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今週の儲かる繁盛店の視点 第406話:「作業指示書の本質が分かっていない企業で生産性があがった話を聞いたことがない!?」


「先生 作業割当表が作業指示書にならないっていうのはどういうことでしょうか? 」
とあるチェーンの社長さんからのご相談です。

―――― 全く別のものだからです とハッキリと申し上げました。

セミナーにご参加いただく経営者の方からは、こういったご質問を良くいただくことがあります。

作業割当表とは、読んで字のごとく、出勤シフト表をもとに人に作業を割り当てられたものです。一方、作業指示書は、組み立てた作業計画に人を割り当てていくものです。

「え?」困惑されたことが見て取れる表情です。

言い方をかえますと、雇用契約をもとに作業を割り当てるのが作業割当表です。それに対し、作業手順を決め、そこに人を割り当てていくのが作業指示書だということです。

この違いはとても重要な意味をもっています。というのは、今行われている作業手順は、いつ、何を基準に決められているのか?ということです。

多くはグランドオープン時に設定された、開閉店時間や納品時間を基準に、荷受け~品出しをいつやるといった具合に組み立てられています。

例えば、店齢20年の店舗をオープン当時から、一度も見直しをしていなければ、20年そのままの店舗運営がなされてきたということです。

20年前の2002年といえば、バブル崩壊後でしたがまだまだ人口増によって、売上が維持できていた時代です。国内には中流意識があって売上も給与も上がるものと信じられていた頃です。

しかし、その6年後には人口減が始まり、売上は下がり、労働人口減少とともに、人件費が高騰しました。

人手を多くかかえた小売りサービス業界では、店舗作業にかかるコストが増大し、その穴埋めを残業のつかない管理職がやるというやりかたで切り抜けようとしました。

しかし、焼け石に水で、管理職の中には過重労働で体調を壊すものがでてきたり、労基署の指導を受ける事態が発生しました。そして、その実態を掴めないまま、先延ばしにせざるをえない状態が今も続いています。

原因は環境が変化し時代にあわなくなってきていたにもかかわらず、人が足りないことは、わかっていても、どこでどれくらい足りないのか?逆に、余っているところはないのか?ということに着手してこなかったことにあります。

本来あるべき店舗運営の収益構造に作り直ししていないところに、作業割当表で人を張り付けても、人件費が下がることはない。ということです。

最近、人事系のシステム会社などが「勤怠管理」ソフトの中に似たフォーマットを、作業指示書風に見せ売り出されているものがありますがどれも同じで、それを真に受けやったつもりになっているチェーン企業が多いということです。

断っておきますが作業割当表が悪いということではありません。根本的にその目的が違うため、無理が生じてマイナスになることはあってもプラスになることは無いということです。

また、作業割当表の基準となるのは、雇用契約に合わせ個人の裁量に任せたやり方を申告したものであり、企業として作業を効率的に行うことを基準にしたという点でも明らかに別のモノだからです。

例えば、チラシが入る時の作業量は増えますし、雪や台風といった情報が流れれば、お客さまは一気に増えます。

売上が毎日変わるように、それに連動して作業も絶えず変化するわけで、時には、残業までしてやらなくてならないことが、日常的に起こっているのはご承知のことと思います。

作業割当表を使った場合、こういったことを各個人が好き勝手に決めているため、仕事量に関係ない固定費に時間外労働がプラスになり、人件費が増えることがあっても減ることはありません。

一方で、作業指示書を活用している企業では、作業手順を企業が設定しそこに、人を張り付けるしくみになっていることから、手待ちや不足といったことは明らかになります。

そのため、店長自ら無駄なことへの注意力が高まり、コスト抑止に繋がるというわけです。

収益を上げることに対し無駄なく、人件費が使われているか、企業が見抜くことが出来るかどうかが、競合との収益力の差となってくることは言うまでもありません。

実際、社長が店舗巡回をして「おかしいのでは?」と思いながらも店長に聞くと「彼らを外したら回すことが出来ないというので人時が下がらない」という話をよく聞きます。

作業指示書の本質的な目的を理解していないために起るトラブルと言えるでしょう。

今行われている 店舗業務の根本的な部分を見直さずに、作業を割り当ててるコトは、企業にとってはリスクでしかないということです。

さあ、貴社ではまだ、作業割当表をつかった低収益体制を容認し続けますか?それとも、店舗作業を根本から見直した作業指示書で高収益企業を実現しますか?


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