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今週の儲かる繁盛店の視点 第440話:「なぜ、表層的なことで進めようとすると会議が空転するのか?自社のやり方が思い通りに進められない企業の行きつく先は?」

先生、競合店がEDLPに向けて動き出したようで…、とセミナーに参加された、ある企業の社長からのご相談です。

聞くところによると、主力商品の価格を安い価格で、長期間売り出すやり方で、競合店が賑わってきているとのこと。

――――その影響はどれぐらいですか?とお聞きすると

「今のところ、そこまで影響はない」とのお答え。

ーーーーEDLPはすぐに影響はでてくるものではありません、その影響を受ける前にやるべきことを固め進めていきましょう。とハッキリ申し上げました。

そうはいっても、収益力をあげ儲かるようにしていくためには、目指す目標を掲げ、それを達成するために不足していることを補っていかなくてはなりません。

ところが、最近そういったやり方が通用しなくなってきています。

というのもこれまで、人口が増えていた時は、何か不足してることを見つけ加えることで、何とかプラスにすることができました。

しかしながら、何か新しいことをやろうとしても、労働力不足な為なにも出来なくなっているということです。

例えば、「価格強化チラシを増やしても、人が不足して開店時に間に合わない」とか、「効果的なチラシを作るため、新規商品の開発を行うバイヤーの数が増やせていない」

さらに、「新規商品を売れるようにしていくために、人手を店舗でかけることが出来ない」といった何か新しいことを始める人の手が不足しているからです。

社長としても、そういったところを人員強化していかなくてはならないことは薄々お気づきのことと思います。

その背景には、長引くコロナ禍で、業務を減らしていく対策がとられないまま販管費だけが膨れ、新規採用が出来ない状態になってしまっていたということです。

このような環境下で、社長として日々忙しく会議に追われてると、どうしても、売上、客数、人件費といった表層的なことだけに目が行き、何の成果もないまま、営業会議が空回りしはじめます。

その結果、ムリに売上客数をあげようとすれば、人件費がオーバーしたり、必要なとこに人が足りず品切れや値下げを発生させ、業績悪化に陥いるのです。

批判を恐れず申し上げれば、「何か話し合う、共有する、コミュニケーション」に時間がかかるといったことを理由に、本質的な課題から目をそらしてきたことが、営業赤字を招く結果になった。ということです。

「ウチも、手をこまねいてるわけではない」という声が聞こえてきそうですが

――――コロナ禍の間、何か新しいことに取り組み、成果をだされましたか?とお聴きすると

「えっ!」と言葉に詰まります。

小売チェーンの場合、特別な技術や教育をしなくてもある程度売上が見込めることから、環境が変わりなければ誰でも、表面的売上は維持することは出来ます。

しかし、前提条件の環境が変われば状況は一変し、巨大な船が沈んでいくがごとく大きく会社は傾いていきます。

数十~数百億の売上が下がり、経費率がわずか数%上がっただけでそう状況は引きおこります。先代から引き継いだ、事業を次々売却しても、その支払いは、赤字の穴埋めに消えていき、土地を担保に受けた融資返済により経営が厳しくなることは火を見るよりも明らかということです。

大事なことは、社長として必要利益を創出するために、不要なことをやめ、必要なことだけに徹底した人時売上を上げるやり方に変えていくということです。

その要となるのが、作業指示書で、社内業務の見直しにとりくまれたいという企業に対し「作業指示書を活用出来るようにしてください」とお伝えしています。

ただし、作業指示書を導入する際に「準備不足」で始めてしまうとその後、大変な苦労されることになります。

準備不足と言っても、システム会社の作業割当の使い方や、ツール類の整備といったことではありません。

経営として投資予算さえ決めれば、運営部長がやるだろうし、あとは現場の店長と売場長が、がんばれば…と、思って進めるのはいいのですが、少々、冷静に考えてみてください。

「貴社の店舗の方は、どんな段階を踏んで契約人時を改定させていくと思いますか?」

いかがでしょうか?残念ながら、このことを考えていない方が非常に多いのです。

この、「どういった段階を踏んで契約人時改定に至るか」ということを「導線設計」と呼んでいます。

分かりやすく言えば、さまざまな業務改善活動から、個別契約見直し完了するまでを描いた、「企業をローコスト化に導くための流れ」ということです。

この導線設計を良く考えずに、単に作業割当表を導入して一所懸命に人時削減しようとしたとしても、成果を望むことは出来ません。

人は誰でも、自己都合で考えてしまうものですが、お金を出したのだから、作業割当表を「誰かが」使うようになり、「人件費が自動的に下がっていく」などと思っているとしたら、あまりにも経営側の都合で考え過ぎということです。

何も難しい話をしようと言ってるわけではありません。経営として数百万を超える投資をしようとしているとき、ご自身がいったいどんなことを考えて行動するかを想像すれば、すぐにわかることだと思います。

・運営部長の概要説明を聞いて、店長はすぐにやってみようと行動しますか?

・システム会社の説明を受け、すぐに必要データ入力を開始することが出来ますか?

・必要データが入力出来たとして、いつから人件費効果を手にすることが出来ますか?

いかがでしょうか?

なかには「自分はすぐに行動する」という方もいるかもしれません。しかし、そう答える方でも、「社長から言われたから…」というのが、大きな理由だったりします。

言わずもがな「なぜ、これをやるのか、ちゃんと説明しないと誰もやらない」ということです。

要するに、「投資はしたが、成果を得るにいたるまでに、何かが足りていない」ということを、社長自らが感じ、この足りないものを埋めなければ、なかなか成果を得ることは出来ないということです。

誰にでも見えてる競合の姿や売上や客数に翻弄されることなく、思い通りに進めるためには、社長自身が感覚を研ぎ澄まし見えにくい自社のムダな業務に目を向けることで、とるべき道はどこか見えてくるものだからです。

さあ、貴社ではまだ、付け足し型の手法で、低迷を続けますか?それとも、社長が実現させたいものをハッキリさせ、不要なものを全てやめ成功を手にしますか?


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