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今週の儲かる繁盛店の視点 第327話:「新店・改装についてレイアウトで討議しても、何も変わりません、もっとまずいことに会社も成長しません。今 御社に必要なのは…」

「先生、レイアウトはこうで、この駐車場の張り付きなんですが、どう思いますか?…」先日 個別相談にお見えになった。とあるチェーンの社長さんからのご相談です。 

――――ところで、人時生産性はどれくらいですか?とお聞きすると

「え? いや そこは、数値がないので、やってみてからでないと…」

図面をご持参いただいた社長さんに対して、釈迦に説法とは思いますが、――――改善投資計画と人時生産性はワンセットです。とお伝えしました。

新店でも改装でも、同じですが、目指す人時売上高が、明確になってなければ、たとえ、売れそうな物件であっても、体制を整えてから出なおしたほうがいいのではないでしょうか?と、はっきりと申し上げています。

かつて、人口が増えた時代、店を出して、売上シェアを取ったものが勝つ。といったやり方で、小売チェーンは発展してきました。

その後、新しい商品開発力をもって、頻繁なフェイス変更を武器に攻めてくる、コンビニ企業に、ジワジワと包囲され、気づけば、小売りチェーンは、売上シェアを奪われ前年割れを起こしていたのはつい最近のことです。

では、コンビニのような商品開発力をもたない小売りチェーンは、どの局所で、逆転できる可能性があるのか?となると、価格や品目数といったことになるかもしれませんが、それを下支えする有力な方法は、販管費をどのレベルで回せばいいのか?ということです。

人の体温は平熱が36度前後ですが、35度の人もいれば 36度後半の人もいるので、37度以上の人は休んでください。といった、出社基準が、今はどこでもあります。

チェーン経営も同じで、販管費水準をいくつにすればいいのか?その裏付けとなる、既存店の数値や同規模店の人時売上を比較して、人時売上目標値を設定してください。それからです。と申し上げました。

新店にしても改装店にしても、マーケットボリュームがどのくらいで、見込年商を出して、投資回収率を出すといった、従来の投資基準で出店しても、利益計画通りにいかせるのは難しい状況です。

理由は、人口減でマーケットボリュームは減る一方、店舗原材料費の高騰と、パートアルバイトの採用単価の上昇で「上がる経費に下がる売上」といったことに歯止めがかからないからです。

従来の収益構造の店を作ったうえで、人時生産性を引き上げるために必要な、新たなシステムを組み込むとなれば、初期投資も予想以上に高くなることから、開発部もそこには触れずに進めようとします。

そのために、販管費が下がらず、売上は多少増えても利益は増えないといった高コスト構造の店ができあがってしまうのです。

本来であれは、販管費引き下げの為に、初期投資をしっかり行うべきなのに、全てが値上がりしていることから、初期投資をケチってしまい、それが成長力の足かせとなってからでは、遅いのです。

そもそも、そういった課題を初期投資に組み入れていけば、減価償却費扱いとなり、さらに毎月の販管費が下がってくれば、その分の戦略資金としてプールすることが出来、営業利益に効果として現れます。

まして、新店であれば数十億、改装でも数億レベルの投資をしていくことになるわけで、もしそこで、販管費を引き下げの投資が何もなければ、全体の成長戦略を描くことはできないということです。

運用面では売場業務を支える上ために、時間のかかってしまっている非効率な業務量の削減が出来るよう標準化を進めていく事になります。一方で、設備投資面では、売場の作業性や効率を重視したものを導入していくことになります。

例えば、自動発注であったり、セルフレジであったり、顧客満足度調査の仕組み、といった直接的に人時が下がったり、顧客満足度をアップさせるツールがあります。こういった新しい全ての店舗業務を、本部で一括コントロールしていくための運用ツールが人時割レーバースケジュールです。それを使いこなすために、運用上では訓練が必要ですが、設備面としては売場毎のノート式PCを導入なども必須となります。売場のマネジャーが、売場や厨房内で事務作業を完結できるようにする。といった、人時売上改善に直結する取り組みを両面で進めていくことになります。

「いきなり 新店からではちょっとハードルが高いのでは」という声が聞こえてきそうですが、

まずは、既存店で、運用実験を開始し、運用方法を憶えていくことになります。大事なことは、これまで、売上さえとれればよかった大雑把なやり方から、これからは、店で行われているひとつひとつの業務が、儲かっているかどうか分かる、やり方に変わっていくということです。

日々、その人時売上がどれくらいで、何がその妨げになっているのかが明確になれば、そういったものから、投資をかける優先順位が変わって行われていくことになります。

初期投資が高いからといって、やみくもに削減するのではなく、将来を見据え、既存店での実験投資から開始し、新店で実用化させることに結びけることで、企業の成長力は、一気に加速していく事になります。

さあ、貴社では、まだ、従来と同じ収益力の店づくりを繰り返しますか?それとも、戦略的に人時を使った高い収益構造の店に変えていきますか


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