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今週の儲かる繁盛店の視点 第464話:「なぜ、現場の声や、顧客の声を聞こうすればするほど業績悪化してしまうのか?」

日本中が盛り上がったWBCも終わり、先週は25℃超えの夏日かと思えば、冷たい雨空だったりと、この時期特有のお花見の天気が続きました。

一斉賃上げで、給与が上がっても、社会保険と年金控除を考えるとほとんど上がっていないことから、節約意識が改善されず、普段遣いのスーパーやドラッグの既存店割れが目立ち始めています。

一方、コスト面では、新入社員採用や、電気代の値上げ、パート賃金含めた大きなベースアップもあって、経費が例年より増大するのは明らかです。

売上は下がり、コストが上がる中で、増収減益から減収減益といういやーな空気が流れていて、その先には既存店前年割れ、赤字幅拡大の文字が浮かんできます。

「ここ数年赤字状態で、収益構造を見直さなくてはならないと思ってまして・・・」と 少し前に、セミナーに参加された企業の社長さんからのご相談です。

お話をお聞きすると、チラシ重視、大量仕入れによる価格訴求をメインにやってきたものの、競合の出店やネットスーパーの進出により収益悪化。

企業成長に必要な仕組みデータがなく、昔ながらのやり方を続けてきたため、お客様のニーズからかけ離れた状況になってしまっている。

お客様の声を反映させることで、店の収益を上げていかれたいとのこと

――――お客様の声を活かせたとして、どのくらいで利益回復できそうですか?とおききすると。

「え! それはこれから・・・」と口籠られます。

今、すでに赤字状態が続いている状況で、お客さんの声を聴き、その対策でうまく挽回することが出来れば、それは素晴らしいことと思います。

しかし、現実的に、お客様の声を聴いて、利益に変換していく導線設計のもとで具体策がとられなければ、時間だけが過ぎていくことになります。

そもそも「現場の意見を聞いて」「お客様の声に耳を傾けて」といえば聞こえはいいですが、安易に、経営の素人である社員やお客さんから聞いた話や、取引先の情報を鵜呑みにして儲かるほどビジネスは簡単ではありません。

よくあるのが、初期投資のかからない移動スーパーで新規開拓や、取り扱いのない新規商品を扱ってほしいといったことです。

しかし、その実態は売上は増えても利益にならなかったり、新規商品分の売上は増えてもロスが多くマイナスといったケースが多く、限定的に対応することはできても、拡げていくことは難しいといった状況です。

多くの人手に頼る小売業に於いて、利益よりも売上を重視した経営は、今後人件費が上がっていく中では、ますます苦しくなっていくばかりだからです。

そういう意味では、経営として主体性をもって結果を出し続けることが必須であり、そこの欠如が、減益赤字を招いたといえます。

そうはいっても、すでに営業赤字が続く今、何が問題で、その原因を特定し手を打たなければ、巨大な船が沈んでいくがごとく会社は傾いていきます。

とにかく問題の箇所への緊急対応が最優先であり、その後、対顧客店舗コンディションに着手していくことになります。

対顧客店舗コンディションと聞くと、とにかくアンケートをとって顧客ニーズを掴んでから・・・といったようなイメージされる方もおられます。

注意しなくてはならないのは、顧客ニーズをとらえることさえ出来れば何でもできる?というほど簡単な話ではないということです。

むしろ、どういった部分に、お客様は不便を感じているのか?ということを探り出しどう対応していくかといったことが実に大変ということです。

例えば、お待たせしないレジ、店員の態度、品切れがない、売場の分かりやすさ、といったことの中にその多くは含まれています。

見方をかえますと、お店の不便さ=お客様にとっての悩みであって、それを解決する体制を作っていくことが重要になってくるということです。

お店の不便さから項目を設定して、定期的にトラッキングしていくなかで読み解いていかなくてはならないものだからです。

もし、共働きの女性のお客様が、仕事終わりに立ち寄った貴社の店で、買おうと思っていた商品が切れていたら夕食準備が出来ないという問題が起きます。

さんざん、商品を探し回った後、レジで待たされるとなると、怒りはピークに達し、家に帰ってイライラして家庭不和ということになかねません。

人は感情で動く生き物であることから、こういったことは誰にでも起こりうることです。

言わずもがな、人手不足でガチガチな作業のやり方をしいている企業の店では、そういったお客様が抱える問題に応えるのは難しくなります。

こうした、問題に向き合うために、企業には冗長性が求められてくるわけですが、冗長性とは、いわば企業が持つ余裕度です。

そのためには、あらかじめ決められたレイバースケジュールがあることが前提になります。そして、アンケートでいろいろな情報を受け取ったら、随時それを作業に反映させることで、対顧客店舗コンディション評価変わっていくものだからです。

アンケートなどで、顧客の声を聴くのはいいけれど、それについて解決できる見通しがなければ「アンケートはやっても検討だけでなにもしない店」としてイメージが悪くなり逆効果ということです。

さあ、貴社ではまだ、お客様の声…といいつつ、何もしないことを容認し続けますか?それとも、収益を上げていく前工程をしっかり作り、期待を超える店づくりを実現させていきますか?


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