チェーン経営に必要なときがもうすぐ来る!

Amazonに「ゼロイチ」発想を学ぶ

2019年4月26日

伊藤 稔(株)レイブンコンサルティング代表取締役

 

Amazonの2018年総売上高は25兆円(2018年末1ドル110円換算)で30%の伸び、純利益は1.1兆円、純利益率は4%台の優良企業です。これはグローバルトータルの数値ですが、人口減少の進む日本法人でも売上高は2ケタの伸びを示しています。興味深いのはグローバルの売上高が30%の伸びなのに対し、純利益が300%も増加している点。そして、これはプライム会員の収入増による効果が大きいという事実です。

 通販事業でも、モノを売るには商品の調達・物流コストが発生します。昨今の原材料費と人件費が上昇する中で利益率を上げていくのは容易ではないわけで、物量に比例しない仕組みを考えない限り、いずれ限界がくるのは明らか。この問題は今、小売流通の最大の課題といえます。

なぜ、Amazonは純利益を3倍にできたのか?

 Amazonは早くから、この課題ための投資をし続けてきたわけです。

 例えば、プライム会員の送料無料サービスもその1つ。1個当たりの配送費を350円とすれば、年間12個以上注文する顧客にとってはプライム会員の特典はとても魅力的なものとなります。今回、会費の1000円の値上げが発表されましたが、それでも年間14個以上購入する顧客にすれば、350円×14個=4900円となることを踏まえると“ただも同然”の値上げといえます(アメリカでも会費は年々引き上げられ、今では日本の2倍以上に設定されています。これも顧客1人当たりの購入個数とで決められたといえるでしょう)。

 このプライム会員の仕組みのように、定期収益のビジネスモデルがうまくいくには、お客さまが「Amazonのプライム顧客を続ける」か「Amazonでもっと商品を買う」かの行動をとってもらうことが重要で、それなくして事業は成功しないわけです。そのため、まず有料会員になった顧客に対して無料配送枠を設定し、顧客利益を増やす仕掛けを積極的に実施。それが整った状態で一般顧客の送料無料を取りやめ、プライム会員へ誘導することで、純利益が3倍にも伸びたわけです。

人件費改善見込みが大きいのは店? センター?

 チェーン経営の店舗でも、モノを売るには商品の調達費と販管費が発生します。しかし、通販のように商品ごとの配送コストが把握しにくいので、販売数量が増えればコストが増えると感覚的には分かっていても、実際はどうなのか、把握できていません。

 実は、そうしたことも店舗での人時生産性(従業員1人の時間当たりの生産性)への意識が乏しくなる一因で、「人時売上げよりも売上げ」や「無駄削減より売れるチラシ」であったり、「店舗より物流センター」といった話が

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