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今週の儲かる繁盛店の視点 第393話:「競合出店でダメになる企業と、強くなる企業の違い」

「先生、やっぱり大きいとこは、どんどん出店してきます。うちの店のそばにも出てくるんで厳しくなります」とあるチェーンの社長からのご相談です。

この人口減のなかでも、大手、中堅チェーン企業の中には、次々新店を出されているところはたくさんあります。

実際に、弊社にお越しになられた方の中には、毎年、数店出店のペースで売上を増やしているという社長は何人も来られています。

中小チェーンから見れば、毎年新店が出せて羨ましい。という声が聞こえてきそうですが、

人前では「いい物件があるから…」と威勢はいいのですが、内情は大違いです。「競合が出てきたらどうしようかと、さまざまに画策してますが、安心して眠れませんよ売上が計画通りとれるか心配だし…」というのが偽らざる言葉だからです。

かつてのように、出店して売れていけば、不安を抱く必要性は何もないのですが、「出店という名の既存店割れ」になっていることが大半だということです。

ミイラ取りがミイラではないですが、「既存店売上減対策のための出店…」という、窮地にどんどん追い込まれ、新規出店にしがみつき成長企業を演じたいという企業があるのは事実です。

各社お考えがあるのでそれをどうこう言うつもりはありませんが、

残念ながらこういった企業は、地域貢献どころか、「あそこはちょっと…」という存在になります。

やたら品切れが多かったり、レジは空いてるときは暇にしているが、混んでるといつも待たされるとか、お客様第一といいながら、ほとんどは忙しそうに、すれ違っても知らんぷり。

出店スピードに店長育成なども追い付かず、本来やるべき仕事が、個人に割り当てられていない為、「あれやってください、それが、終わったら次はこれ…」と昔ながらの人をたくさん抱えたやり方です。

既存店は改装ができず、看板や内装の老朽化が進んでいます。

人時売上を上げることのできない企業の典型例といえます。

つまり、こういった人手に頼ったチェーンが出てきた場合は、むしろ好都合で、売上ダウンの影響を受けるタイミングで、自社の店の人時実態を調べ直す絶好のチャンス。と申し上げています。

売上影響が一巡する前に、人時売上が上がるように収益構造をかえてしまうのが、もっとも有効な一手ということです。

間違ってもやってはいけないことは、競合対策と称し、価格戦争を仕掛けたり、品揃えで勝負といた商品戦略のようなことで、体力を消耗させてはならないということです。

まずは、多少売上が落ちても長期的に利益を伸ばせる構造にすることが先決だからです。

その体制が整ったとこで、品切れ改善、ロス改善といったムダを見直し、そこから商品戦略に移行し、徐々に売上アップへと繋げていくことになるからです。

理由は簡単で、店舗の人時売上を上げ、本部主管部に資金が潤沢にまわるようにしなければ、全社収益を上げる投資にお金を回すことが出来ないからです。

前職時代の西友の時も業績がどん底状態にあった時は、各主管部門にお金が無かったために改善投資が止まり、みるみるうちに店はボロボロになっていきました。

ウォルマートとの提携後は、売上主義から、目標利益遵守型に変わり、その重要指標として、店舗の人時売上目標が設定されました。

しかし、人時売上目標が設定されたものの、その執行計画がなかったため、全社利益は一向に改善しませんでした。

「全く未知のものであり、そんなことはできるはずがない」という気運が社内に蔓延していたからです。

その雰囲気を払拭するために、役員人事が刷新され、社長が主宰するトップミーティングで、我々が提案した人時売上を上げる企画が承認され、社内はようやく一つにまとまったのです。

これまで人件費予算があっても「超過しても期が終わればそこでチャラになる」といったやり方から、「超過した店舗は翌年も翌々年も責任を負うことを課す方式」に変えたことで、店舗のコスト管理意識は一気に変わりました。

売上アップは難しくても、人時であれば、店長の意志ひとつでできることから、予算運用方法次第で、企業業績は大きく変えることが出来るということです。

この店舗運営の動きに対し、本部主管部門においても店舗運営で稼いだ人件費を、商品価格に投資をして価格を引き下げたり、改装経費に振り替えることで、人時売上を上げる体制が出来上がっていったのです。

冒頭の社長にこのことをお伝えしたのは、3年ほど前ですが、今では人時売上高では、二ケタの伸びを示し、競合が出てきたとは思えないほど、収益力をアップさせています。

このように、お手伝いさせていただいている企業で収益力がアップする企業にはある共通点があります。

それは、日頃は穏やかな社長が、こと人時のことになると目つきが変わり、動かない社員に対しては、烈火のごとく厳しく指導され、人時売上向上の原動力になっているということです。

競合が出てきてダメになる、その殆どが高コスト構造に原因があり、売上減になったとたん人件費が重くのしかかり、店が傾く…といったことになるのが主因です。

競合対策の本質は「人時」であるにもかかわらず「売上高」で「立て直しのための、安売りをして売上をとらなければ…」といったことを繰り返せば、多大なお金かかり、逆に大きなダメージをあたえることになるということです。

さあ 貴社ではまだ 競合対策と称して儲からないことに大金をかけますか?それとも、人時売上を上げることで成功を手にしますか?


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