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今週の儲かる繁盛店の視点 第331話:「チェーン経営で人時を社内で語るだけの企業と、人時を駆使し社内で成果が出せる企業、その決定的な違いとは!?」

「先生、人時予算はどうやって決めればいいのでしょうか?」とあるチェーン経営者からのご相談です。

―――――人時予算設定で、絶対やってはならないことがあります。それは、・・・

前年値を目標値にしてはいけない。ということです。

理由はシンプルで、それが既得権益となって、人時生産性を上げていく上で、大きな障壁となるからです。

さて、これを踏まえた上で人時予算を決めるには、いくつかポイントがあります。その中の一つを例にとって申し上げると、まず、日々の実績に注視し数値に慣れる。そして水準値はどれぐらいなのかおおよその見当をつける。年度の目標利益から割り戻し設定をする。といった流れになります。

具体的には、直近売上実績から「人時」の仮日割り予算を設定し、それに対し、実績を記載し、週次推移見ていくことになります。

売上と人時はどういった関係性があるのか?併せて見ていくことで、問題点を指摘できるようになるまで数カ月かかりますが、

それが読み解けるようになりますと、働いている従業員が、今、何をやっていて、それは利益になっているかどうか?ということが見えるようになってきます。

ある程度の日数を要することになりますが、こういったプロセスで、店舗ごとに人時が使いこなせるようになりますと、少しずつ業務量が減り、余裕が持てるようになることから、社内の風通しが良くなってきます。

かくいう伊藤も、前職時代、これを使いこなせるようになったことで、店舗の通常業務が半分近く減り、余った時間を、新たな戦略を考える時間に充てることで、生産性を上げ続けることが出来たわけです。

それを国内中堅チェーン向けに再設計し、各社に導入のためのセミナーを開催しておりますが、サービスを提供させていただいた各企業からは、ご評価いただいております。

守秘義務契約があるので、企業名は出せませんが、年間2桁以上の人時売上が改善されている企業もあり、すでにそういったレベルの企業では、来期計画に着手され毎年この時期にテストが行われてます。

但し、ことは簡単にいかないことも、申し上げておきます。注意しなくてはならないことは、人時を一過性のコストカットの道具にしてはならない。ということです。

と申しますのは「人時」でムダを発見できるようになりますと、これまでの予想を上回るスピードで、ローコスト化が動き始めます。

小売りの現場は、人が多くいるため、そこからムダを削る効果は大きく、そこで、捻出される資金は一店舗当たり数千万、企業全体では数億、数十億単位で利益が変わってくる話です。ところが、ここでは、業務内容に踏み込んでいく事から、人事異動や、リストラといったことも当然必要になります。また、そこで生まれたお金を従来型の販促強化や研修といったことに右から左に使ってしまえば、再びコストは膨れ上がり、2度目の社内の抵抗勢力の波を受け、努力してきたこと全てが、アウトになる可能性があるからです。

こういったリスクを回避するには、組織を通じた、人と人との関係や協力が必要であり、プロジェクトの設定なくして、変えていくことは出来ません。
そして、確保した資金は、十年先を見据えた成長戦略に投資していくことをその席で決定していく事が重要な課題となってきます。

「人時」が扱えるようになることで、どの業務が儲かっていて、どこに無理があるのか?ということを見抜けることは前述しました。

店の力を最大化にするために、人時売上を上げることは欠かせませんが、一方では、その相反に位置する顧客満足と、従業員貢献意欲も併せて引き上げない限り、小売りチェーンの個店力を発揮することができないからです。

そのためには、顧客満足度や従業員の貢献意欲向上のための新たなKPIを設定し、取り組むことが必要となります。

新らたな畑で、誰でも簡単に、美味しい野菜・果物が作ることはできないように、そこでは土壌づくりから始まり、種をまき、害虫・雨風に耐え、僅かな次世代への種の収穫にこぎつくことになります。

何年かかけ、改良を重ね、その収穫量を少しずつ増やし5年10年かけて、高品質な野菜や果物が出来上がります。

新らたな成長を目指す、小売りチェーンも同じで、日々買いに来られる各店のお客様の声に耳を傾け改良を重ね、運営に携わるパートさんの意見に活かし、5年10年先を見据え、個店収益力最大化を実現していくことが出来ます。

大事なことは、まず、生産性で資金を捻出し、それを元手に、そういった分析ツールを導入していく事ことが重要課題といえます。

中には、「顧客アンケートではお客さんは 本当のことを言わない」とか「こういった調査は信用にすることが出来ない」といったお考えの経営者もいらっしゃいます。各社のお考えがあるので、それをどうこういうつもりはありませんが、

たしかに、お客様は、目に見えないもの(店で扱っていない商品、サービス等)については、答えようがないので「無いよりはあったほうがまし…」という真意の見えにくい答えが返ってくるのも事実です。

一方で、実際にある商品の品質・鮮度、実施している接客サービス、レジの処理速度、清掃状態といった目で見て確認できることについては、顧客はきちんと考えて評価する。ということです。

我々小売りチェーンは、後者に対する、評価を真摯に受け止め、改善に取り組み、より高い得点が得られるようになることが使命といえます。

こうした、顧客評価なしに、やみくもに「値下げ」や「販促強化」といった自己満足策だけでは、そこから、5年10年と成長出来る戦略を見いだすのは難しい。ということです。

戦うべき相手は、己であり、現実の店舗に対する顧客の評価を受け、それに対して軌道修正を行っていくことです。また、同時に、従業員の貢献度に注目し業務改革を進めていく。

これなくして、成長はありえないからです。

さあ、貴社では、まだ、前年比を目標に掲げ、立ち止まりますか?それとも先を見据えた、人時売上と顧客満足度改善の取り組みに着手し成長し続けますか?


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