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今週の儲かる繁盛店の視点 第388話:「なぜ、人時売上の要となる売上が上げられないのか?その本質を理解できているか?」

「先生、売上を少し何とかしなくては…と思ってるのですが、やはりコストの方が先でしょうか?」 とあるチェーン企業の社長からのご相談です。

――――お気持ちお察します、たしかに巣ごもり明け、人が外出するようになれば、衣料品や交通費、外食の出費がかかり、そこに値上がりしたガソリン、電気代が家計を直撃します。

年末商戦以降、財布の紐は固くなり、この先、数年は、良くなることは期待できないことから、何らかの売上対策は必要と考えます。

一方、企業側は、売上は下がるも、人件費、水光熱費、物流費、キャッシュレス手数料、商品原価、原材料費…等々、あらゆるコストが上がっています。

そういう中で唯一、企業の手中で調整できるのが、人件費でありその人時を抑える仕組みが定着できていることが大前提となります。

そうは言っても、人時総量が抑えることが出来たその先はどうなるのか?…その観点も重要で、それを垣間見ることで、頑張れるというものです。

自粛明け、人口減少で歯止めがかからない客数減が続く中、今後、どうやって、商品力を高めていくか?が一つの突破口となります。

大事なことなので繰り返しますが、まずは、人時売上を上げることが出来るという大前提があっての上、ということになります。

理由は簡単で、商品力向上には、店舗運営の人時売上に支えられた、収益構造に変わっていなければ、この取り組みは成立させることができないからです。

現実的に、多くの企業が、「この商品力向上に問題を抱えている」ということが挙げられていて、実際、売上に苦戦している企業ほど「商品開発」を、イマイチ理解せずに行なっています。

商品力アップの難しさは、人時と同じく、その方法が見えにくい点にあります。たとえば、「商品力がある」というのは、言ってみれば「他に抜きんでた強みがある」ということです。

言葉では実に単純ですが、具体的な方法がわかるでしょうか?現実的には、「とんち問答」のように、「強みづくり」がどれだけ難しいかは、真剣に考えたことがある人ほど、ご理解されていることと思います。

主管部門の後ろに見え隠れするマーケティング理論を振りかざす企業もあり、「御社の強みは何ですか?」などと、問いかけるのを常とう句にしている業者もいます。企業や商品に独自の強みがなければ、競争に負けてしまう…ということなのでしょう。

世の中この「強みづくり」ほど難しく、また、まともに理解されていない言葉も珍しくないといえます。

似て非なることとして、店舗の見た目の特徴や奇抜性、ユニークさなど、イベント的な部分を強調することで、他社との差別化を図ろうとする手法があります。

この手法は、ドル箱店舗のような店ではある程度有効でも、人時売上を上げようとする店舗では全くと言っていいほど効果をあげません。

むしろマイナス効果が大きく、弊社では「おすすめしない…」とお伝えしているほどです。

理由は言わずもがなですが、経営の重要な判断となる事を、「一過性のイベントを経営の軸にしますか?」と聞けば、誰でも答えは分かることと思います。

ドル箱店のような立地に恵まれた店であれば、売上高が高いことから、多少利益率が下がったところで大きな問題にされないかもしれません。

ところが、このドル箱店に支えられている、その他の利益率の低い店舗の場合、表面的な売上だけを取るためにいれた日替わり企画や、移動スーパー、ポイント還元セールのように儲からない企画を投入すれば、利益率は悪化の一途をたどることになります。

導入時は売れたように見えても、日々それがどう影響するか解る仕組みが無ければ、利益を圧迫し経営が厳しくなるのは誰の目にも明らからです。

本業で儲かっていない店舗に売上先行企画をむやみに投入することがいかに、危険なコトになるかということです。

前職西友時代も強みといえば 「会員優待セール」「球団優勝セール」「開店〇周年セール」といった販促強化イベントを中心に、事業を拡げていった結果、破綻状況に追い込まれたことは拙著「儲かる個店力最大化のすすめ方」の中でもお伝えしましたが、

その後、ウォルマートとの提携により九死に一生を得て、商品開発や店舗改装、物流センターの新設等を、次々と実施したことで、店は綺麗になり新商品が売場に並び売上も上昇し始めました。

ところが、売上が伸びたのは僅か1年たらずで、その後、売上は再び苦戦状態が続いたのです。

理由は簡単で、商品改廃が滞り、新規の商品開発が続けることができなくなったかったからです。

その背景には、店舗運営本部で人時売上を上げることが出来ず、必要資金を生み出すことが出来なくなったということにありました。

そのため、新規商品をつくったり採用しても、それを強みに磨き上げていくことが出来なかった、ということです。

こうした商品力を高めていくためには、商品開発をして出して終わりではなく、改良を重ね、スポット商品や新商品投入が必要なように、そこにも、継続投資が必要となります。

他に抜きんでた魅力ある商品を作るためには、売場に並べたからといって売れるとは限らず、そういったロスまで考慮し、アイテムあたり最低数百万~数千万円のコストが必要となるからです。

数十アイテム開発しようとすると、億単位のお金を用意しておかなくてはならないということです。

つまり「強み」となる商品を生み出すためには、主管部門である商品部だけでは動くことは難しく、店舗運営本部の人時活用による資金調達力と、顧客満足度調査情報を踏まえた、プロジェクト体制でしっかりつくることなしに、成功などありえないということです。 

実際、多くの企業がそういった仕組みを抜きに、商品開発や商品改廃を行なおうとしています。

しかし、残念ながら、思い描いているような成果がでずに、苦戦する企業があとを絶ちません。

このカラクリを理解できていないため「商品で差別化=強み」という、驚くほど魅力的な罠に、次々にはまっていってもがくことになります。

ここでも、人時売上を上げると称して、似て非なる手法の罠が主管部門の中で猛威をふるって利益を蝕んでいるのです。

さあ 貴社では まだ、商品部任せの商品改廃で、アリジゴク状態を続けますか?それとも、店舗の収益構造の強みに支えられた、強く長く繁栄する企業を実現させていきますか?


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