今週の儲かる繁盛店の視点 第594話:「一般病院の待ち時間改善で職員のモチベーションは大きく変わる」

先生、クレームの一番の原因が外来予約の待ち時間なんです。これが解決できるだけでもグット楽になれます。
とある一般病院の経営者からのご相談です。
聞くところによると、
「予約した時間通りに病院に来たのに、なんでこんなに待たされるんだ!
これじゃ半日どころか、1日の予定が全て潰れてしまうじゃないか.」
先日も、受付の女性職員が男性の患者にどなられ大変だったそうです。
最近は、こういった風景は、だいぶ減ったような気がしますが、まだまだ、たくさんあるとのこと。
現場でクレームを浴びせられる職員たちのモチベーションは下がり、受付をはじめ、患者対応が事務的になっていく…。
結果、さらに患者満足度が下がってしまうという負の連鎖が起こっていくということです。
地域医療を支えるという、お仕事をされているのに、患者さんにその思いが伝わらずお叱りを受けるというのは、本当に辛いことだと思います。
しかし、これから待ち時間は「仕方ないこと」ではありません。
今は、少子高齢化、患者数は減ってきている中、その常識をかえないことには
今の厳しい状況から脱出することは難しいといえます。
では一体どこで待ち時間が発生してるのでしょうか?
例えば、精密な検査のできる高額な機器をいれても、それが、待ち時間の原因になってしまっていたり、自動精算機を導入したものの患者待ち時間にほとんど貢献できていなかったりといったことはよくあることです。
予め、全体の流れを可視化して、それが患者の待ち時間にどのような影響になるのか?ということを検証されてから導入しませんと、投資をしたのに患者様の待ち時間が改善できないのは、本当にもったいないことが起きてしまっているということです。
どこで待ち時間が発生しているかを知るためには、一人の患者様の受付から会計までの流れを調査し問題点を、経営と現場が共有出来れば7割のことは解決出来ます。
ただし、医療現場では、資格がないと出来ない業務もあることから、医師などの特定の人に業務が集中し、そこで詰って、患者様をお待たせしてしまうことがあります。
それらの問題を解決するために,人についた業務を業務に人をつけることが必要になります。
例えば、人についた業務はその人しかできないため、その人が居ないとできなくなり待たせる事になります。一方で業務に人をつけた場合、誰でもできるよう、みんなで協力してできるようにしなくてはならないため、可視化や共有化でだれでもできるようにさせていくことが必要です。
そういった体制が整ったところで、いままで病院が主体となってやってきた業務を、患者様主体の業務を組み変え、そこに人を再配置するのが業務フロー改善という新たな手法です。
この新手法の導入により、待ち時間がなくなると、患者満足度が改善され、クレーム対応が無くなります。クレームが減ると、責任の押し付け合いといったことが無くなり職員のモチベーションが上がります。
待ち時間が、改善できますと、患者満足度は上がりますのでクレームは減ります。それによって、従業員満足度が上がり、働き甲斐が増します。
その結果「選ばれる病院」になる。10年先他の病院が消えていく中、選ばれ続ける病院経営が実現できるということです。
さあ、あなたの病院では、まだ、待ち時間はしかたないと諦めますか?
それとも、今すぐ、待ち時間ゼロの病院経営に向け動き出しますか?
次に「選ばれる病院」になり成功を手にするのは、あなたの番です。
著:伊藤稔