いざやるとなるとよくわからないため、
「そんな、まだやってもないのにどうやって数値として捉えればいいの?」といった声が聞こえてきます。
人時売上を目標とする場合、現状はどれくらいで5年後はどのくらいまでもっていくのか?という目標を掲げた場合、少ない人数で店舗運営ができる店を何店作るのか?とか、
新卒採用が難しい中、パート社員から昇格させた店長を何人作る。とか、店舗コンディション改善による客数を○○%アップさせる。
といった目標を1年目2年目…5年目、10年目と目標値を示し、やってみることが重要です
こうした行動によって、小売りビジネスを通じ世の中にどんな貢献をしたいか?それによって、世の中がどう変わったら嬉しいか?社長を退くまで、どんな会社にして、どんな未来を作り出したいか?といったことを経営ビジョンに盛り込むことが出来るからです。
口で言うのは簡単ですが、これをきちんとやろうとすると、時間も手間もかかることからエネルギーが必要です。
多くの小売チェーン企業の社長さんが50代60代です。それを 本気で全力で頑張れるっていうのは今から10年が限界です。
「いや、おれは70才にならないと本気になれない!」いっていう人はいないわけです。
まずは、5年で礎をつくって、つぎの5年で完成させる。人生も、情熱も、有限だとうことを忘れてはならないということです。
そのビジョンを実現するために、あなたはいつ本気をだすのか?
毎日本気で努力し続けたら、その目標はきっと叶うはず。これ以上ないという努力、でも、本気で努力し続けなければ、ただの夢で終わります。
私はコンサルタントとして10年以上やってきて、200社以上の社長さんとお会いしましたが、「地域一になりたい」「業界トップの会社になりたい」そうやって5年10年たって、全然、何も、変わらない。そういう人をたくさん見てきました。
そして、「ちょっと、うちには早い」とか「人材が育っていない」とか「24時間はウチはダメ」とか「EDLPの理屈は分かるが…」 行動しないかわりに、自分にこうした言い訳を言いづける経営者がいっぱいいます。
だからこそ、本気で動き出せば、すぐにでも結果を出せるものはたくさんあります。
もし、本気で自社の掲げた高い目標を叶えたい!そう思われたら、今、すぐ行動して欲しいのです。
なぜなら、「時間には限りがあり、今が一番若い」からです。
そして、あなたが本気なら、我々も本気で応援します。
さあ、まだ、過去5年間変わらなかったやり方をやり続けますか?それとも、5年先の未来に結果をだすために今すぐ行動しますか?
著:伊藤 稔