今週の儲かる繁盛店の視点 628号:「なぜ、人件費を見直すために業務量が大切なのか?業務を抜きに考える人件費対策の行く末は?」
「人件費って増えるのは、しかたないことなのでしょうか?」
とある急性期病院の院長さんからのご相談です。
お話をお聞きすると、病床稼働率がやっと上がり赤字を脱することが出来そうな見通しとのことで、
次の課題として業務量の多い、外来の人件費の見直しをやっていきたい。
しかし、やったことがないのでどこから手を付ければいいのかわからないとのこと。
夜勤のある病棟は人員基準があるため変えるのは難しいですが、昼間の外来は、規制もなく人も業務量も多いことから、ここでの改善が実現できると利益は大きく変わってきます。
しかし、いざやるとなると プロジェクトを立ち上げ しっかり詰めていかなくてはなりません。各部署の責任者からは、「自部門の人員は減らしたくない」といった意見がでて、計画そのものが頓挫してしまうこともあるからです。
ここで大事なことは、「難しくしない」ということです。
今回、取り組みの目的は「業務量が多い」ということですから、どのくらいの業務項目があるのか、シンプルに書き出し数える。ということです。
プロジェクトで事務局を設置し、いろいろ調べていくわけですが、大切なのは、全て聞き出し、全て書き出すということです。
というのはこれまでも業務改善という名ばかり改善は、どこの病院でもおやりになられたことがあるのではないかと思われるからです。
言葉は良くないですが、現場の方は「院長の思い付き」「また、始まった」「どうせ途中で頓挫する」くらいにしか考えていません。
なので、最初に徹底的に現場に耳を傾けることで、「現状あなたの問題全て解決するから・・・」といった。勢いでやらないと、事務局側のモチベーションも長続きしないからです。
言わずもがな、業務改革は、最初の一歩からすでにはじまっていて、このやり方手順に一切無駄はありません。といった一貫性が重要だからです。
業務項目数を調べた結果、1000項目あったとします。もし、その10%を減らすことが出来れば、人件費は必ず下がります。
具体的にどのくらい下がるのかと申しあげれば、ざっくり7~5%と申し上げています。
これは、弊社が今まで手伝いさせてきただいた企業のプロジェクト開始から2年目での平均的数値です。
そしてこの仕組みが一旦できあがりますと、毎年、人件費は下がるようになります。
仮に年商100億の急性期病院の場合、人件費比率65%だとすると、人件費は約65億。5%削減で約3億が実質増になります。
事実 ご支援させていただいている法人・企業では、こうした億単位の改善が、毎年着々と進められています。
特に、一事業所200人以上の人が勤務されるような職場は、削減額にレバレッジがかかるので、効果は絶大といえます。
では、実際どうやるかといいますと、業務項目一覧から、量が多くて大変な業務を簡素化したり、形骸化した業務を削除したり、業務内で使うツールや備品の似たような名称を統一したり・・・といった用語の整理をやっていきます。
「え?」という声が聞こえてきそうですが
そこには、ハードな交渉や、高額投資といったことは一切出てきません。ほぼ、デスクワークでまとめる作業になります。
つまり、病院のなかで、使ってる様々な業務名称を整理しただけで、億単位の人件費が変わるのであれば、やらないほうがもったいということです。
さあ、貴医療法人では、まだ、人件費が上がり続ける要因がわからぬまま苦戦をつづけますか?
それとも、自らの業務内容と向き合い、その他大勢の急性期病院と一線を画しますか?
次に病院改革で成功を手にするのはあなたの番です。
著 伊藤稔