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今週の儲かる繁盛店の視点 第587話:「なぜ、作業割当表で利益アップ出来ないのか?契約縛りの作業割当を使いつづける企業の行く末は?」

先生、 買い回り点数が減って、コストが上がってるんです。とあるチェーンの社長さんからのご相談です。

お話をお聞きすると、

暑さでお客さんが朝夕しか来ず、最近は夕方も暑いので、午前中にしか来てくれない。
 商品が売れないと、スタッフも手が空いてしまうので、作業割当表ついても、むりやりにでもやるように指導しています。

しかし、契約を変えないことには人件費も下がってこないので、今後、これを続けていくべきかどうか悩んでおられるとのこと。

おっしゃる通り作業割当表では人件費は下がりません、メリットがないだけでなくデメリットばかりなので、止めるか根本的に作り直す必要があります。とはっきり申し上げております。

そもそも、作業割当表は、契約時間を作業に割り振っただけの、どこでもある出勤シフト表と同じです。

そのため、雇用契約時間に沿った作業しか組むことができません。空き時間があるとそのための余計な作業をつくったり、忙しいからといって、どこかを削りどこかを増やすといった調整に延々と時間がかかります。

何も利益を生まないのに、作ったり入力したりする時間だけが増える、儲かるどころかマイナスになってしまうということです。

そもそも、その雇用契約の大元というのは、いつ、どうやって決まったのでしょうか?

おそらく20年~30年前?下手をするとそのお店が出来た当初、だったり・・・というのが現実だったりします。

もちろん、当初はそれでよかったわけです。

しかし、今は、状況が大きく変わってきています。

かつて、買い物に来てくれた時間に余裕のある専業主婦は、すでに高齢で施設に入り買物にこられません。

今のメインのお客様は有職主婦で、子育て、介護に忙しく、買物時間は限られている人たちです。

昔のように、昼頃までかけて品出したらあとは売り減らしといったスーパーマーケットでは、品切れや、レジで待ちで、客足が遠のくのは無理もないということです。

しかし、自己流でやっているとこういったことに気づかず、ともすれば、世の中の流れと乖離していた・・・というのはよくあることです。

こういったことをを防ぐため、ご指導させていただいてるクライアント企業では様々な取り組みをさせていただいています。

例えば、実際に、早朝から開店時に店の状況がどうなっているかを見る早朝ツアーや、夜間店舗の状態を確認するナイトツアーといったことです。自社の営業機会を発見してもらうことを目的に開催しています。

人口減少していく中、営業機会を見つけながら人時生産性の高い店をつくるのはどうしたらいいか?といったことを考える、顧問先企業で実施している限定企画のひとつです。

社長さんと一緒に自社の弱点から目をそらさず、人時生産性や効率の高い店とはどういうものなのか?と一緒に考え対策を立てていくものです。

そこでは、人時を使った儲かる作業指示書づくりが、自社の未来を大きく変えていくことに気づかれます。

儲からない、まちがった作業割当表をいくらやっても、業績も給与はあがりません。

語弊を恐れず申し上げれば、店長や店舗で働くスタッフの皆さんはこのことを一瞬で見抜きます。ですから、そんな状況下で、店長がやる気にならず、結果が変わってこないのは当然ということです。

結果が変わらない?悪化しているのは、どこでどう間違えたのか?その過程をを一つ一つ確認修正し、同じ間違いを繰り返さないというのは、ビジネス成功の鉄則と言えます。

確かに、社長として、今まで、上手くいくとおもったことが上手くいかず結果、その失敗を認めなくてはならない、その辛さはとてもよくわかります。

だからこそ、社長の想いを一旦横に置き、どこで上手くいかなかったのか、冷静分析しなくては、同じ失敗が起きる。ということに気づいていいただきたいのです。

成長する企業の社長が、成功を次々手にするのは、運やラッキーでなく、上手くいかなかったことについて、必ず原因をつきとめ問題特定をしているからです。

何処で間違えたのか?その問題の特定さえ出来れば、全体の9割を稼ぐ本業の問題解決が出来たも同然だからです。

さあ貴社では、まだ、問題がわからぬまま、衰退の道を進みますか?それとも、問題を特定し明るい未来を手にしますか?

著:伊藤 稔

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