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今週の収益改善の視点 632号:「なぜ、外来を整え始めた病院だけが、“1割の勝ち組”に入れるのか?」

病院の外来を整える──この言葉を聞いて、「そんな病院が本当にあるのでしょうか?」とある病院の院長さんからのご相談です。

お話をお聞きすると、

「外来は薄利ですし、政策的にも評価されず、“投資しても回収できない領域”にあえてテコ入れすべきかどうか」悩んでおられるとのこと

おっしゃる通り、九割の病院は、外来を「現場の工夫でなんとかする場所」としてきました。

外来は儲からない。これは事実です。

そうはいっても、“儲かる患者さんが入ってくる入口”でもあるということです。

入口が壊れている病院は、どれだけ手術戦略を磨いても利益に限界があります。

なぜなら、来た患者さんの中からしか、選ぶことが出来ないからです

いわずもがな、「外来患者は待たせておいても、収入は減らない」などと高を括っていると、紹介は減り、新患は減り、手術の種が拾えず、気づけば、患者がこなくなっていたということになりかねない。ということです

「外来は収益の中心ではありません。」、しかし、利益を生み出すの前提条件をつくる場所です。

この構造を理解し、外来を整え始めた急性期のA病院があります

例えば、外来患者の待ち時間を短くするのではなく“安定させる”といったことをやっています。

安定とはなにかと言いますと、多くの病院は。「待ち時間を短くしたい」といったことを考えます、

しかし患者が本当に求めているのは 「時間の短さ」より、「今日はどれくらい待つのかが予測できること」です

なぜ安定なのか

待ち時間が30分の日もあれば、2時間の日もある こうした予測不能なことが患者の不満の正体。だからです

また、紹介診療では、紹介元に専用枠をつくる。電話を外来から切り離す。問診を事前化し、医師の診察を止めない。

こうした一つひとつの改善は地味ですが、積み重なると外来の“流れ”が変わる。流れが変わると、紹介が戻り、新患が増え、手術の種が自然に集まる。

すると病院は“患者を選べる病院”に変わる。選べる病院だけが、政策の追い風を受けて生き残る。

このように、外来を入口として整え、急性期と回復期の流れを切らさず、人時生産性を徹底管理することで、病院全体を“流れで運営”。しています。

こうした構造を持つ病院では、外来が整い、紹介が戻り、手術が増え、回復期が満床で回る──この一連の流れを自然体で実現することで高収益を実現しています。

医療政策が求める“理想形”に近いその病院は、その他大勢の病院とは違う未来を歩んでいる。ということです

外来改善は黒字化の直接因子ではありません。

しかし、外来が壊れている病院は絶対に黒字にならない。

だからこそ、外来を整え始めた病院には、その他大勢の病院にはないチャンスがある。ということです。

さあ、あなたの病院でも、入口を整え、流れを整え、出口を整える ことで、医療政策の中で生き残り、伸びゆく一歩を踏み出しませんか?

著 伊藤稔