今週の収益改善の視点 637号:「なぜ、急性期病院は医療技術が活かした結果が得られないのか?」
梅雨明けが近づき、晴れ間も少しずつ増えるようになってきました。
天気が晴れるとと気持ちも晴れるものですが、今年は病院の数字がどう動くのか、病院経営者にとっては、そのほうが気になっています。
急性期総合体制加算の新設や、救急搬送・全身麻酔の実績要件化などの評価は「できている病院」に限られます。
医療技術そのものというより、病院運営の“進め方”が重視されるようになったことから、今まで通りのやり方では厳しくなるのは火を見るよりも明らかになった、ということです。
先日も・・・
「 入院数、手術件数、救急の受け入れ、どれも以前より落ちているんです」少し前にセミナーに参加された とある急性期病院の院長からのご相談をいただきました
お話をお聞きすると・・・
会議では、「確認」「再調整」といった細かい調整の話ばかり、数値を上げる討議はないため、利益は悪化している。
医療の質が落ちたわけではないのに、患者数は減り、病床が埋まらなくなる ことを考えると、不安で夜も眠れないとのこと。
おっしゃるとおり、数字は、数値は嘘をつきませんし、日々の進み具合の変化を正確に映し出してくれるものです。
高齢化が進み、若い世代は少なくなり 生産年齢人口も縮小し、数字が落ちると、厚労省や金融機関への説明や調整が増え、先のことを考える時間はどんどん削られ、現状維持や過去の処理に費やされていきます。
では、一体、何を変えれば数字は改善出来るのでしょうか?
それは、ズバリ、急性期病院の高度医療を活かす ということです。
何言ってんだ、それが出来ないから困ってるんだという声が聞こえてきそうですが・・・
お気持ちはお察しします。
そもそも、医療技術は十分揃っているわけですから 、問題なのは、それらを活かす“手法”を考え・実行してみましょう、ということです。
実際に、収益の柱となる手術件数が増えていかない実態を調べていくと、手術が予定どおりに開始できない。 判断の基準となる必要情報が揃わない。 終わっても後処理がスムーズでない。といったことが 原因であることが8割をしめています。
つまり、患者が来ないのではなく、病院側の受入れに原因があることが分かっています
こうした前後の遅延が重なると、こなせる手術件数が減ってしまうことから、高度な医療技術をもっていても、数字に反映されず、宝の持ち腐れになってしまうということです。
各医療法人さまざまなお考えがあるので、それを、どうこういうつもりはありません。
実際うちには、そんな 無駄はない!とおっしゃる方も多いと思います
ここで大事なことは、外来 → 入院 → 手術 の流れをスムーズにし、紹介患者を1人でも多く受入れができるようにしていくということです。
診療報酬改定の体制評価を確実に取れる病院に変化させていくために、 正当な方法で高点数の加算を取り、経営基盤を強くしていくということです。
すでに、こうした取り組みをされ、明るい未来を手にされている病院もあります。
こちらの病院では、こうした「手法」改善にここ一年で集中的に取り組んできました。
朝の開始をそろえるために、患者さんの準備や麻酔科との連携を丁寧に整え、 手術間インターバルを短くするために、清掃や器械の配置を標準化しました。
緊急手術が入っても予定が崩れないように、緊急枠を固定化しました。 さらに、外来 → 入院 → 手術 の流れをそろえることで、当日の乱れを減らしました。
その結果、 毎日の朝いちに手術の進行が乱れず、救急の受け入れが安定し、紹介患者さんが増えています。
高度医療技術を活かすための“手法づくり”に取り組んだことで、 予定がずれない病院へと変わり、急性期の数字が自然に戻る状態を手されたということです。
さあ、あなたの経営する病院では、まだ、急性期の医療技術を使いこなせぬままでいきますか?それとも 活かすための手法を見つけることで、明るい未来を手にしますか?
次に、成功を手にするのはあなたの番です。
著者:伊藤稔