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今週の収益改善の視点 633号:「なぜ、忙しさを解消するために 人を増やし続けるのがダメなのか?人を増やしてきた病院の行く末は?」

先日、クライアント先の社長さんと雑談をしていた時のことです、

「最近、高速道路の渋滞が減りましたよね。ゴルフに行く時も、以前ほど“止まる・ノロノロ運転がなくなった」と言われたのです。

確かに、そういえば、お盆やGW期間中でも渋滞で、30キロ渋滞というようなことを耳にすることは減ったような気もします。

実際、国土交通省とNEXCOの統計でも、ここ10年で渋滞は大きく減っていると出ています。しかし、 車の台数はほとんど変わっていません。

これは、NEXCO側が“流れ”を整えてきたことが大きく影響しています。

合流の距離を長くしたり、緩やかなカーブにしたりといった設計変更であったり、ETCによる決済サービスがあります。

また、ITSといった車の量にあわせ制限速度を100キロ⇒120キロへと緩和し、滞らないような仕組みへと進化させてきたということです。

渋滞と言えば、病院の、会計や検査を待つ患者の列が思い浮かびます。

急性期病院では、「外来が忙しい、病棟がパンクする、手術が押す」といったことに対応すべく、職員数を毎年2〜3%ずつ増やしてきました。その結果、10年前にくらべ20~30%、人件費が増加してます。

一方で、患者数はというと増えておらず、むしろ、減少している地域も多く、職員数だけが増えるという悪循環になっているということです。
確かに、電子カルテの導入や、業務の複雑化といった要因はありますが、何も手を打たなくては、赤字増となるのは、火を見るより明らかです。

人を増やし続けている病院はつぎのような特徴があります

• 午前に一般外来患者が集中する
• 午後の一般外来は極端に少ない
• 入退院が同時に重なる
• 会計・検査で“止まるポイント”が多い
• 手術前の段取りがバラバラ  等々

こうした問題をよそに、一律に人を増やしたことから、収益は厳しくなっています。

一方で、人を増やさずに回しておられる病院では

“忙しいから人を入れるのではなく、個々の業務にどのくらい時間がかかっているかを まず、調べています。

例えば、外来の午前と午後のムラがあると感じたら、 どのくらいあるのか調査する、もし、午前と午後の差が 1.5倍 あれば、 午前に人を寄せ、午後を最小限にするといった仕組みを作っていきます。

また、館内の患者の行列が出来そうな場所を見つけ出しては潰していきます。

受付機の前での行列、血液検査を待つ行列、会計の前に出来る行列、館内のいたるところでの待ち時間を無くす活動を積極的に実行しています。
こうした取り組みによって、滞留が激減、残業が減る、離職が減る、採用コストが減る

結果的に、人件費を抑えることができ、収益を上げることが出来た。

高速道路と同じように、 渋滞をなくすことで、生産性を上げてこられたといえます。

人を増やし続ける病院は、 忙しさから原因を見誤り、人件費が膨らむ。

人を増やさずに回る病院は、 忙しさの原因を正しく捉え、利益が伸びる。

収益力の差は“人”ではなく“流れ”にあるということです。

さあ、あなたの病院は、まだ“人”を増やしていきますか?それともこの機会に“流れ”を見直しますか?

その答えしだいで、急性期病院の未来は大きく変わります

著:伊藤稔