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今週の儲かる繁盛店の視点 第496話:「なぜ、売上だけに頼る経営が、業務を複雑化させるのか?売上依存企業の行きつく先は?」

「うちでも 売上が伸びましたから 他社はもっといいみたいですね」とある企業の社長さんの一言です。

インフレ値上げによる売り上げ増は予想を上回る利益改善になりました。コロナ前に、安売りで利益を削り、コストも削りそれでも間に合わなかったことから考えますと、まるで夢のような状況といえます。

そして今、インフレ値上げの鎮静化で、その夢は覚めようとしています。

「夢か…」と、このまま、静観するか、これをチャンスと捉え動き始めるかで、この先やるべきことが変わってくるからです。

先の社長さんに

――――来期の目標はどれくらいでしょか? とお聞きすると

「直近の売上の伸びは3%ですが、来期は前年値を維持することが課題です」

――――今は、どういったことができますか?

「ポイント付与や、価格強化の予算付けはしています」

――――それで、目標のどのくらいまで到達できそうでしょうか?

「うーん」と言葉に詰まります

―――――経費アップ率はどれくらい見込んでおられますか?

「・・・」

来期は、賃上げ、電気代の上昇、新札切り換え設備投資、物流コスト問題と目白押しで、何もしなくても経費増は確定しています。

売上でいくら増やすのか? 経費でいくら減らすのか?それに、商品ロスをいかに下げることができるか?といった、各部門から出てくる企画を見ながら、効果的な手をどう打つか?が焦点となるタイミングでもあります。

ところが、社内でこういた会議もつと、「あれは出来ない」「これも以前やったができない」「これは社長がやらないといってたからできない(社長はそんなこと言ってない)」と次々と出来ない意見が出てきます。

そのため、最初の企画案だしがほとんど出てこないといったコトがよく起きます。

来年早々、厳しい現実が待ち受けているにもかかわらず、なぜ、こういったことが起きると本当に居ても立っても居られない気持ちになるものです。

ーーーーー経営として目指している目標値が、部門だけの活動目標にすり換わっていませんか?ということです。

商品部は利益率、売上。店舗運営は、人件費。物流は、積載効率。販促は客数。といった具合に、大もと同じですが、実務レベルになるとバラバラになってちっぽけな利益改善に資金が垂れ流されていないか?ということです。

さらに

ーーーーその予算というのは人口が増えていたころの実績を前年比として用いていませんか?とお聞きすると

「あっ…」と何かにお気づきになられたご様子で、

人口が増えていた頃であれば、売上も高く人件費も安かったため、残業オーバーや水光熱費が多少ブレても、売上中心の予算でも問題なかったわけです。

今は、売上が上がらない中、少ない人員で業務をこなしていかなくてはならないため、売上中心の考え方に根本的な見直しが必要になっています。

記憶に新しいところでは、コロナ前までスーパーマーケットでのレジでの現金使用率は7割超えていたものも逆転してますし、セミセルフレジ化はもうあたりまえです。会議などもオンライン化が進み移動しなくても会議に参加することができるようになり時間の節約化が進みました。

そういった効率化で生み出された、コストがどこにいったかというと、それは、単年利益計上しておしまいということになっていないか?ということです。

企業成長は、先行投資でしか得ることが出来ないにもかかわらず、貯めたお金は内部留保して小出しで使うといった、いわば貯金取り崩し方式をとった時点ですでに衰退に向かっているということです。

本来、こんなにも環境は変わっているのであれば、予算設定は余剰資金含め、ゼロから組み直すべきですが、今までの前年比主義をとってきたため、部署を越えた企画のすり合わせが行われず、生産性が上がらなかったのです。

企業の生産性を上げていくためには、売上と人件費を一つにまとめた人時売上(にんじうりあげ)という考え方が欠かせません。

人時(にんじ)とは、時間当たり作業量のことを意味しますが、これを自社売上高で割ることで、一人時間当たり売上高を出すことが出来ます。

言うならば、貴社が売上を上げるのにいくら投じられたかがわかる方程式ということです。

例えば、少ない人時数で売上を上げることが出来れば人時売上は上がります。反対に、売上は高くても、それ以上に人時数をかけてしまえば人時売上は下がります。

そのため、仕事を早くこなせる人や商品を売ってくれる人材を集めることが出来れば数値は上ります。人口が増え、採用側が人材を選ぶことを出来た時代にマッチしたやり方といえます。

しかし、労働人口減で出来る人材を集めることが出来なくなった今、業務内容を標準化して、誰にでもできるようにしなくては、数値を上げることは出来ない。ということです。

業種、企業によって問題はかわるので、取り組み方は異なってきますが、生産性を引き上げていくためには、自社の問題を特定していくための専任組織が必要になります。

「ウチは人数がすくないからそんな人はだせない」という声が聞こえてきそうですが?

こういった組織を持とうとされない企業では、売上があがらなくなると、社長や主管部門の皆さんは、何か新しいことを・・・といって次から次へと新しい企画を考えだしやろうとします。

そうした企画のほとんどが、売上目的で、人時売上の視点が欠けたものばかりだということです。

企画ごとにどれだけの人時を投入して実施してくださいという考えがないため、店舗の業務量が肥大化=人件費が増大化していく悪循環から抜け出せなくなるのです。

企業規模に関係なく、創業3年目以降の会社がこの状況を変えるには、店舗人時売上目標を設定し、人時がかかりすぎている業務の見直しへ、早く変えていかなくてはならないということです。

具体的にはセミナーでお伝えしてますが、今から3カ月後、どのレベルまでもっていくことができるかに、フォーカスすることが重要になってきます。

この3か月で、3年後の数値が達成できる戦略が立てられるかどうかで、3年後の姿が見えてきます。人時売上や原価ロスをどこまで改善するかといったコトを具体化していきます。

まずは、この計画を作ったうえで、個別にどに問題があるのかを特定することで、ゴールに近づいていくということです。

さあ、貴社では、まだ、主管部門中心のバラバラ予算で長期減益を容認しますか?それとも、今すぐ、自社の問題を特定し、苦戦する競合他社を横目に大きな安定成長を手にしますか?


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