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今週の儲かる繁盛店の視点 第400話:「人時売上を上げると言いながら、武器を持たせない企業の業績が上がった話を聞いたことがない」

「先生、なにか店舗ロスがチェックできる表みたいなものってあるのでしょうか?
とあるチェーンの社長さんからのご相談です。」

お聞きすると 

これまで、他社より多く人を採用し頑張って売上をつくってきたが、ここまで、売上が落ちてくると、人時をふくめ、それ以外のロスを下げていかないと難しい、とのお考えからそういったツールを探しておられるとのこと。

――――お気持ちはわかりますが、ある日突然、そのようなのものを作っても、かなり高い確率で活かせなのでおやめになったほうがいいですよ。キッパリ申し上げました。

但し、覚悟をもって本気で取り組まれたい。とお考えでしたら、まず、人時活用法を学び、店長の日々やるべき点検ツールとして導入するのであれば、それなりの効果を手に入れることはできます。

今、店長や管理職の長時間労働が問題視され改善が進まないことについて、企業として何とかしなければ…という動きは他にもあって、こういったことに取り組む企業が増えています。

店長に任せておくとどうしても、どこでもついつい現場に行って売場の出来ばえのようなものを見てから意見を言いったり、手伝うといった光景を目にします。私も前職時代、店長もやっておりましたのでその気持ちはとてもよくわかります。語弊を恐れず申し上げれば、たとえ売場の出来が不十分であっても、決して手伝だってはいけない。ということです。

「そんな、人がいないのに 店長に手伝わなせなかったら売場ができない」という声が聞こえてきそうですが、

理由は簡単で、そこに手を出してしまうと、問題を潜在化させてしまうリスクがあるからです。店長は再発防止するための改善指導していくのが役割だからです。

こういった店舗でのムダ作業の再発防止指導が「人時売上」を引き上げていく事につながるわけですが、どういった順番で日々店長は行動すればいいのか?というと…

この課題に多くのチェーン企業の社長の方々が、ほとんど何も手を付けていないに等しい…という、現実的な問題があります。

かねてより、運営部長のみなさんには店に丸腰で行ってはならない。と申し上げていますが、これは 人時実績やその改善のための説明資料を準備して…と言う意味からです。言い方を変えれば、その指導を受ける側の店長にも丸腰で仕事をやらせていないか?ということになります。

仕事柄、チェーン企業の社長の方や、運営部長の方々からご相談を受けますが、なかでも多いのが「人時売上を上げることが分かる店長がいない」というものです。

いわく、「優秀な店長のやり方を見て真似したり、その手法が横展開できたら、さぞすばらしいことだと思うけれど、会議で言っても伝わらないし、人時売上の上げ方が解らなくて困っている」と。

こうしたとき、実際にどのようなことをされているのか、細かく伺ったりしていますが、常々思うことは、「そりゃあ…、とても人時売上は上がらないでしょう!」と、思わず言いたくなるほど「人時改善に無頓着」な社長さんがあまりにも多いのです。

そもそも、人時売上を上げたいと言っておきながら、なぜ店長に武器を与えず店舗を任せているのか?これは、不思議中の不思議と言わざるを得ません。

「そんなことない!」との反論も聞こえてきそうですが、現実問題、私から言わせれば、圧倒的大多数が、戦う武器を持たずに店長をやっているのが実態です。

それはどういうことかと言えば、店長が出社して、店内巡回する時に昨日の店舗運営の実態をチェックする実績を示す資料もなにもない、用意してあるのは携帯電話と売上実績だけだったりするということです。弊社ではこれを丸腰店長と呼んでいます。

日々の店舗運営において、店長が見るべき必要な専用資料が用意されていないというのはどういうことか?世のチェーン経営者の方に、ここで、申し上げておかなければならないことがあります。

それは、貴社の店長の責務はなんなのか?ということです。

このことが腹の底からわかっていない限り、すべての準備や活動も、水の泡になってしまいます。

喉から手が出るほど欲しいといってる「店舗利益」なのに、自店の人時売上状況を説明するまとまった店長用資料が毎日自動で出力されないということは、これを丸腰と言わずなんというのか?ということです。

店長用資料とは、売上、人時、商品ロス、品切れ、現金ロス等の店舗が管理すべき項目数値が日次・累計実績となって出てくる帳票のことです。店長は出社したらこれらの資料を片手に売場巡回をすることで、売場のスタッフと情報交換をしてどこにロスが潜んでいるのかを点検していきます。

人時数超過の売場は、どの作業が時間内に終わることが出来なかったのか?とか、商品の値下げ実績を知っているか?といったことを確認していきます。そして、そこで生まれたコストを使い新規顧客を開拓していくことが使命となります。

ところが、

「売上未達の売場に対し、接客指導だとか、魅力的な売場づくり、商品ボリュームといったことを、売場長に指導する。」ということを言われる方がいます。

全く関係ないといいませんが、そういった見た目で、人時売上を上げる、といった「まことしやかなウソ」を信じて、遠回りをしているケースが余りにも多いということです。

理由はシンプルで、表面的な売場の見た目と人時売上は関係がないからです。むしろ、目に映らない品切れ、値下げに対し日々の実績がどう改善されているか?で店舗収益率は大きく変わるということです

見た目の売場や売上は誰でも簡単に批評できますが、大事なことはそれを支えるこれらの要素であり、締めてみたら利益が残らない。では手遅れだということです。

人件費の大事な要素となる人時オーバーによる作業ロスはもとより、最近では、商品原価の上昇から、商品ロスも粗利棄損の大きな要因となってきています。

毎日のロス金額は僅かでも、それが1年間となれば相当な金額になります。このロス金額が3分の1減るだけで、営業利益の桁が変わってくるからです。
実際、これまでご相談になられた方々で、こういうものを点検する店長専用資料が日々出力されるという方は、ゼロで逆に驚くべき確率です。

語弊を恐れず申し上げれば、売上実績表や携帯電話は無くても店舗巡回には支障ありません。しかし、店長専用資料は、絶対なくてはならない道具であり、これを用意せず店長マネジメントを任せるなど、店舗運営の本質がわかっていないということです。

一方、こういったことに取り組まれている企業では、「もっと早く知りたかった」とか「店長業務が大幅に楽になった」とか「顧客と向かい合うことに力をいれることができた」「図上で作業指示が出来るようになった」喜びの声をいただいており、店長としての仕事が大きく変わっただけでなく、人時売上が上昇しつづけています。

さあ、貴社ではまだ、売上と見た目を点検するのが店長の仕事ですか、それとも構造的問題を解決し、それを顧客開拓に結びつけることを使命としていきますか?

 


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