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今週の儲かる繁盛店の視点 第279話:「部門間の非協力、コスト意識が薄い、顧客利益第一主義喪失、この組織病が引き起る原因とは?」

「先生、キャッシュレス化の話題に乗って電子マネー利用客が増えています。」
とある チェーンの経営者の一言です。

―――利用者数が増えるのはいい事ですが、問題はその先にあります。伊藤は申し上げました。

決済方法の種類が増えることは、売り上げ増に直結します。

特にスマホ決済は、日頃コンビニを活用する30才~50代サラリーマン顧客が多く、キャンペーン時ポイント還元を狙って、スーパーなどのチェーンに足を延ばす機会が増える為です。

また、給料日前の落ち込みがない、自社販促企画との相乗効果があるといったメリットもあるといえます。

コンビニやドラッグでは、すでに複数社のメジャーな電子マネーが利用可能になっています。

特にスマホタイプの電子マネーであればチャージが手元でできる上、利用履歴が残ります。一度キャッシュレスを体験すると、現金払いに戻れないくらい便利なことから圧倒的に優位な状況で商売をしていると言えます。

企業側の問題としては、売上上昇に伴い、手数料がアップするということです。

導入当初は、僅か数パーセントな売上であっても、ポイント還元の販促キャンペーンによって、利用者数は増えていきます。その手数料を見込んで、備えておかなくてはならないということです。

というのは、今回の増税に伴い、価格転嫁のできない、水道光熱費や物流コスト、包装資材、販促費等により、すでにコストは上昇し利益を圧迫しているからです。
 

今回の増税と同じタイミングで、膨らむキャッシュレス手数料の重みが分かっているからこそ、ここにチャンスがあるのです。

店舗では、現金を扱わなくていい分、オペレーションは楽になるものの、現金の扱いが完全になくなるわけでありません。それぞれの業務にかかる、人時をコントロールしておく仕組み導入に踏み切らなければ、手数料と人件費のダブルで収益悪化が避けられない状況になることは 火を見るよりも明らかだからです。

仮に手数料が2%とすると、粗利20%の商売であれば、手数料2%の利益率を稼ぐには10%の売上増が必要になるということです。

言い換えますと、電子マネーで、採算をとっていくためには、10%の売上増を目指すか、販売管理費を2%引き下げるか?ということになります。

それを 売上だけでカバーしていくとなれば、価格強化の日替わりチラシや 商品ロスによる粗利棄損や、商品大量陳列に人時を、かけていくという昔やって上手くいったやり方にすがりたくなるのは人間の性です。

ところが、今はディスカウンターやネット通販のように低価格が簡単に手に入る環境があるため、その価格に勝てないの商品部への運営部の不満がくすぶりはじめます。一方、商品部としては、値入の高い重点商品を確保し店舗に送り込んでも、売り込む力の弱い運営部へ不信感が高まる。といった部門間で不和が生じ、社内の論争に時間が、浪費されていくことになります。

冷静に考えればわかることですが、これを克服するには販促強化による売上拡大策は追わず、自社のポイントカードのメジャーな電子マネーの利用範囲を充実させておくことがポイントとなってくると言えます。

「そうは いっても 初期投資もかかるし」という声が聞こえてきそうですが

今回、電子マネー導入のキャッシュレス化に伴い、わずかな期間で、チラシやDM以上に利用者数を増やすことができたのは事実だという点から考えれば、これからは、メジャーな電子マネーやスマホ決済の出来る店を選んで買い物をする、という動きに変わってくるという事です。

そのためには、通常オペレーションのローコスト化は必須で、このキャッシュレス手数料をカバーするしくみが欠かせないのです。

「そうは いってもどこから手をつければいいのか?」という声が聞こえてきそうですが

そのプロセスについては セミナーでお伝えしてますが、ザックリと申し上げますと

店舗業務の棚卸を行い、その中で、利益を生み出さない非効率業務を見つけだし、精度の高いレイバースケジュールを使いこなせるようになれば、そういったコスト捻出ぐらいは、射程距離内にあり、すでに実績を上げておらる企業はいくつもあるということです。

時折、レイバースケ―ジュール導入調査に半年~1年近くかけ、手つかずになっているもったいない企業をお見受けします。

社員パート含め従業員1000名の企業で、従業員年間給与240万とすれば、年間人件費は24億。このうち毎月10%で非効率業務の改善が進めば、年に2.4億は変わってくる計算です。

年商200億のチェーンだとすると 売上対比1.2%の改善出来て、仮にキャッシュレス化が5割まで進んだとしても、おつりがくる計算になります。

実際に、競合店で キャッシュレスサービス使ってみるとわかるのですが、普通にスキャンしてすぐ会計が終わる仕組みもあれば、QRコードを読み込んでお客が入力するものがあったり様々で 今が過渡期と言えます。

顧客にとってのキャッシュレス化は「より使いやすい」「短時間で会計を済ませたい」「自分の必要な時いつでも買える」といった、チェーン企業が長年実現できなかった、顧客願望を満たす新しい体験できる。ということです。

大事なことは、キャッシュレス化で得られる顧客増を活かすために、手数料を吸収できる、構造改革が、今 不可欠である。ということです。

顧客利益を第一に新規顧客獲得を実現するためには、キャッシュレス化+構造改革が一対でなければ、大きな果実を得ることは出来ないのです。

さあ、貴社では、既存顧客を「前提」にしたキャッシュレス化をカード導入だけで終わらせますか?それともキャッシュレス化を契機に、構造改革で大きく飛躍するために行動しますか?


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