今週の収益改善の視点 642号:「なぜ、急性期で問題解決力のある病院とそうでない病院ができるのか?」
以前は、うちと、あまり変わらなかったんですが、ここにきて、大きく差がついてしまいました。とある急性期の理事長さんからのご相談です。
お話をお伺いすると、同じ急性期でも、新型コロナが収束したころから、施設はきれいになり、接客も良い。気づけば業績も良くなっているとのこと。
どこで差がついたのか?
コロナ後わかったのは、「病院は混雑の中で待つのが普通」という常識が変わった、ということでした。
感染予防の観点から、滞留時間が長くならないように…、といった体制をとり続けた結果、患者の動きは、いつしか総合病院を避けるといった流れになってしまいました。
前述の病院でも、部局によって滞留時間が長いとこもあれば、逆に全然患者が来ないといったことがあっても、実態はどうだかわからないという悩みを抱えておられました。
もちろん、職員はそれぞれの場所で懸命に働いている。誰も怠けていないし、誰も手を抜いていない。
こうした中で、業務の「流れ」を何とか調べる方法がないか?と考えた作ったのが、業務改善委員会でした。
うちより先を走る病院では、こうした委員会をやっているということを聞きつけたからです。
ところが、月に一回、集まっても、意見も出ないし、形にもならない、もちろん結果も変わらずのまま時間だけが過ぎていく
「見えない原因を突き止める、そんな方法があるなら知りたい」と、藁おも掴む思いで、弊社にご相談にお見えになったそうです。
「誰でも全体が見られるようになるものを作りたい。」――理事長のその一言で、全ては動き始めました。
これまでも、委員会はいくつもあったのですが、内容的に医療専門外であったということもあり、お手つだいさせていただく運びととなったというわけです。
委員会でおこなったことは、縦組織で動く病院の“横の流れ”を調べることでした。
と申しますのは、
部署をまたぐ情報の取り方、そこで起きる問題の見つけ方、現場の暗黙知といった横の流れを調べることで、部署ごとでは気づかない問題が特定していく必要があるからです。
具体的には、事務方3名を選び、患者の動きにあわせ、入口から外来へ、外来から術前へ、術前から手術へ、手術から病棟へと歩き、そこで行われていることを調査していきます。
調査内容は委員会で共有されそこで問題を特定していきます。そこで、問題特定できれば7割解決で来たも同然だからです。
これは、特別な病院だからできたことではありません。同じ構造的な悩みを抱える急性期病院であれば、どこでも実践できる方法です。
多くの、急性期がこうした問題を解決することが出来ないのは、
院内の横の動きに目を向けることが、出来ない構造になっているからに他ありません。
患者の流れに目を向け、部署で動く組織を「横から見る」仕組みをつくる。それが急性期病院が本来の姿を取り戻すための、確かな一歩になるということです。
さあ、貴法人では、まだ、縦の問題をそのまま解決しようとし続けますか?それとも、横から見た角度で、一気に丸ごと解決し、赤字脱却を実現させますか?
こうした「横から見る」問題解決の具体的な進め方については、急性期病院の理事長様を対象としたセミナーで、実際の事例を交えて詳しくお話ししています。
「うちの病院にも当てはまる」「もっと詳しく知りたい」と感じられた方は、ぜひ一度セミナーにご参加ください。
著:伊藤 稔