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今週の儲かる繁盛店の視点 第325話:「特需が終わったらどうなるのか?その時、決定的に差がつくのは〇〇を捉えておくこと!」

「先生、来年は、接客を強化したいと思ってまして こういった研修を増やします。
非常事態宣言が出た時、わかったんですが、結構クレームを頂いたので、そういったことを改善していこうと思ってまして」とあるチェーンの社長からのご相談です。

――――顧客満足度と生産性は、ともにレベルアップさせていくのが小売りチェーンの企業目的ですが、現実問題として、人を減らせば、接客が疎かになりますし、人を入れれば、生産性は落ちる。

この、相反することを、店舗レベルに落とし込むためには、社内できちんと説明もしなくてはなりません。

「そこなんですよ!」

――――少し抽象度を上げ、解決の糸口を見つけていくことです。と申し上げると

「抽象的なことより、早く、具体的なやり方を 教えていただきたいのですが…」と社長。

――――抽象的なことではありません。抽象度を上げて考えるとは、異なるモノの共通項を見つけ、そこから共通のゴールを見いだし、組織を統一した方向に導いていくことです。とハッキリ申し上げました。

ソニーの創業者の井深大氏が「自分が飛行機の中で音楽が聴けるカセットテープレコーダーが欲しい」といって、1台の試作品を作らせました。

「録音機能もラジオもついていないカセットレコーダーなど売れるわけがない」といって社内で猛反対を受けたその試作品は、後に「誰もがお気に入りの音楽を持ち運べ聴ける」ウォークマンとなり、爆発的なブームを引き起こしました。 創業者の思いを込めた試作品という具体レベルなものを作り、企業として「お客様に感動を届ける」という企業理念の抽象レベルを階層化させ、繋げ目標にして世界に打って出たということです。

非常事態宣言下に、前出の社長が考えたことは、非接触、非対面が叫ばれれる時だからこそ、「商品とお客様との掛け渡しを担うこと」の重要性を痛感したことです。

「どの店でも、いつでも気軽に相談にのってくれる人が欲しい」=コンシェルジュの配置。をできないものか?といった抽象レベルの話です。

ところが、口で言うのは簡単でも、いざやるとなると簡単にできることではないことに気づきます

常時専任者をつけるとなれば、一店舗あたり年間200万円からの人件費がかかり、10店ならば2000万円。100店となると2億の予算を追加設定していくことになります。

単に人を増やすだけではコストアップしてしまうことから、その前に、現状業務の中で、形骸化したものや利を生まない、非効率業務を全て見直しスリム化させていくことも必要です。

生産性視点でコストを再活用するといった具体レベルの話と、顧客顧客満足という抽象レベルの話を階層化させ、新しい個性的な店づくりを目標に掲げ市場に打って出ることになります。

そのために、お手本を1店作りそれを 進化させ拡げていくようにすることになります。

伊藤は日頃「お客様や従業員に改善してほしいか聞くべきではない」と申し上げておりますが、先の見えない時こそ、こういった経営として革新的な視点をもたなければ、店舗運営を変え、成長をさせていくことが出来ないのは言うまでもありません。

一方で、目の前の見えることに対しては、お客様が、不満や改善要求を言いやすいことから、店の施設や、接客、品切れ、商品の安さ、といった、不満に感じたことをキャッチアップして、改善していくことで他社と差別化を図る抽象レベルの視点が重要になります。

その為には、この先、人手をかけずにそういった情報を集め、自動分析していく具体化する情報ツールも必須となってきます。

もしその情報ツールで「商品の価格の安さ」という項目で低い点数で出てきたら、価格設定にどこかおかしな点がある。と考え、対応に動く。といったことです。

「安売り屋に、成り下がるのか?」という声も聞こえてきそうですが「商品価格の安さ」というのは、いつの時代もお客さまの支持を得るための大きな要素であることに変わりはありません。

危機管理のハインリッヒの法則に照らし合わせて見ると、もし「商品価格の安さ」で低評価が、1件でもあった場合。その背後には29件の軽微なことがあり、その背景には、300件の異常があるというのがハインリッヒの危険予知の法則です。

1件というのは氷山の一角であり、その水面下には、300件の異常を示す「商品の安さ」で劣勢に位置している商品があるということです。

「うちは、そんなに商品価格は 高くはないはず」という声が聞こえてきそうですが。

――――その証拠ありますか?とお聞きすると

皆さん「うっ」と言葉に詰まります。

そのためには、顧客満足度調査はもとより、「商品の安さ」を実現するための、価格引き下げ原資が必要になります。例えば、年商10億のお店で、戦略的に粗利1%を引き下げようとすれば、1000万円の原資が必要になります。

こういったことは、前述のように、店舗運営の非効率業務から見いだされたコストを使い、価格引き下げのために再投資を行っていくことになり、ここでもローコストオペレーションが必要なのは言うまでもありません

大事なことは、やみくもに価格を引き下げるのではなく、どの水準まで引き下げれば、安く感じるお店になるか?といった抽象レベルの話を、顧客満足度調査という具体レベルで、一つの目標とすることで、顧客満足度を引き上げていくわけです。

今回の特需の先のあるべき姿とは、企業としての新たな個性を打ち出すことであり、それを利益に変換させる具体レベルで仕組みの準備を行うということです。

さあ、貴社ではまだ、目の前のことだけに対応し、増益のチャンスを見過ごしますか?それとも、顧客の願望を抽象レベルで捉え収益アップの道を目指しますか?


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