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今週の儲かる繁盛店の視点 第442話:「なぜ、営業赤字の月が増えてしまうのか?それをクリアする執行計画をつくる術がない企業の行きつく先は?」

先生、関東圏のスーパー各社の落ち込みが厳しいようで、この先備えておくべきことは何でしょうか?… セミナーにご参加いただいた社長さんからのご相談です。

お話をお伺いすると、関東圏のスーパーマーケットやGMS企業では、大きく前年割れが続いていて、今後、全国旅行支援等で人が動きはじめると、地方も同じことになるので、何か手を打たなくては?とのこと。

――――12月商戦に向けあまり考えたくはありませんが、そうなると思います。とキッパリ申し上げました。

そうはいっても、今すぐ出来ることには限りがあるため、現状把握から来年度ではどうやって進めていくべきか、という点について考えていくことになります。

12月商戦といえば年間で最も売上が多い時期で言わば稼ぎ時です。企業によっては、12月商戦だけで、年間赤字をカバーしているとこもあり、ここでのマイナスは大きな痛手となります。
一方で、一年のうちで最も売上の低い月はどこかといえば、営業日数が少ない2月になるかと思います。

売上と人件費を一つにまとめた人時売上はどうかというと、こちらも12月が高くなるのはお分かりになると思いますが、これとは反対に、人時売上が低い月はいつごろ?とお聞きすると…

「2月でしょう?」といった声が聞こえてきそうですが…

お手元に売上データがありましたら、電卓で月別の売上高を人時で割って出してみていただきたいのですが、

―――いかがでしょうか?

前職時代含めお手伝いさせていただいてる企業では、人時売上高は2月よりも9月あたりが低い数値を示しています。

もちろん、企業によってそれぞれ違いはあるかと思いますが、それはそれとして、人時売上が低い月は、売上高に対し人時数が過剰気味で、営業赤字もしくはその兆候のある月であるということです。

そのためか、かつてそういった端境期には、各社ごとに、○○創業祭であったり△○物産催事といった山場を作って売上の底上げ策をとってきたのは記憶に新しいことかと思います。

しかし、最近は商品発掘や店舗運営でも手がかかる上、そういった新しい取り組みをやろうとする企業経営者も減り、売上額も小さくなりつつあります。

一方、営業日数が少ない2月などは売上高も少ないわけですが、バレンタインや恵方巻といった季節モチベーションが世の中に定着し、売上をとりやすい環境に変わりました。

営業日数が少ない分限られた人時数で売上がとれることから、人時売上が高く出るということです。

本来であれば、人時の売れない時期から売れる時期に移動させ、無理な人時売上予算にならないように、見直しをかけていかなくてはならないはずですが、実態はそのようになっていないということです。

売上は予算設定するのに、どういうわけか人時については予算設定をやらない企業が多く、残業してまで売上をとろうとし人件費予算オーバーでマイナス。といった笑うに笑えない結果になってしまうということです。

人時予算を設定しない理由は、「人時の使い方がわからない」とか「現状そこまで算出していない」であったり「人時を出せるシステムがない…」と様々ですが、

かつて、働き手が大勢いたころは、何をやっても売上がとれ、多少コストオーバーしても、なんとか利益が残すことが出来ました。

しかし、少子高齢化による人件費高と、ロシア侵攻によるエネルギー高で、利益の下振れがたび重なると、売上を支える人時を明確に設定しておきませんと赤字の月が増え、とんでもない結果になりかねないということです。

年末へ向け、PBを増やしたり、催事を仕込んだり、様々な手を打たれていることと思いますが、大事なことは、それらにかかる手数を正しく把握しておくことで、来年度、赤字月が増えないようにしなくてはならないということです。

まずはそれを基に、来期の人時売上予算をいくつにするのかを決め、その予算をクリアさせていくための、執行計画はどうやって積み上げていくのか?

こういったことが、現時点で出来上がっていないと、来年の今頃 同じような事態になるのは火を見るよりも明らかということです。

現に、この計画が出来ていませんと、来年の新規採用すらも組むことが出来ません。各社お考えがあるのでどうこう言うつもりはありませんが、「新卒採用は、例年通りで…」といった前年踏襲方式で進めてるとすれば、社長として枕を高くして寝ることが出来るのだろうか?と心配になったりします。

「うちは、僅かしか採用しないから…」という声が聞こえてきそうですが、

新卒社員一人採用すれば、2億円ものお金がかかります。パート従業員一人採用すれば8千万円です。決して安い買い物ではないことは誰でも分かることと思いますが、人時売上執行計画に基づいた採用計画になっていなければ、さらに赤字の月を増やす引金になりかねないからです。

人口増により低い賃金で人を使うことが出来た時代、社員が何をどうすれば、利益が上げられ給与に反映させることが出来るか?といった仕組み作ってきたのは、先代の創業者であり経営者です。

今、人口減とコスト高という環境が大きく変わった中で、それを託された社長は、あらゆる角度から実態を調査し、新たな戦略を立てない限り、水の中に沈みゆく大型客船のように会社は傾いていくということです。

この時期、ともすれば、売上の高い12月商戦ばかりに目がいきがちですが、大事なことは、年間で もっとも売上が低い月の収益構造をどう変えていくかであり、そこに、手を付けない限り、第二、第三の赤字月が雨後のタケノコのように増えてからでは手遅れだからです。

実際に、関わらせていただいている企業では、こういった赤字月の対策から始め、黒字化にする仕組みをつくることで、企業の収益構造は全く変わっています。

店舗運営を中心とした業務改革が進める体制が出来上がったことで、システム投資や、スカウト人事、出店、改装、商品開発のプロジェクトが動き出し、利益見込みが改善されたことで、従業員給与を毎年上げることにも成功しています。

さあ、貴社では、まだ、年間赤字を12月で吸収するやり方を続けますか?それとも、全勝黒字となる収益基盤作りで大きく飛躍しますか?


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