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今週の儲かる繁盛店の視点 第355話:「エムエイチ(MH)を下げるとは?何でしょうか?私には全く意味が分かりません。利益利率の低い企業が本当に取り組まなくてはならないことは? 」

「先生、うちはエムエイチ(MH)が高いので、下げなくてはいけないんです。」 先日セミナーに参加された社長さんからのご相談です。

―――― エムエイチとは何ですか? 

「え? マンアワーのことですが…」

―――― Manとは男性の意味ですが、御社の店舗はひょっとして男性従業員の方だけ運営されていますか?

「えっ!…」

人時は、性別を示すものではないので、シンプルに労働時間を表すLabor hour(Lh) と言いいましょう。と申し上げました。

先般、オリンピックの日本の会長が女性蔑視で、「女性が入ると会議は長くなるから~」の失言で辞任されました。

このことはネットニュースやSNSで世界中に広がり、マスメディアに取り上げられらえました。日本も、男性中心で物事を決めるやり方を見直していくことになる。ということを意味します。

「うちは女性は多いけど、ほとんどは日本人だし、地方だから…」という声が聞こえてきそうですが、

人手不足を背景に、都内のコンビニでは、外国スタッフだけの店はたくさんあります、小売りチェーンのPCセンターも外国人スタッフの方が働いていて、今後も海外の国々からの就労者は年々増えていきます。

そういった職場で、マンアワーという言葉が、日常的に使われることに違和感を感じないことが、問題になるということです。

SNSがこれだけ普及した今、ここは日本だし、うちは地方のチェーンだから…と他人事のようなことを言ってられない状況になった。ということです。

そうは言っても、出勤シフトや作業指示書の表示はMH表現になってるいるし…そういったことも順次Lh表現に更新し、バージョンアップ時に修正を忘れないでください、とお伝えしています。

バブル崩壊後、日本でも人時生産性が取り沙汰され、Man hour=人時として使われた時代は20年以上続きました。前職の企業もそういった日本企業のひとつでした。

外資傘下となると同時に、それが大きく変わっていきました。店舗へのデータや指示書は、本部で翻訳され「人時」と表現され、その使い方の理解が深まることで、不要な業務や支出は減り人時売上は改善していきました。

店は、手順通りにやることで、数値は変わっていくようになるものの、店舗統括担当になると、その先を考え方向性を指し示さなければならないことから、本部では日々多くの議論が徹底して行われます。

店舗の統括担当は、社長主宰の週次会議で業革の推進役であり、進捗報告をしていくことになります。出席者は、米国本部、あるいは異業種からスカウト登用された執行役員が主要メンバーです。

ある日の週次会議、私は進捗報告で「人時」と言うべきところを、うっかり「Man hour」と発言した途端、会場がざわつき始めたのです。

なぜ、ざわついたのか?原因がわからず、立ち尽くしていると…

アメリカ人の社長から「今回取り組んだ店は、男性しかいない店舗だったのか?」と、突っ込まれ、初めて、「はっ!」と気づいたのです。

もし、私にきちんとした語学力があって、海外勤務経験があれば、こうした失態はしていなかったと思います。ところが、日本の小売業しか知らず、どこかで聞きかじったManhourの一言は、海外の人にとっては「ざわつく言葉」として捉えられる。ということに気づいたのです。

この苦い経験があったからこそ、自信をもって、クライアントの企業の皆さんに、今からでも遅くないので、エムエイチ(MH)はダメなのでエルエイチ(Lh)に変えてください。とご理解いただくようにしています。

たかが「人時」をどうするのか?ということですが、あなどるなかれ、この言葉をどう理解するかで、現場での伝わり方が大きく変わってきます。

例えば、従業員の方が、今までは、残業もある程度やり放題だったのに、ある日突然、何の説明もなく「人時が多いので減らします」と言われ、残業時間を半ば強制的に削るといった場面はありませんか?

今まで、会社のために一生懸命やってきたのに、そのことには触れず、一律そういったやり方をすれば、不満がたまるだけでなく大きく士気に影響します。

ことの真意が伝わらずに、こういったことが表面化すれば、この会社は人を大事にしない企業とレッテルを張られかねないということです。

人時を導入する時は、まずこの点が重要なのはいう間でもありません。実際に、業務改革プロジェクトを進める前には、必ずこういった、言葉の意味やルールといった基本を徹底的にご指導させていただいております。

なんでもそうですが、基礎がしっかりしていなければ、応用ができないからです。

良くあるのが、現場優先、作業優先でたたき上げて来られた経営幹部の方々の中には、「とりあえず出来るとこから」とか「進められるとこから」といった、出来るとこ優先主義が多いということです。

そのため、「出来ないとこ」「難しいこと」が山積みのまま、利益が先細ってから慌てるのです。

ここでいう「出来ないコト」「難しいこと」を解決していくためには、言葉の意味を理解し、論理的に解決していく議論が必要になります。

理由はシンプルで「できること」は見よう見まねでできても、「出来ないことは」言葉にし時系列化していかないと、どこから手を付ければいいのかわからず、議論にならないからです。

一方、個人情報力の発信力をプラスに活かしている企業は、人時を顧客満足度と従業員貢献意欲の目標達成のためのツールとして位置づけます。そこに向け準備を進めていく事で、気づけば人時売上が上がっていた。ということに後から気づく企業が多いのが特徴といえます。

さあ、貴社では、まだ、人時さえ削ればと逃げきれると考えますか?それとも 人時について基礎から応用まで見直しをしていくことで、本質的な企業変革に着手されますか?


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