今週の収益改善の視点 650号:「チェーン経営者が見逃してはならない情報システムに対する考え方とは?」
2026年10月に起こった一斉サイバー攻撃を受けた企業は、現時点で公表されてるだけでも40社を超えていて、潜在的には、想像を超える企業数に被害は拡がっていく可能性がある。といわれています。
攻撃者が急速に進化したAIを使うようになったという側面もありますが、それ以前に日本中のWebサービスに“同じ弱点”が残っていた点にあるといえます。
弊社はITの専門ではありませんが、攻撃者はそういった弱点を探し、古い構造が残った部分から侵入し一気に破壊することは容易に想像できます。
朝、出社してPCを立ち上げようとしたら、ログイン出来ない、再起動もできず、データも取り出せない、となったらどうしますか?
そう、真っ青になりますよね。
仮想サーバーは停止し、クラウド側のバックアップが破壊され、業務停止に追い込まれる・・・ということが頭によぎります。その怖さは味わったものしかわからないといえるでしょう。
今回被害を受けられた企業も、復元できたのは、クライアントが持っていたバックアップだけだったという、ちょっと聞いただけでも背筋がぞっとする内容です。
大雨によって、堤防が決壊するのは一番弱いところであるように、今回狙われた大手IT企業のクラウドにも、いくつかの弱いゾーンがあり、そこには古い基盤や属人化した設定が集中していたということです。
「うちチェーンはローカルだから大丈夫」と言う声が聞こえてきそうですが、実際にはまったく安全ではありません。
POSや売上、発注といった店舗の基幹データは、すべて本部とネットワークで繋がっており、その途中には必ず外部との接点が存在します。
つまり、企業が“ローカル運用”しているつもりでも、実態は外部とつながったシステムの一部であり、完全な閉域ではないからです。
もし一部の店舗のPC端末が10年前から更新されていない機器であれば、その弱点は攻撃者のAIにとって格好の餌食になります。
古いOS、古いブラウザ、更新されていない無線LAN──こうした“見えていない弱点”が残っていると、ローカル環境であっても簡単に侵入されるのです。
そうはいっても「システム投資は大金がかかる」という声が聞こえてきそうですが、
こうした声が上がるたびに、儲かっていないチェーンストアの企業構造と、サイバー攻撃を受けやすい企業の構造が似ているということです。
というのも、儲かっていないスーパーマーケット企業の現場ではベテランにしか出来ないことが多く、その人が休んだり、辞めてしまうと、そこから、問題が発生し混乱がおきます。
―――――なぜ、ベテランさんしか出来ないことががあるのでしょうか?とお聞きすると
「え?」と言葉に詰まります
かつては、人件費も安かったため、人がやった方が安上りだったからです。しかし、今は、人件費が高騰してるため、全く逆になっています。
同じ作業なら、もっとコスパ良くできる方法が必ずどこかにあるはずですし、店舗も、10年前とは使われ方は全く違ってきてることから、仕事の手順、やり方も根本的に見直す時期にきてるからです。
特に「古いやり方」「属人化した作業」「更新されていない仕組み」といった作業量の多さに翻弄されてる現場では、商品が出せず品切れになったり、お客様をレジで待たせるといった客数減の直接要因となります。
この問題を解決するには、現状を確認し、作業内容を可視化することができれば、どこで、チャンスロスがあるかは、ある程度解決することは出来ます。
ただし、社長ご自身がそういった問題意識をもっていただかないことには駒をすすめることはできません。
実際に、ご指導をさせていただいている企業の店舗でも、かつて、パートさんに全て丸投げ状態でした。
そのため、ずさんな発注、品出し、売場管理になっていて、品切れだらけ、レジは長蛇の列といった目を覆いたくなる状態でした。
端末はどれもボロボロ、旧Windowsマシンで、もうこれはアウトのひどい状態でした。
それが、今では、発注、品出し、レジを会社が決めたとおりにやってもらうようにしたことで、・・・店舗コンディションは上がり、確実に客数が増えています。
結果、人件費は2割下がり、売上客数が伸びたことで、最高益を達成してる店が増え、念願であった増収増益に転じることができました。
そこで、端末から更新し、情報システムの穴をひとつずつ修正していった結果、何か異常があったときはすぐ対応できる体制をようやく作ることが出来たのです。
システム投資は、企業にとってインフラであり、その整備にはお金もかかります。
そのためには、営業利益段階で毎年一定水準以上のお金を生み出せる力つけることが前提となります。
言わずもがな、経営として、必要利益を生み出すための作業指示書を提示し、人時売上を上げる仕組みづくりに動かなければ、サイバー攻撃から身を守ることはできないということです。
さあ、貴社では、どこから襲い掛かってくるかわからないサイバー攻撃に怯えながら経営を続けますか?
それとも、情報システムを強化すべく、攻守一如の構えの企業経営に転換着手しますか?
著:伊藤稔
