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今週の儲かる繁盛店の視点 第295話:「社内がなぜ、やる気にならないのか、その原因も対策も根本的に一つしかありません。その一つを抜きに何をやってもダメです」

 


「先生、人時生産性はうちでも以前からエクセルでLSPを作り、作業指示書として活用してますが、人件費上昇で、厳しい状況になってまして・・・」

とあるチェーンの社長からのご相談です。

LSPというのは各マネジャーが作っているシフトのようで、誰が何をやるといった、人に作業を割り当てた、個人別スケジュール表です。

「やらないよりやったほうが…」と思われますが、そもそも人に付いた作業表では、どこにムダがあるのか俯瞰ができないだけでなく、売上げとの関係性も見えないことから、業務改革には全く使えません。と申し上げています。

十数年前と今では、マーケットも使われ方も変化し、売上ピーク時間も大きく変わってきています。

今までは、昼、夕方といったピーク時間にあわせた品出しをすれば、何とかなったものの、今は、高齢化により、一日中来店客がまんべんなく来る状況になってきたり、また、台風や雪といった情報がでるたびに、大きく変わるといったことが頻繁に起こるようになりました。

必要なのは、こうした客数の変化に合わせた、作業を組み立てることができる人時割レイバースケジュールであり、これを駆使することで、はじめて人時売上をあげることができます。

「うちはシステムには金をかけなくない、エクセルでやれば無料だし、ハイスペックなものは必要だと思わない」と言われる社長さんもおられますが、

――――年商数千億のチェーンの社長として、本気でそう考えておられるのですか?とお聞きしますと。

「うっ」と言葉に詰ります。

企業規模が大きくなると、物流やPCセンターといった分業化が進み小規模チェーンよりも生産性が高くなります。しかし、それは、人口が増え安定した売上が確保できた時代のこと。

今は 僅か数店舗の企業でも、こういった店舗ごとの人時生産性の取り組みによって、大きく人時生産性が上がるようになってきています。

正直申し上げますと、実際に導入されている企業でも、最初はそういった仕組みやシステム投資を疑問に思い「難しい・面倒・もっと簡単なものは・・・」と抵抗する方はいます。

ところが、低迷状態から変わっていく自社数値を目の当たりにすることで、「あの時代のやり方はよかった?」と頂上にいたころを懐かしむ声は消えていきます。

そういう意味では、昔からのやり方に固執されてる中型や大型チェーンほど、そのやり方を終わらせる契機が見つからず、苦戦しています。

気づけば、今まであまり気にしていなかった周辺の小型チェーンが、メキメキと力をつけ、次々と新しい取り組みにチャレンジし、顧客を奪っている状況がすでに日本全国あちこちで起こっているということです。

中型チェーンや大型チェーンはこういったことに、気づくのが遅く、どうしても手遅れになるその背景には、何かが変わると、自らの仕事がなくなってしまうのでは?という防衛意識が働き、社内が世の中情報に目を向けなくなるからです。

自分に都合のよくない情報は誰でも目を背けたくなるものですが、人口減と労働力不足がここまで進む中、今のやり方を続ければ、赤字が続くのは時間の問題と言えます。

こういった企業では、店舗の人にかかるコストも把握できてないことから、頼りとなるのは、商品勘定しかなく、売上依存から脱することができません。

今人口減が加速し、売上が期待できない中で、闇雲に人や販促費を投入し続ければ、一年後の決算がどうなるかは、火を見るよりも明らかです。

規模の大きな企業ほど、その傷口が大きくなりやすいもう一つの理由は、店舗の業務内容を掴むしくみがないということです。どこをどう直せば生産性があがるのか?経営として分かっていないということです。

大企業の社長さんであっても、やったことないことについては、その基本とルールからキチンと学ぶことです。とハッキリ申し上げています。

そういう意味では、

人時生産性に限っては、担当役員に「やってみたらどうか?」とか「任せるからやってみてくれ」という「丸投げは」厳禁です。とも申し上げています。

前述の通り、人時生産性というのは社内の一大プロジェクトです。社長にしか負うことができない、もっとも重いものであり、それを取締役に丸投げした瞬間動かなくなるからです。 

実際にやってみるとわかるのですが、

「既存システムと人時売上を繋げるのにコストが掛かる」とか「うちではこなすのはまだ難しい」「もっと普及版ができて使いやすくなってから」といった、物理的にはできるが時期尚早。

と、いったことが次から次へと起こり、待ったく進まないからです。

当然ですが、遅らせれば遅らせるほど、減益になり、その流れを変えない限り頑張っても、給与を下げなければ存続できなくなってしまうわけです。

前職時代も2万人もの従業員がいて、そういった仕組みづくりを担当役員がやっていたため、長年赤字から脱出できず、10年以上給与が下がり続けました。

新たに着任したCEOの号令のもと、単年黒字を実現し、そこから利益体質の石垣を築くことができたのは 拙著「儲かるチェーン個店力最大化のすすめ方」でも書いた通りです。

独立後、その考え方をベースに 今、国内大手から中小チェーンまで様々な企業に活用できる手順を体系化し、それと連携させたのが、人時割レイバースケジュールです。

この取り組みは、商品や施設、プロモーションといった、簡単にマネできるものと違い、表面的にはどの企業が導入しているか全くわかりません。

こうした手順を踏んで、進めている企業では、人件費を中心に、販管費は低くなることから、成長戦略が大きく変わっていきます。

今、人時生産性が叫ばれている中、まだエクセル手作業で入力している企業とその差は開く一方だとということです。

そうは言っても

今まで、売上しか注目してこなかった、企業がいきなり 人時をコントロールと言われても、まったくわからないのです。

そのためには、経営から現場まで一目瞭然で見ることができる、情報ツールや帳票やその活用方法も欠かせません。

今まで、人に仕事をつけバラバラでやっていたやり方を整理し、仕事に人を配分していくことで人時生産性は着実に変わります。

すでに取り組んでいるチェーンでは普通にそれをやるようになってきていて、少ない人数で倍以上の利益を上げはじめています。

その本質を理解し、利益を生まないことをやめ、利益を生むことに集中する流れを体で覚えていくことです。

企業として、継続的に従業員のやる気を引き出すためには、社会から求めに応えられる仕組みをつくり結果を変えていくことが必須で、人時生産性こそがその重要な指標となるのです。

さあ、貴社では、まだ、売上重視策を続けますか?それとも、構造改革に着手し、人時生産性で、企業の使命を果たしますか?


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