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今週の儲かる繁盛店の視点 第439話:「なぜ、人時売上は最初の店で導入出来るのに、多店化しようとすると上手くいかないのか?」

先生 最初の店で導入してみたのですが、2店3店と増やすとなると… セミナーに参加された社長からのご相談です。

聞くところによると、社長の肝いりで作業割当表を導入してみたものの、それを多店化しようとすると上手くいかないとのこと。

――――おっしゃる通りで、とても大切なことにお気づきになられましたね。と申し上げました。

 最初の店は、本部も総がかりで支援することから、ある程度の結果も期待できますが、2店目となると、「一度やってるわけだし、それを拡げるだけじゃないの?」という天の声が聞こえてきたりします。よせばいいのに、「頑張れば多少人員を絞って、短期間でも出来るのでは…」とパフォーマンス欲が頭を持たげ、失敗をされる企業が後を絶たない厳しい現実がそこにあるからです。

――――そもそも、なぜ、最初の店では導入して成果を出すことが出来たのでしょうか?

理由はシンプルで、外部専門機関のノウハウをもとに、本部で企画を立て、それなりの人材を集め時間とコストをかけてきたからです。それを一足飛びにやろうとすればどうなるかは火を見るより明らかというものです。

今、それなりの人材と申し上げましたが、さまざまな店や本部といったポジションを経験し、次々と新しいことを、抵抗なく受け入れてくれるタイプの方々を意図的に選択してきたということです。

一方、二店舗目以降のメンバーは、店舗でひとつの担当を長年やってきた人で、一箇所当たりの従事期間が長く、その分専門的なことは詳しいものの、新しい仕事に関わってこなかったタイプの方々す。

断っておきますがどちらが良いとか、悪いとかではありません。全体割合から見れば後者のタイプが約9割の方となります。そのため、新らたなことに取り組む際は、1割の前者のタイプの資質に頼るしかないのもこれまた事実だということです。

しかしながら、新しい取り組みが好きな人材を多く集めてスタートし、運よく勝ち進むことができたとしても、二店舗目以降は、まったく違うキャリアの方々なので、段階的にやり方を変えていかくてはなりません。

よく、「たかが人時売上を横展開するのに、大げさな…」と言われる方もいますが、「全店波及のための体系化」が出来ていない企業の場合、想像より、はるかに大きな壁にぶつかり前に進むのが難しくなります。

人時売上を上げる為には 売上を上げるか?人時を下げるか?しかないわけですが、頭の中ではなんとなくわかっても、人時売上を上げていく為に、各自がどう動くべきか分かっていなければ意味をなさないからです。

そのために、最初の店舗では、まず、人時売上の基本実務から学びどう活用していくのか?を体系化し、実店舗で実施していきます。

こうした成果をあげていく導線計画が無いまま、最初の店を真似るといったことを続ければ、やがては行き詰まり、何につまずいたのかわからぬまま頓挫してしまうことになるのです。

前出の企業では、こういった計画の無しに、作業割当のシステムだけを先行させてしまったため、最初から多くの問題を抱えていたことに気づかぬまま、スタートしたことに問題があったということです。

というのは、レイバースケジュールはツールであり、その使用目的や使い方が明確にされてなくては、そこに掛かる労力や時間が全て無駄となってしまうからです。

多大なお金と労力をかけシステムを入れてみたものの「人時売上は下がる一方でこのまま二店目にいったとしても…」ということではシャレにならないからです。

最初からしっかり成果を出し続ける店づくりが前提条件になることはいうまでもありませんが、最初の店では、自社にはどういうものが必要で、不要なものはなにか?という、いわばトライ&エラーを行なう実験店の位置づけとなります。

一方二店目というのは、最初の店でやって効果のあったことを抽出し、三店、四店と多店化していくためのお手本の店という位置づけになります。

最初の店は、これからも 様々なチャレンジをしていく店であることにはなんら変わりないわけですが、二店目ではそれを各店に波及させていく段階において、よりかみ砕いた「見てわかる」レベルに標準化させていかなくてはならないからです。

そのためには、何回でそれが使えるようになり、いつから効果をだしていくといったことが誰もがイメージできるレベルまで、企画を磨き上げていくことが欠かせません。

最初の店では導入に1年かかったけれども、3店目以降は4カ月~6カ月のペースで複数店を同時に導入していくために、どうすべきかということがはじめて見えてくるものだからです。

この手法で自らの手で結果を変えていくことがわかるようになると、プロジェクトに関わっているひとりひとりの目の輝きが変わり、徐々に数値は上がっていきます。

人時売上に限らず、チェーンの多くの企業が、横展開につまずくのは、こうした、最初の店舗と二店舗目の目的を取り違えていることであり、ひとつできればあとは拡げるだけと、安易に考えることが、すべてを台無しにしてしまうということです。

さあ、貴社では、まだ、一店やっては、次から次へと、新たなことに手を出し失敗を繰り返しますか?それとも、確実に成長できる自社プランを作り大きく飛躍しますか?


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