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今週の儲かる繁盛店の視点 622号:「患者数減に苦戦する 急性期病院の業務改善に必要なこととは?」

「一つの問題を解決しようとすると、出来ない理由が出てきて、中々動こうとしないのです」
少し前にセミナーに参加された理事長さんからのご相談です。

お話をお聞きすると、

「患者数を増やせないものか?」と改善委員会で意見を求めたところ、

ほぼ全員の医師から「やるのはいいのですが、待ち時間が長くなってクレームが増えるのでは・・・」といった意見がでて、断念されたそうです。

誰もが、待たせることなく多くの患者さんを受け入れ、診察・入院対応したい。しかし、今の状態でやみくもに増やせば、待たせて怒られる。忙しくなるだけでクレームを受けるくらいなら、増やすことは考えたくない。

これをやっても、評価や、給与があがるわけでもない‥‥。確かにおっしゃる通りだと思います

西日本エリアで、同じようなことで、悩まれていたある病院がありました。

その病院では、理事長から「私が責任をもつので患者さんを増やすこと」について一緒に考えてほしい。と改善委員会でお願いしたそうです。
改善委員会が終わったあと、若手医師の1人から「自分の部署でやらせてもらっていいでしょうか?」と手が上がりました。

こうして、改善委員会の小さな一歩が動き始めました。

その医師が最初にやったことは、自分ひとりさえかんばればできる、自部門の予約を増やすことから始めたそうです。

結果、どうなったかというと、大変なことになったそうです。

診察室の前は、診察を待つ患者であふれ、2時間以上待つ患者から 「いつ呼ばれるの」「いつになったら自分の番号が表示される」「後から来た人が私より前に呼ばれた」といった、問い合わせが殺到し、医事のスタッフは泣き出す始末。

医師からは「もう無理です、やりません」という答えが変えってくると思っていました。

ところが、「なぜ、そうなるのかを、各部署に聴いて回りたいのでその許可が欲しい」と 言ってきたたそうです。

すぐに許可を出すと・・・

そこでわかったのは、患者がカルテを受け取り、採血がはじまるまでの待ち時間が60分、採血後の検査結果がでるのに30分、一時間半も時間がかかっていたということでした。

さらに、血液検査のチームに聞いてみると、混雑する時間帯と暇な時間帯の波があり、午前10時ごろは、採血のカルテをもった人がどっと押し寄せてくる。

せめて数日前に、採血する患者が何人くるのかがわかればなんとかなるのに。という思いで長年やってきた。ということがわかったのです。

そもそも、MRIやCTといった大型機器は、予約制になっていても、なぜか、採血は人の手でやるため、そうなっていなかったのです。
人の手でやるのことは調整可能、というわけではないかと思いますが、時間がかかるのはどちらも同じです。

この報告の後、医師から出た提案は「採血についても予約制にすることは出来ないものでしょうか?」というものでした。

そこで、一定期間 採血検査を予約制にする、テストを行うことにしたのです。

結果は、診察室前にあふれていた患者さんは消えました。また、流れがスムーズになったことでトータル患者数が1割増えたと聞き、今、本稼働に向け準備を進めておられるそうです。

理事長からは、こうした業務改善の取り組みについても評価していく方針も打ち出されました。

比較的早く、こうした取り組みによって、収益改善のチャンスを手にされた医療法人の一例といえるでしょう。

「物事は一つのことだけで解決しない」もの、多くの人が働き、複雑な流れの医療現場では、理事長一人では出来ませんし、現場の医師だけでもできません。

改善委員会という場を設け、理事長の目指す方針のもと、それぞれが、自分の役割を明確にし、一歩一歩、進めることが、結果を出す近道といえるでしょう。

尚、こうした構造的な問題を覆す事例についてセミナーでは詳しくお伝えさせていただいております。

さあ、あなたの経営する医療法人では、まだ、現場からムリですと言われたら、それを鵜吞みにしてやり続けますか?
それとも、患者数減少に歯止めをかけ、赤字脱却のための一歩を踏み出しますか?

著:伊藤稔