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今週の儲かる繁盛店の視点 第497話:「なぜ、売上が増えなくても利益を増やし続けることができるのか?この理屈が分からない企業の行く末は?」

先生、こうやって、業務をひとつひとつ見えるようにしていくと、売場の見え方がまったく変わりました。
 
個別相談の席で、あるチェーン企業の社長さんのひとことです。

「今までは、売上・粗利しか見てこなかった。商品を売っていくために、どういう工程があり、そのどこかが詰まると、利益が減るということは考えてもみなかった」とのこと。

人口が増えていた2008年以前は、何をやっても売れたことから、売上粗利さえ押さえればやっていくことはできました。

あれから15年以上が過ぎ、人口は減り続け思うように売上粗利が取れないことから、販管費についても本気で取り組んでいかなくてはならなくなりました。

そうは言っても、そのように切り替えていくために何が必要なのか?ということから、考えるとなると、時間も手間もかかります。

現実問題として、先のスーパーマーケケットチェーンでは、経常利益率は1%前後の状態からジリジリと下がることが5年以上続いていました。

新入社員を採用し、新商品を積極的に入れ、改装をやったばかりのときはいいが、長続きせず気づくと元の数値まで落ち込んでしまうといったことが繰り返されていました。

しかし、ある取り組みによって

コロナ後、多くの小売りチェーンが厳しくなりつつあるいまも、利益を伸ばしています。

その実績は取り組みスタート当初の利益の3倍を越していて、今年はさらにそれを上回る勢いで伸ばしています。

断っておきますが、こちらのチェーンは新店もだしていませんし、移動スーパーもやっていません。もちろんPB商品なども作っていません。

では一体何をやったのかというと、社内の経費で最も高い人件費がどのように使われているのか?といったことを、具体的に調べ問題を明らかにしていったということです。

改革プロジェクト組み、一日の作業はどういった流れで行われているのかをつぶさに調べ、品出し数量やそれにかかった時間を数値化していったのです。

社長さん曰く、「そこで、一日の作業の流れとなっている具体的事実と、品出しにかかった時間を数値化することで、どこに問題があったのかを知ることが出来たことが利益改善につながった」と後日語っておられましたが…

ルーティンで行われている、荷受け、仕分け、移動、品出し、あとかたずけという一連の作業流れを見ていくと、ところどころ業務が中断し止まっていることに注目されたのです。

なぜ、止まるのか見ていきますと、一度目は、かご車に、特売品と定番商品が混載されていたため、特売商品をおろして再びその商品を積み込むため、一時的に作業が止まったことがわかりました。

2度目に作業が止まったのは、仕分けが終わり移動し、品出しをしようした時でした。見たことのない商品があったため、事務所にいって価格を調べ、プライスカードを探し取り付けのため作業が止まったのです。

そして3度目に止まったのは、本部から送られてきた価格間違いPOPを作り直さなくてはならなかったからでした。ここまでですでに50分が経過していました。

これは、チラシ立ち上がり日の開店前作業のワンシーンです。2時間ぐらいの間に、3回の作業中断が起こっているのがお分かりの事と思います。

「そんなの、どこでも、やっていること…」という声が聞こえてきそうですが

いやいや、まだ話は終わりではありません。開店直後、「チラシ商品の場所はどこですか?」とお客様からの問い合わせで、4度目の作業が中断しています。

大事なことは、こうしたことにかかる、作業時間全てに人件費が発生しているということです。

必要な人員を確保したとしても、こういったことがおきると、都度作業を止めて確認しなければならず、その分作業は遅れます。

そのため、本来間に合うはずの品出し数量が、出しきれず品切れを起こし、売上がとれないということです。

これが、製造業などの場合、生産ラインでどこか目詰まりを起こしているか直ぐにわかりますが、小売チェーンのような店舗の場合、それぞれの売場で同時多発的にこういったことが起きていることを見ることが出来ません。

こういった問題が、積もり積もって、業務量が増え人件費が増えていくのです。

人件費が安かった時は、こうしたことも 人海戦術でしのぐことが出来たわけですが、人が少なく採用しても集まらないため、品切れロスや無駄な作業が利益棄損を招いているということです。

前出の企業の店舗では、作業指示書を作る前に、こうした原因を特定できたことから、プロジェクト開始からわずか半年で、人件費は下がり始め、さらに品切れ改善が進んだことから、利益改善が大きく進んだのです。

そして毎年そういった店舗が増え、半数以上の店でこの取り組みが経過したことで、全社的な数値も変わってきたのです。

作業指示書を真似て作るのは簡単です、しかし、その前にきちんとした手順で事実を把握する工程を飛ばしてしまうと、取れるはずの利益もとれずそのもの自体が無駄になってしまうということです。

作業指示書については詳しい内容を弊社セミナーで お伝えしていますが、作業指示書をいきなり作るのではなく、今日から1週間でいいので店舗を回る時、解決したいことを具体化する話を店長とする習慣づくりから始めてみてください。

人は習慣で動くものですから、それによって、取り組むべきことの幅は広がり結果も変わってくるはずだからです。

さあ、貴社ではまだ、日々作業が止まっていることを放置し、人件費の垂れ流しを続けますか?それとも、店舗作業で起こっていることを具体化することで大きく躍進させますか?


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